B'zの「ultra soul」は、カラオケで盛り上がる代表曲です。
ただ、実際に歌ってみると、思った以上に高くて苦しくなる人が多い曲でもあります。
有名なサビの勢いだけで押し切ろうとすると、最後の高音で声が詰まったり、音程が上がり切らなかったりします。
この曲が難しいのは、最高音が高いからだけではありません。
低めの音から急に高い音へ移る動き、全体を地声感で歌う必要、短いフレーズの中で勢いを保つ体力が重なっています。
この記事では、「ultra soul」の高音がきつい理由と、原曲キーに近づくための練習の順番を整理します。
ultra soulの高音は男性にはかなり高い
音域データ上では、「ultra soul」の地声最高音はhiC#付近とされています。
一般的な男性が楽に歌いやすい高さよりかなり上にあるため、原曲キーで安定して歌うには高音の土台が必要です。
しかも、最高音だけを一瞬出せればよい曲ではありません。
サビでは高めの音域が続き、最後にさらに目立つ高音が来ます。
途中で喉に力を入れてしまうと、決めどころに着く頃には声が残っていません。
つまり、この曲は「一発だけ高音を当てる曲」ではなく、「高い位置で声を保ちながら最後まで走る曲」です。
原曲キーで歌いたい気持ちは自然ですが、最初から原曲キーに固定する必要はありません。
キーを下げても曲の勢いは作れます。
まずは安全に歌えるキーで、声の出し方とリズムを整える方が近道です。
きつくなる原因はサビ前から始まっている
最後の高音だけを失敗する人は多いですが、原因はその直前だけにあるとは限りません。
AメロやBメロで余計な力を使っていると、サビに入る前から喉が疲れています。
低めの音を太く出そうとして押しすぎると、そのあと高音へ上がる時に声が重くなります。
特にB'zの曲を歌う時は、稲葉浩志さんの力強さを真似したくなります。
でも、力強く聞こえる声と、喉で押した声は別物です。
低い部分から喉を固めてしまうと、高音に上がる瞬間に逃げ場がなくなります。
練習では、サビだけでなく、サビ前のフレーズを軽めに歌うことを試してください。
低い音を必要以上に太くしない。
言葉の頭だけをはっきりさせ、音量は少し抑える。
この準備ができると、サビの高音に入る時の負担がかなり変わります。
地声で叫ぶよりミックス寄りの芯を作る
この曲は裏声でふわっと逃がすより、地声感を残して歌いたい曲です。
ただし、完全な地声で押し上げると、hiC#付近はかなり苦しくなります。
必要なのは、地声の太さを少し残しながら、響きだけを高い位置へ移す感覚です。
練習では、いきなり大声でサビを歌わない方がいいです。
まず「ネイ」「ヤッ」「ヘイ」のような短い声で、口の前に音を当てる練習をします。
声量は小さめで構いません。
喉ではなく、前歯の裏から鼻の下あたりに音が集まるような感覚を探します。
そのまま少しずつ音を上げていき、喉が締まらない高さを確認します。
途中で首が固まる、あごが上がる、声が怒鳴り声になる場合は、その高さで止めます。
高音練習は、届かない音を何度も叫ぶより、楽に出せる直前の高さを丁寧に育てる方が効果的です。
最後の高音は「上に取りに行く」と外しやすい
最後の決めどころは、気持ちが入りやすい分、上に向かって声を突き上げたくなります。
しかし、高音を上に取りに行く意識が強すぎると、喉が上がり、音程もシャープしたり、逆に詰まって届かなかったりします。
高い音ほど、身体は落ち着いていた方が安定します。
イメージとしては、音を上へ持ち上げるのではなく、前へ飛ばします。
目線を上げすぎず、胸や首に力を入れすぎず、短く鋭く出す感覚です。
最後の高音を長く引っ張ろうとするより、芯を当ててすぐ抜けるくらいの方が歌いやすいです。
練習では、最後の決めフレーズだけを切り出します。
最初はキーを下げて、同じリズムで軽く当てます。
次に半音ずつ上げていき、喉が詰まり始めるキーを確認します。
その一歩手前が、今の自分が安全に練習できる高さです。
リズムを走らせると高音がさらに苦しくなる
この曲はテンポがよく、勢いで歌いやすい曲です。
だからこそ、リズムが前のめりになると高音がきつくなります。
息継ぎが浅くなり、言葉も雑になり、最後の高音に必要な余裕が残りません。
まずは原曲より少し落ち着いたテンポ感で練習します。
音源に合わせる前に、手拍子をしながら歌詞をリズム読みしてみてください。
歌わずに言葉だけでリズムが安定すると、歌った時にも焦りにくくなります。
サビでは、全部の言葉を同じ強さで出さないことも大切です。
アクセントを置く場所だけをはっきりさせ、それ以外は少し軽く流します。
すべてを全力にすると、聴こえ方は平坦になり、体力だけが削られます。
キーを下げるならどのくらいがいいか
男性が「ultra soul」を歌う場合、原曲キーがきついなら、まずマイナス2からマイナス4を試すのが現実的です。
音域データ上でも、キーを大きめに下げると最高音が一般男性でも狙いやすい位置に近づきます。
無理に原曲キーへこだわるより、声が力強く聞こえるキーを選ぶ方がカラオケでは成功しやすいです。
判断基準は、最後の高音だけではありません。
サビ全体を歌った後に、声がかすれないか。
AメロやBメロの低い部分が低すぎて埋もれないか。
一曲歌い終わった後に、もう一度サビを歌える余裕があるか。
この3つで見た方が、自分に合うキーを選びやすいです。
女性が歌う場合は、原曲キーがちょうどよく感じる人もいます。
ただし、稲葉さんのような地声感を出そうとして喉で押すと、女性でも苦しくなります。
高音が出るかどうかだけでなく、声の太さとリズムを保てるキーを選びましょう。
原曲っぽさは高音だけでなく語尾で出る
らしさを出すには、最高音だけを真似しても足りません。
稲葉さんの歌は、言葉の頭、しゃくり、語尾の揺れ、短い母音の入れ方に特徴があります。
高音を出すことに集中しすぎると、こうした細かい表現が抜けて、ただ大きい声になりやすいです。
まずは、歌詞を大きく叫ぶ前に、言葉の頭をはっきりさせます。
次に、フレーズ終わりを全部伸ばしすぎず、短く切る場所を作ります。
最後に、余裕がある場所だけビブラートやしゃくりを入れます。
全部に装飾を入れようとすると忙しくなるので、まずはサビの一か所だけで十分です。
高音がまだ安定していない時期は、表現を盛りすぎない方がいいです。
音程と息が安定してから、語尾やアクセントを足していく。
この順番にすると、原曲の勢いに近づけながら喉も守れます。
練習メニューは短く分ける
最初にやるのは、リップロールやハミングで低音から中高音へなめらかにつなぐ練習です。
声を張る前に、喉を固めずに音が上がる状態を作ります。
ここで無理に大きな声を出す必要はありません。
次に、サビの高い部分だけを「ネイ」や「ヤッ」に置き換えて歌います。
歌詞を外すと、喉を締めている場所が分かりやすくなります。
その後、歌詞に戻して同じ軽さを保てるか確認します。
最後に、一曲通しではなく、サビ前からサビ終わりまでを録音します。
録音で聴いて、音程が上がり切っているか、叫びすぎていないか、最後の高音だけ浮いていないかを見ます。
一回の練習で完璧にするより、今日はキー設定、次はリズム、次は最後の高音というように分ける方が上達しやすいです。
まとめ
高音がきついのは、最高音が高いだけでなく、曲全体を地声感のある強い声で走り切る必要があるからです。
最後の高音を気合いで当てようとする前に、サビ前で力を使いすぎていないか、キーが合っているか、声を前に飛ばせているかを確認しましょう。
原曲キーで歌えることだけが正解ではありません。
キーを下げても、リズム、言葉の勢い、声の芯が出ていれば、かなり気持ちよく歌えます。
まずは喉が痛くならない高さで形を作り、そこから少しずつ原曲キーに近づけていくのが安全です。



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