「高い声は出るけど、これってミックスボイスなのかな。」
「裏声ではない気もするけど、地声を無理に上げているだけかもしれない。」
こういう悩みはとても多いです。
ミックスボイスは、出た瞬間に自分ではっきりわかる人もいますが、実際はかなりわかりにくい声です。
なぜなら、地声とも裏声とも少し違っていて、しかも人によって出たときの感覚が違うからです。
だから大事なのは、
「なんとなくそう感じるか」だけで決めないことです。
いくつかのポイントをまとめて見ていくと、できているかどうかはかなり判断しやすくなります。
この記事では、ミックスボイスができているかを見るポイントと、勘違いしやすいパターンを、できるだけやさしく整理していきます。
ミックスボイスができてるかは「高い声が出たか」だけでは決まらない
まず知っておいてほしいのは、高い声が出たからといって、それだけでミックスボイスとは限らないということです。
たとえば、息っぽい裏声で高音が出ることもありますし、逆に地声を強く押し上げて高音を出している場合もあります。
どちらも高い声は出ますが、出し方はかなり違います。
ミックスボイスを見るときに大事なのは、
高さそのものよりも、声のつながり方です。
低い声から高い声に上がっていく途中で、急にひっくり返らないか。
音色が急にバラバラにならないか。
喉だけで無理に押していないか。
こういうところを見たほうが、実際にはずっとわかりやすいです。
ミックスボイスができてる人に出やすい特徴
地声から上がっていっても、急に裏返りにくい
まず大きな目安になるのがここです。
低い声から少しずつ音を上げていったときに、ある高さで急に「ひっくり返る」「急に裏声っぽくなる」という感じが強いなら、まだ切り替えが安定していない可能性があります。
逆に、途中で少し音色が変わっても、つながって聞こえるならかなり良い状態です。
ミックスボイスは、地声と裏声のちょうど間をうまくつなぐような働きが大事なので、この「急に切れない感じ」は大きなヒントになります。
裏声より芯がある
ミックスボイスは、ただの裏声よりも少し芯が出やすいです。
ふわふわしすぎず、でも重すぎない。
このバランスがあると、かなりミックスらしくなってきます。
ここでいう芯というのは、無理に太くすることではありません。
声の輪郭が少しはっきりしていて、歌の中で埋もれにくい感じです。
ただし、芯を出そうとして強く押してしまうと、今度は地声を無理に引っぱっているだけになりやすいです。
芯は「力で作るもの」というより、うまくバランスが取れた結果として出てくるものだと考えたほうがいいです。
喉が必要以上に苦しくならない
ミックスボイスは、楽に出せるようになると高音がかなり出しやすくなります。
なので、前より苦しさが減ったなら良い変化の可能性があります。
ただし、ここは少し注意が必要です。
楽だからミックスボイス、とは言い切れません。
軽い裏声でも楽に感じることはあるからです。
見るべきなのは、
「楽かどうか」だけではなく、
つながっているか
芯があるか
何回やっても似た感じで出せるか
です。
母音が変わっても極端に崩れない
「あ」だと出しやすいのに、「い」や「え」になると急に苦しくなる。
これはよくあることです。
口の形や舌の位置が変わると、声の出しやすさも変わります。
だから、1つの母音だけでうまくいっても、まだ本当に安定したとは言いにくいことがあります。
もちろん最初は出しやすい母音があって大丈夫です。
でも、少しずつ他の母音でも近い感覚で出せるようになってくると、実際の歌でも使いやすくなります。
1人でミックスボイスを確かめる方法
では、実際にどうやって確認すればいいのか。
おすすめは、難しく考えすぎず、次の流れで見ることです。
まず、出しやすい低めの地声からスタートして、少しずつ上に上がっていきます。
そのとき、音を切らずにつなげる意識で出してみてください。
ここで途中から急に裏返るか、急に喉が固まるかを見ます。
次に、同じくらいの高さで、
「明らかな裏声」と
「自分ではミックスかなと思っている声」
を出し比べます。
この2つがほとんど同じなら、まだ裏声寄りの可能性があります。
逆に、裏声より少し芯があるのに、地声ほど重くないなら、かなり良い線です。
最後に、必ず録音してください。
自分で出しているときの感覚と、あとで聞いた声は意外と違います。
録音すると、つながっているつもりだったのに途中で急に声が変わっていた、ということもよくわかります。
よくある勘違い
高い声が出たからミックスボイスだと思ってしまう
これはかなり多いです。
でも実際には、高音が出る方法は1つではありません。
裏声でも高い声は出ますし、無理に張り上げても一応は届くことがあります。
大切なのは、
高い声が出たかどうかではなく、
その高さまでどうつながったかです。
息っぽいけど楽だから正解だと思ってしまう
息っぽい声は、最初の練習では悪くないこともあります。
ただ、ずっと息っぽいままで芯が育たないなら、ミックスボイスとしてはまだ途中かもしれません。
楽さは大切ですが、楽さだけでは判断できません。
少しずつ輪郭が出てくるかどうかも見ていきたいところです。
強く出せたからできたと思ってしまう
高音が力強く出ると、できた感じがします。
でも、その声が毎回安定しない、歌うとすぐ苦しくなる、終わったあとに喉が疲れすぎる。
こういう場合は、押し上げているだけのこともあります。
強さより先に、つながりと安定感を見たほうが上達は早いです。
ミックスボイスがまだ不安定な人に多いこと
ミックスボイスがまだ安定していない人は、地声か裏声のどちらかに寄りすぎていることが多いです。
地声に寄りすぎると、重くなって苦しくなります。
裏声に寄りすぎると、軽すぎて芯が出にくくなります。
つまり大事なのは、どちらかを完全になくすことではなく、バランスを整えることです。
ミックスボイスは、地声か裏声かを選ぶというより、両方のいいところを少しずつ近づけていく感覚に近いです。
実際のレッスンでも、「できたと思います」と言う人の声を聞いてみると、低いところは地声なのに、中音に入った瞬間だけ急に息っぽい裏声に変わることはよくあります。
こういう人は失敗しているというより、もう入口までは来ています。
ただ、そこで「できていない」と落ち込むより、つながりを少しずつ整えていくほうが大事です。
できてるか不安なときの練習の考え方
ミックスボイスは、「ある日いきなり完成するもの」というより、少しずつ形がはっきりしていくものです。
最初は、
「前より裏返りにくくなった」
「前より喉が固まりにくい」
「録音したら少しつながって聞こえる」
このくらいの変化でも十分前進です。
ここで焦って、
「完璧なミックスボイスじゃないならダメだ」
と考えてしまうと、逆に押し込みや無理な発声が増えやすくなります。
大切なのは、できるかできないかを一発で決めることではありません。
昨日より少しつながるか。
前より少しラクに出せるか。
その積み重ねで見ていくことです。
まとめ
ミックスボイスができてるかを見るときは、ただ高い声が出るかどうかだけで判断しないことが大切です。
見るポイントは、
地声から上がっていったときに急に裏返らないか。
裏声より少し芯があるか。
喉が必要以上に苦しくならないか。
母音が変わっても極端に崩れないか。
このあたりです。
つまり、ミックスボイスができているかどうかは、
高さよりもつながり、
一瞬の成功よりも安定感を見るほうがわかりやすいです。
「たぶんこれかも。」
その感覚が少しずつ増えてきて、録音しても同じように聞こえるようになってきたら、かなり前に進んでいます。
焦らず、でも感覚だけに頼りすぎず、少しずつ確かめながら育てていきましょう。


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