HYDEの高音(ミックスボイス)はどうなっているのかをわかりやすく解説

HYDEの高音は、ただ「高い声が出る」というだけではありません。

本当にすごいのは、低音の色気やHYDEらしい声の質感を残したまま、高いところまで自然につながっていくことです。

つまり、ただ細い高音を出しているわけではなく、
「HYDEの声のまま高い音まで行ける」のが大きな強みです。

しかもHYDE本人は、歌い方についてずっと試行錯誤してきたと語っています。
2015年には歌唱法を毎回試していると話し、2021年にはラルクの曲を歌うと昔の歌い方に戻りやすいとも言っていました。
さらに2024年には、歪んだ声の出し方について「前よりも成長しないとできなかった」と語っています。
つまりHYDEの高音は、生まれつきだけで完成したものではなく、長い時間をかけて育ててきた高音だと言えます。

HYDEの高音は、よくある“細いミックスボイス”とは少し違う

ミックスボイスというと、地声と裏声の中間のような、軽くて細い高音を思い浮かべる人も多いと思います。

でもHYDEの高音は、それとは少し違います。

HYDEの高音は、もっと地声の感触が残っているんです。
高いのに、声が急にペラペラに軽くならない。
高いのに、ちゃんと芯がある。
高いのに、色気や湿度が残る。

この感じが、HYDEの最大の特徴です。

だからHYDEの高音は、「高音がきれい」というより、
“HYDEらしさを失わない高音”
として聴こえます。

もともとHYDEは、低音側にも魅力があるボーカルだった

HYDEの声は、もともと明るく軽いタイプではありません。

本人も2021年のインタビューで、ソロ初期の『ROENTGEN』ではデヴィッド・シルヴィアンの影響もあって、あえて低音を意識して作ったと話しています。

つまりHYDEは、最初から「高い声が武器の人」というより、
低音の陰りや色気も大きな武器だった人です。

ここがかなり重要です。

普通、低音に魅力がある人が高音へ行くと、どこかで軽くしたり、薄くしたりしないと苦しくなりやすいです。

でもHYDEは、その低音の魅力をある程度残したまま上へ行く。

だから「flower」みたいな曲では、高音なのに湿っていて、ただ明るいだけではない独特の色気が出るわけです。

初期HYDEは、“上手く歌う”より“世界観を作る”歌い方だった

初期ラルクのHYDEを聴くと、まず耳につくのは独特の歌い回しです。

ねっとりした語尾。
少し含みを持たせた母音。
低音の妖しさ。
そこからサビで一気に高音へ抜ける感じ。

この時期のHYDEは、いわゆるボーカル教本的な意味で「効率よく上手く歌う」ことよりも、
L’Arc〜en〜Cielの世界観を声で作ることを優先していたように聴こえます。

だからこそ唯一無二でした。

でもそのぶん、再現も難しい。

カラオケでHYDEを真似しようとして崩れる人が多いのは、単に音が高いからではなく、
高音に行くまでの歌い方そのものがかなり特殊だからです。

今のHYDEは、声が詰まる原因を減らしている

では、今のHYDEは何が変わったのでしょうか。

ここがいちばん大事です。

2021年のインタビューでHYDEは、歪んだ声を教わる中で、「舌の奥を上げると声が通った」と話しています。
もともと自分には“太く歌いすぎて詰まるクセ”があったけれど、その通り道を変えたら声が出やすくなった、という話です。

これをすごく簡単に言うと、
今のHYDEは、力ずくで高音を押し上げるのではなく、通りやすい形にして上へつないでいる
ということです。

ここが昔との大きな違いです。

昔のHYDEは、魅力も大きかったぶん、時に危うさもありました。
でも今のHYDEは、その危うさを残しつつ、声の通り道をかなり整理してきた。

だから高音が昔より安定して聴こえるんです。

『ROENTGEN』のキーを上げた話が、その変化をよく表している

2021年、HYDEは『ROENTGEN』再現ライブで、曲全体のキーを1音上げたと語っています。

これはかなり面白い話です。

普通は年齢を重ねると、昔よりキーを下げる話が多いです。
でもHYDEは逆をやった。

しかも本人は、「当時の自分だったら歌えなかっただろう」とまで言っています。

これはつまり、今のHYDEのほうが、
自分の声がどの高さで一番きれいに通るかを理解している
ということだと思います。

ただ高い音が出るようになったというより、
“自分に合う高音の場所”を知った
というほうが近いでしょう。

VAMPS以降は、高音に“強さ”と“歪み”が加わった

HYDEの高音は、VAMPS以降でさらに変わります。

2015年には、HYDE自身が「もっと声の歪みを安定させたい」と話していました。
そして2024年には、『HYDE [INSIDE]』の中で、以前より成長しないとできなかった歪み声を出せるようになったと語っています。
「I GOT 666」の冒頭については、「いわゆるデスボですね」とも話していました。

ここで重要なのは、HYDEがクリーンな高音だけを磨いてきたわけではないことです。

歪んだ声。
シャウト。
デスボイス寄りの表現。

そういうものも練習しながら、しかもそこからまた普通の高音に戻れるようになってきた。

だから今のHYDEの高音は、昔よりも使える表現の幅がかなり広いです。

きれいな高音も出せる。
ロックな押し出しも出せる。
歪みも混ぜられる。

これが今のHYDEの強さです。

HYDEの高音をわかりやすくまとめると

かなり単純化して言うと、HYDEの高音はこうです。

まず、地声の感じをかなり残している
だから高音でもHYDEらしい色気が消えにくい。

次に、昔より声の通り道が整理されている
だから高音が昔より自然につながる。

さらに、曲によって高音の質を変えている
「flower」みたいな湿った高音。
「HONEY」みたいな抜ける高音。
「瞳の住人」みたいな繊細な高音。
「MAD QUALIA」みたいな攻撃的な高音。
全部同じではありません。

つまりHYDEは、ひとつの固定されたミックスボイスだけで歌っているのではなく、
曲に合わせて高音のキャラを変えている
と考えるとわかりやすいです。

HYDEの高音の本当のすごさ

最後に、いちばん大事なことを書きます。

HYDEの高音のすごさは、
「何の音まで出るか」
だけではありません。

本当にすごいのは、
高い場所まで行っても“HYDEの声”のままでいられること
です。

高音になると、多くの歌手は声が急に軽くなったり、細くなったり、張り上げっぽくなったりします。

でもHYDEは違う。

高いのに色気がある。
高いのに湿度がある。
高いのにロックの押し出しもある。

しかも今は、そこに歪みまで加えられる。

だからHYDEの高音は、単に「高音が出る歌手」という話では終わりません。

低音の魅力を持った人が、長年の試行錯誤で、高音域でも自分らしさを失わないまま自由度を広げてきた。
そこにHYDEの本当のすごさがあります。

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