高音になると鼻声っぽくなるのはなぜ?響きの勘違いを整理

高音になると鼻声っぽくなるのはなぜ?響きの勘違いを整理 声質・響き

低いところは自然に歌えるのに、高音になると急に鼻にかかったような声になる。
録音すると、声が細くこもり、言葉まで聞き取りにくく感じることがあります。
高音では明るい響きが必要だからと鼻へ集めようとして、かえって不自然な音になっている人もいます。

ただし、顔の前側に振動を感じることと、鼻声で歌っていることは同じではありません。
まずは何が起きているのかを分けて確認すると、響きを全部捨てずに修正できます。

鼻に響く感覚と鼻声は別のもの

高音がうまく通る時、鼻の周辺や頬に軽い振動を感じる人はいます。
これは声が明るく抜けた結果として感じることがあり、感覚があるだけで悪い発声とは言えません。
問題になるのは、母音を歌っている間も音が鼻へ漏れるようにこもり、口から広がる響きが失われる場合です。

簡単に確認するには、楽な高さで「あー」や「おー」を伸ばしながら、指で鼻をそっとつまみます。
鼻をつまんでも母音の音色がほとんど変わらなければ、振動を感じても強い鼻声ではない可能性があります。
反対に、音が大きく変わる、詰まる、続けにくい場合は、母音まで鼻へ寄り過ぎているかもしれません。

「ん」「な」のような鼻音で変化するのは自然です。
歌詞中の鼻音と、伸ばしている母音まで常に鼻声になることは区別して見てください。

高音で鼻声になりやすい原因

高い音が怖いと、声を細い通路へ押し込むように出すことがあります。
口の奥が狭くなり、舌の奥が持ち上がったまま鼻の方向へ音を集めると、明るさではなく詰まった音になります。
顎を前に出す、首を伸ばして上を向く、笑顔の形で口を横に引き過ぎる人にも起こりやすい傾向があります。

「鼻腔に響かせれば高音が出る」という説明を、鼻へ息を流せばよいという意味で受け取るのも注意が必要です。
高音は、口の中の空間と母音の形、息と声のバランスが整った結果として通ります。
鼻だけへ音を集めても、声量が増えず、歌詞が平たく聞こえることがあります。

また、鼻炎や花粉症、風邪で鼻が詰まっている時は、技術とは別に声がこもりやすくなります。
普段は問題ないのに体調の悪い日だけ鼻声になるなら、強い発声練習で押し通すより休養や受診を優先してください。

「んー」から母音へ開いて確認する

鼻声を避けたいからといって、ハミングを禁止する必要はありません。
ハミングは響きの出発点を見つけるために使い、口を開いた後に母音が自然に広がるかを見る練習にします。
楽な中音で小さく「んー」と出し、そのまま「んーあー」と口を開いてください。

「んー」では軽いのに、「あー」で急に鼻詰まりのようになる場合は、口を開いた時に舌や顎が固まっています。
一方、「あー」へ移った後も鼻をつまむと音が止まりそうになるなら、母音へ移っても鼻への漏れが残っています。
音量を下げ、あくびの直前のように口の奥が少し広がる形で試し直します。

練習中は、軟口蓋を力で持ち上げ続けようとしないでください。
息を静かに吸った時に口の奥が開く感覚を確認し、その余裕を保ったまま小さく発声するほうが、余計な緊張を生みにくくなります。

母音と顎の形を見直す

高音で鼻声っぽくなる人は、特定の母音で急に崩れることがあります。
「い」や「え」で口を横に引き過ぎると、舌の奥が固まり、薄く詰まった音になりやすいです。
「あ」で大きく開こうとして顎を突き出す場合も、声の出口が自由になりません。

まず同じ高音を「うー」「おー」「あー」「えー」「いー」の順に、小さな声で歌います。
丸い母音では自然で、横へ広がる母音だけ鼻声に聞こえるなら、歌詞の形を急に作り過ぎています。
問題の母音を、少し丸い形から徐々に本来の言葉へ近づけてください。

曲の歌詞では、子音の後に来る母音も確認します。
たとえば「ない」の「な」は鼻音ですが、伸ばす「い」まで詰めたままにせず、母音に入ったら口から響く声へ移します。
一語を録音して、子音が終わった後にも鼻づまりのような音が残っていないか聞きます。

曲で鼻声を減らす練習順

最初からサビを原曲の音量で繰り返すと、鼻声を直すより高音を乗り切る癖が強くなります。
問題のフレーズを一つ選び、まず母音だけを五割ほどの音量で歌います。
口の奥が楽で音程が合ったら、歌詞を戻し、最後に必要な強さを足します。

録音では、声が明るいか暗いかだけで判断しないでください。
言葉が分かるか、音が口から前へ広がっているか、鼻を詰めたような閉塞感がないかを聞くと、単なる明るい響きと鼻声の違いが分かりやすくなります。

高音で響きを失うのが怖くても、鼻へ押し込む方法だけに頼らないことが大切です。
楽な音量で母音が開き、そこへ少しずつ強さを加えられれば、抜けは残したままこもりを減らせます。

鼻づまりや痛みがある時は発声だけで解決しない

鼻が通らない、頭が重い、喉にも痛みがある時に、響きの位置だけを練習しても改善しにくいことがあります。
季節性の鼻炎や副鼻腔の症状が疑われる場合は、体調を整えることも歌の準備の一部です。
違和感が続く場合は耳鼻咽喉科で相談し、無理に高音練習を重ねないでください。

まとめ

響きの偏りを確かめたい時は、顔に響きを感じること自体ではなく、母音まで鼻へ寄り過ぎて口の中の広がりを失っていないかを確認します。
鼻をつまむ確認、軽いハミングから母音への移行、母音ごとの録音を使えば、自分の崩れ方が分かりやすくなります。
明るさを消すのではなく、口から伸びる響きと楽な高音を両立させることが、自然な歌声へ戻る道筋です。

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