IVEのリズを、高音の鮮やかな歌手として覚えている人は多いでしょう。
「I AM」のように大きく展開する曲で、その声はグループの華やかさを支えてきました。
ただ、本人がデビュー直後に自分の声と相性がよいと考えていたのは、バラードでした。
そこからOSTに参加し、自分で詞を書くソロ曲「Unreal」へ進む歩みには、得意な声を見つけた後の変化があります。
どんな曲で力を発揮できるのかを選ぶこと。
そして、短い担当パートから、一曲を通じて感情を伝えること。
リズの歌をたどると、この二つが次第に結びついていきます。
2021〜2022年|柔らかな声と、踊りながら歌うための準備
リズは2021年12月、IVEの「ELEVEN」でデビューしました。
翌年初めには、聴くならダンス曲、歌うならバラードが好きだと話しています。
自分の音色に合うと感じていたからです。
テヨンやIUのように、声でさまざまな感情を伝えたいという思いもありました。

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一方、IVEの舞台ではダンスと歌唱が同時に求められます。
2022年の「LOVE DIVE」の頃、リズは音楽番組を見返して、疲れが表情に出る癖を気にしていました。
有酸素運動で体力をつけていた理由も、踊りながらライブでよく歌えるようになるためでした。
柔らかな音色を、振付のある本番でも届ける。
舞台を見直し、体力をつけることも準備に含まれていました。
2023年|「I AM」を、自分が歌いたい曲として選ぶ
2023年の「I AM」は、歌い手としての判断が表に出た曲です。
リズはタイトル曲の候補が八曲あった中で、この曲を強く推しました。
デモを聴いた時から、自分ならうまく歌えそうだという感覚があったといいます。
実際の活動も手応えにつながりました。
本人は「I AM」の活動で自信がついたと振り返り、ライブ歌唱を褒められたことを喜んでいます。
曲にひかれた直感と、本番で受け取った反応が重なったわけです。
この頃には、公開したいカバーの伴奏を自分で用意し、録音まで進めているとも話していました。
「I AM」は、自分の進む道への確信を歌う曲です。
楽曲のダイナミックな展開と、力強いボーカルを組み合わせることが、作品全体の特徴になっています。
そのためリズがこの曲を選んだ意味は、単に高い音が出せるということにとどまりません。
歌で前へ進む勢いを担える曲を、自分の声の見せ場として選んだ、と捉えることができます。
ここで見えてくるのは、バラードが合うという初期の自己理解が、歌の可能性を狭めていないことです。
柔らかな音色の持ち主にも、華やかなグループ曲を引っ張る役割がある。
「I AM」は、その両方が成り立つことを示す節目になりました。
2024年|カバーで伝わる、細かな歌い回し
2024年4月、レイと出演した「リムジンサービス」では、IUの「Love wins all」を歌います。
リズが選んだ理由は、歌ってほしいというファンの声が多かったことでした。
イ・ムジンは初出演時との違いに触れ、細かな表現が伝わってきたと評しています。
高音で印象を残すことに加え、一つひとつの言葉や歌い回しで、感情を伝えることも評価されるようになりました。
「I AM」で得た自信の後に、別の曲、別の編成で何を表せるかを示した場面です。
同年5月の「覆面歌王」でも、二つの異なる歌を披露しています。
キム・セジョンの「Flower Way」では柔らかな声を生かしたデュエット、IUの「The Red Shoes」では軽快な曲へ進みました。
リズはIVEを代表する重圧があったものの、二回戦まで落ち着いて歌えたと振り返っています。
2024〜2025年|OSTで、一曲の感情を引き受ける
2024年12月15日には、ドラマ『愛は一本橋で』のOST「Summer」を発表します。
初のソロOSTであり、過去から現在へ続く愛情を一曲で描く仕事でした。
担当パートを受け渡すグループ曲に対し、一人で物語の入口から感情の深まるところまでつなぐ。
声を託される時間が広がりました。
続く2025年5月18日の「Heavy Love」は、ドラマ『天国より美しい』のOSTです。
長い時間の中で積み重なる愛情を、弦楽器を中心とした響きとともに描きます。
制作側が打ち出したリズの声の特徴も、澄んでいることに加えて、しっかりとした芯があることでした。
リズの透明感を残したまま、長い愛の重みを支える。
OSTへの参加は、声に異なる感情を託される機会になりました。
さらに同年9月には、アニメ『Princess Catch! Teenieping』の主題歌にも参加しました。
制作側が起用理由として挙げたのは、明るいイメージとパワフルな歌声です。
切なさを扱うOSTに続き、冒険の楽しさを伝える歌でも声を求められました。
柔らかさ、芯の強さ、明朗さという持ち味が、異なる物語につながっています。
2025〜2026年|一人の舞台から、自分で作る「Unreal」へ
2025年9月の「遊ぶなら何する?」では、イ・ジヨンの「風よ止まって」を一人で歌いました。
ダンサーも俳優も一緒に立たない舞台に緊張したと話しつつ、アイドルとしての経験を生かして取り組んだといいます。
グループで身につけた舞台の経験が、個人の歌唱を支えるようになっていました。
リズは初めて一人で出た「リムジンサービス」では手が震えた一方、2025年末にはソロの舞台にも慣れたと振り返っています。
その積み重ねの先に、2026年2月23日発売のアルバム『REVIVE+』に収められた「Unreal」があります。
リズ自身、OSTを歌う経験から自分のソロ曲への思いが育ったと話しています。
この曲で求めたのは、自由で爽やかな気分でした。

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ここでは、歌を任されるだけでなく、言葉を作る側にも加わっています。
本人は詞を何度も直したといい、伝える内容を言葉の段階から考えています。
「Unreal」はワールドツアーでもソロの演目となり、同年9月には特別映像も公開されました。
グループのパフォーマンスとは違う形で、一人の声を聴き手に届ける場所が継続して設けられています。
アルバムにソロ曲が入った、という一度の出来事で終わらない広がりです。
高い声の先に、どんな歌を届けるか
リズは高音への挑戦も続けています。
2025年の「ATTITUDE」では、「I AM」より高い曲はもうないと思っていたのに、と驚きながらも、練習を重ねて音楽番組のライブに備えたと話しました。
高い声が持ち味だからこそ、新しい曲のたびに準備をし直しています。
同時に、その歩みは音域だけでは説明できません。
自分に合う歌への感覚を持ち、実演で自信を得て、OSTで長い感情の流れを担い、やがて自分の言葉で一曲を作る。
リズの変遷には、声を使う場と、歌への関わり方がともに広がる過程があります。
曲ごとの声の選び方は、リズ(IVE)の歌い方で詳しく扱っています。

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