NiziUのNINAさんは、オーディションの頃から高音を大きな武器として評価されてきました。
それでも現在の歌唱力を面白くしているのは、どこまで高く、強く歌えるかだけではありません。
むしろ注目したいのは、出せる高音をあえて強くしすぎない判断です。
明るく勢いのある曲では声を前へ出し、恋の揺れを描く曲では同じ高さでも角を丸くする。
NINAさんは、音域の広さを見せ場として固定せず、曲の感情に合わせて声の強さを選べる歌手へ成長しています。
この記事では、NINAさんの歌い方を「パワフルな高音」という一言で終わらせず、その力を抑えたり、周囲へ渡したりできる調整力から考えます。
NINAの高音は、才能より「使い方」が面白くなった
NINAさんの歌唱を語る時、最初に挙がるのはやはり高音です。
『Nizi Project』では、踊りながら歌うことを前提にした参加者の中でも高く評価され、高音を担える人がいることはグループを作る側にとって大きな利点だと評されました。
この言葉は、単に一番高い音を出せるという意味ではありません。
曲の終盤にもう一段盛り上がりを作れること、他のメンバーが無理に高音を背負わずに済むこと、コーラスやアドリブの選択肢が増えることまで含んだ「制作上の強さ」です。
実際、デビュー直後のNINAさんは、大サビ前や曲の最後でエネルギーを引き上げる役割を多く担いました。
「Poppin' Shakin'」では、柔らかな声から受け取った流れを、明るく大きな声で次の展開へ押し上げる場面が注目されています。
ただし、いつも同じ強さで高音を出せばよいわけではありません。
強いカードを持っている人ほど、使わない場面を選べるかどうかで歌の奥行きが変わります。

LOVE LINEで選んだのは、高音を目立たせすぎない歌い方
NINAさんの現在地をよく表しているのが、2025年の「LOVE LINE」です。
この曲は全体の音域が高く、何も工夫しなければ、終始力強い歌に聞こえやすい作品でした。
本人が意識したのは、高音を強く聞かせすぎず、ときめく感情を残すことです。
少し笑顔を作りながら歌うことで音色を柔らかくしたとも語っています。
ここで重要なのは、「笑えば高音が出る」という一般的な発声法へ置き換えないことです。
口の形や表情は人によって作用が異なり、映像だけで喉の中の状態を断定することもできません。
面白いのは、NINAさん自身が高音を出すことと、高音をどう聞かせるかを分けて考えていた点です。
音が届くだけでは恋の歌にならない。
そこで、持ち前の声量を少し引き、表情まで使って音の角を取ろうとしました。
「強く歌える人が、弱く見せるために工夫する」。
この逆向きの努力に、現在のNINAさんらしさがあります。
パワフルな声と柔らかな声は、別々の才能ではない
NINAさんのソロ歌唱には、グループ曲だけでは見えにくい幅があります。
「Baby I」のような華やかな曲では、高い音を前へ押し出しながら曲の勢いを保ちます。
一方、「Best Friend」では、友人へ届ける言葉を大げさな見せ場に変えず、声の明るさを残したまま親密な空気を作ります。
さらに、公式歌唱企画ではNiziUの楽曲だけでなく、R&B色の強い曲や静かなバラードも歌いました。
これは一つの発声名を証明する資料ではありませんが、強い高音だけを求められない場所でも、一曲の時間を支えられることを読者が確認できる例です。
第三者のボーカル分析では、NINAさんについて、上の音域への移動、長いフレーズ、地声と裏声の間をつなぐ感覚など、複数の観点が挙げられています。
説明に使われる用語は分析者によって異なり、すべてを一つの「ミックスボイス」で決めることはできません。
共通しているのは、高い場所でも音の中心が見えやすく、長いフレーズの終わりまで声の存在感が残るという見方です。
そこへ近年は、音量を抑え、曲の人物に合わせる選択が加わりました。
低音をどう扱うかまで考えると、歌唱力の輪郭が変わる
高音が注目される人ほど、低い音は見過ごされがちです。
しかしNINAさんはデビュー前、自分にとって難しいこととして、低音でも声を小さくせず、普段どおりの音量を保つことを挙げていました。
高い音が出ることと、全音域を同じ質感で歌えることは別です。
低音では声の存在感が薄くなり、高音では反対に強くなりすぎる。
この両端を曲の中で自然につなぐことが、ボーカル担当としての長い課題だったと考えられます。
だからこそ「LOVE LINE」で、高音を柔らかくするという本人の言葉に重みがあります。
若い頃に不足を感じていた低音側へ声をそろえるのではなく、高音側の強さも調整し、曲全体の温度をそろえる方向へ進んだからです。
音域の広さは、最高音と最低音の距離だけでは測れません。
どの高さでも、曲に必要な音量と表情を選べることまで含めて、使える音域になります。

NiziUの中では、声量より「役割の受け渡し」が大切になる
ファンの間では、NINAさんの高音パートが多いことを歓迎する声と、他のメンバーの声質や得意音域も生かしてほしいという声の両方があります。
この議論は、NINAさんが上手いかどうかだけでは答えが出ません。
九人組の曲では、三分前後の中で声をどう並べるかが作品の印象を決めます。
一人がすべての難所を担当すれば安定しやすい反面、曲の色が一方向へ寄ることもあります。
MIIHIさんの歌い方には、柔らかな声で感情との距離を縮める強みがあります。
NINAさんはその近さを力で塗り替えるのではなく、受け取った流れを大きく開いたり、自分の強さを抑えて同じ温度に残したりできます。
メインボーカルは、毎回勝つ人ではありません。
曲が必要とする場所で前へ出て、別の場所では他の声が見える余白を作る人です。
高音が武器だと知られた後に、その武器の大きさを調整できるようになったことが、グループ内でのNINAさんの価値をさらに高めています。
真似するなら、高さではなく「感情に合う強さ」を考えたい
NINAさんの高音を聞くと、同じ音域まで大きな声で追いかけたくなるかもしれません。
しかし本人の声質、訓練歴、楽曲のキーを無視して音量だけを真似すると、喉や首へ力が集まりやすくなります。
参考にできるのは、高音を成功か失敗かの二択にしない考え方です。
その場面は喜びを爆発させるのか、恋の期待を軽く伝えるのか、誰か一人へ話しかけるのか。
先に感情の向きを決めれば、必要な声量も変わります。
長屋晴子さんの安定した高音も、強さ一辺倒ではなく、曲の言葉と場面に合わせて出力を変える点で参考になります。
表面の大声ではなく、強くできる声をどこで抑えるかに注目すると、歌の聞き方そのものが変わるでしょう。
NINAさんがオーディションから現在までどう変わったかは、NINAさんの歌唱の変遷で年代順に整理しています。
まとめ
NiziU・NINAさんの歌唱力は、パワフルな高音だけでは説明しきれません。
オーディションでは、その高音がグループの制作可能性を広げる武器として評価されました。
現在は、出せる音をそのまま最大出力で聞かせるのではなく、曲の感情に合わせて強さを選んでいます。
「LOVE LINE」で高音を強くしすぎないよう調整したことは、その変化を本人の言葉で確認できる象徴的な例です。
強い声と柔らかな声は、別々の才能ではありません。
同じ声をどこまで前へ出し、どこで一歩引くかを選べることが、NINAさんの現在の歌い方を支えています。
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