渡辺翔太の歌い方・発声|「いい声」を9人へ渡すボーカルの強さ

渡辺翔太の歌い方と発声を分析する記事のアイキャッチ シンガー

渡辺翔太さんの歌声は、Snow Manの中でも見つけやすいです。
明るく抜ける高音と、少し甘さを含んだ声が、9人の歌の中からすっと前へ出てきます。

ただし、本人がレコーディングで考えているのは、自分の声だけを目立たせることではありません。
次に歌うメンバーへどう渡すかを考え、語尾のニュアンスまで変えていると話しています。

渡辺翔太さんの強さは「いい声を持っている」ことの先にあります。
一人で完結できる声を、あえて9人の流れへ溶かし、必要な瞬間だけ歌の輪郭を立てられることです。

「My Friend」で褒められた声が、自分の武器になった

舞台『滝沢歌舞伎』で渡辺翔太さんが歌った「My Friend」は、歌に対する自信の原点としてたびたび語られる曲です。
宮舘涼太さんがフライングする場面でソロを担い、普段はあまり褒めなかったジャニー喜多川さんから歌を評価されたことが、自信になったと振り返っています。

ここで興味深いのは、最初から自分をグループのメインボーカルだと決めていたわけではない点です。
長い舞台経験の中で、通る声が演目の一場面を支え、周囲の反応によって初めて「これは武器なのかもしれない」と意味を持ちました。

声質は生まれ持った部分が大きくても、それを仕事の中で何に使うかは後から決まります。
渡辺翔太さんの場合、きれいな高音そのものより、誰かが動く舞台で歌を任された経験がボーカルとしての土台になりました。

「自分、いい声してるな」は自慢ではなく確認だった

「タペストリー」の音源を聴いた時、渡辺翔太さんは「自分、いい声してるな」と感じたと話しています。
言葉だけを切り取ると自信満々に見えますが、同じインタビューでは、ある程度の自信は必要で、謙遜しすぎるのもよくないという考えまで説明していました。

「タペストリー」で9人の歌をつなぐSnow Man

9人組では、一人の歌唱時間は短くなります。
短いパートで声の印象を残しながら、曲全体の雰囲気は壊さないという仕事には、自分の声を客観的に認める感覚が欠かせません。

ファンの個人分析でも、渡辺翔太さんの声は甘さや鼻にかかった印象がありながら、ライブでは強く前へ出るという見方が繰り返されています。
別の分析では、歌への自信だけでなく、任されたパートを守る責任感まで声に表れていると評されました。

どちらも身体内部を診断した事実ではありません。
それでも「自信があるから目立つ」のではなく、「役割を引き受ける自信があるから安心して聴ける」という聴き手の感覚は、本人の言葉とよく重なります。

「タペストリー」では、最高音より語尾が重要になる

「タペストリー」は、渡辺翔太さんの考え方が最も分かりやすい曲です。
本人は、自分のパートを歌い切るのではなく、後に続く歌唱へつなぐことを意識し、バトンタッチのために語尾を何通りも試したと明かしています。

高音の上手さを語る時は、音程、声量、地声か裏声かに注目しがちです。
しかし9人が短いフレーズを受け渡す曲では、一人だけ見事に歌い切ると、次の声が急に始まったように聞こえることがあります。

そこで必要になるのが、最後の一音をどれだけ残すか、言葉をどこまで強く言うかという調整です。
声が目立つ渡辺翔太さんだからこそ、出口を整えなければリレーが途切れてしまいます。

透明な声は、単に高音が軽いという意味ではありません。
前の声を受け取り、次の声が入れる余白を残せる時、曲全体を見通せる声になります。

高音の説明が食い違うのは、二種類の強さを持つから

複数の発声解説では、渡辺翔太さんの高音について異なる言葉が使われています。
息を前へ流しながら張り上げずに届かせる、完成度の高いミックスボイスだとする説明がある一方、喉を大きく開き、声量と力で抜く場面に魅力があるという見方もあります。

さらに別の比較では、地声と裏声を行き来しても音量差が小さい点を評価しながら、もっと柔らかく声を切り替える歌手との違いも指摘されました。
つまり、どの曲のどの場面を見るかによって「軽い」「強い」「地声感がある」という評価が変わります。

一語でミックスボイスと決めれば、渡辺翔太さんの歌が分かったことにはなりません。
「Two」のように感情を大きく運ぶ曲と、9人で踊りながら歌う曲では、必要な音量も声の密度も違うからです。

花村想太さんの高音のような鋭い超高音とも、清水翔太さんの自然なR&B発声とも役割は異なります。
渡辺翔太さんの高音は、声区名より、グループのどこで輪郭を立てるかを見る方が理解しやすいです。

「Two」で見えるのは、声量ではなく人物の距離

目黒蓮さんとの「Two」では、9人で歌う時より二人の声の違いがはっきりします。
三角関係の痛みを描く曲で、二人が同じ人を思いながら別々の立場にいる構成です。

目黒蓮と二人で「Two」を歌う渡辺翔太

ここでも渡辺翔太さんだけが歌唱力を見せる設計にはなっていません。
異なる声が交互に現れ、同じ旋律へ重なることで、言えない気持ちを共有している二人の関係が生まれます。

声の明るさは、悲しい曲では不利になるようにも思えます。
ところが、明るい輪郭があるからこそ、感情を沈ませすぎず、届かない相手へまだ手を伸ばしている人物として聞こえます。

歌の上手さを暗い声色や大きなビブラートだけで示さず、相手役の声との距離で物語を作る点は、舞台で培った感覚ともつながります。

『DREAM BOYS』で、声はグループの部品から物語の中心へ移った

2023年と2024年の『DREAM BOYS』では、渡辺翔太さんが主演を務めました。
グループ曲の数小節ではなく、台詞、動き、歌を通して一人の人物を最後まで運ぶ仕事です。

本人は舞台の芝居や動きについて多くの指摘を受けたと話し、作品を段取りに見せないことにも向き合いました。
観劇記では、声が通りやすいという長所を評価する声の一方、ソロの舞台では緊張や経験の差も見えたという厳しい感想があります。

この食い違いは失敗ではありません。
9人の中で声を渡す巧さと、一人で長い物語を背負う力は同じではなく、後者を実地で育てる場になったからです。

Nissyさんの歌い方にも、歌、ダンス、演技を別々に見せず、一人の人物としてつなぐ発想があります。
渡辺翔太さんが舞台で広げたのも、最高音ではなく、声が受け持つ時間の長さでした。

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初ソロ曲で選んだのは、技巧を見せるバラードではなかった

2025年の「オトノナルホウヘ」は、Snow Manの初ソロ曲企画で渡辺翔太さんが歌った一曲です。
公式紹介では、ハイトーンを生かしたボーカルと、聴くと笑顔になる前向きなメッセージが見どころに挙げられています。

最初のソロだからこそ、壮大なバラードで歌唱力を証明する選択もできたはずです。
実際に選ばれたのは、明るい声がそのまま曲の方向を示し、聴き手を前へ誘う歌でした。

「いい声」を一人で所有するのではなく、次の人へ渡すという役割は、ソロになっても消えていません。
9人のリレーでは次のメンバーへ、ソロでは聴き手へ、歌の続きを渡しています。

真似するなら鼻にかけるより、次の声が入れる語尾を作る

渡辺翔太さんらしさを声色だけで再現しようとすると、鼻へ響きを集めたり、高音を明るく押し出したりしがちです。
しかし、本人の声質と同じでない人が表面だけを寄せると、言葉が平たくなり、喉へ余計な力が入りかねません。

参考にしやすいのは、フレーズの終わりを「自分の見せ場の終点」ではなく「次の声の入口」と考えることです。
複数人で歌う時はもちろん、一人で歌う場合も、Aメロからサビへ感情をどう渡すかという見方に変えられます。

強いかすれや痛みが出る高音は、透明感とは別物です。
話し声まで重くなる不調が続く場合は歌唱を中止し、耳鼻咽喉科などへ相談してください。

まとめ|渡辺翔太の声は、目立つのに独占しない

渡辺翔太さんの歌い方は、透明なハイトーンや甘い声質だけでは説明できません。
舞台で認められた声を自分の武器として受け入れながら、9人の曲では語尾を整え、次のメンバーへ自然に手渡しています。

「タペストリー」のリレー、「Two」の対話、『DREAM BOYS』の物語、初ソロ曲の明るさは、すべて同じ方向を向いています。
目立つ声を持っているからこそ、その声をどこで引き、誰へ渡すかを考えるボーカルです。

この役割がJr.時代から初ソロ曲までにどう広がったのかは、渡辺翔太の歌唱変遷で年代順にたどれます。

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