渡辺翔太の歌声はどう変わった?Jr.時代・デビュー・初ソロ曲までの歌唱変遷

渡辺翔太のJr.時代から初ソロ曲までの歌唱変遷 シンガー

渡辺翔太さんの歌声は、昔より単純に高く、太く、上手くなったわけではありません。
最も大きな変化は、舞台の一場面を支えるソロから、9人の歌をつなぐ声になり、最後には一曲を一人で聴き手へ渡す声になったことです。

その道のりは順風満帆ではありませんでした。
入所直後は注目されたものの、高校生頃に仕事が減り、デビューまで約15年を要したと本人が振り返っています。

歌だけを一直線に磨いた成功物語ではなく、出番の少ない時期にも舞台へ立ち続け、後から自分の声が武器だと知った歴史です。
だから現在の明るい高音には、目立とうとする勢いと同時に、誰かの出番を支える感覚が残っています。

2005年の入所直後は「歌の人」ではなく超エリートJr.だった

渡辺翔太さんは2005年に事務所へ入り、オーディションの翌日に先輩の舞台へ呼ばれ、約一週間でテレビへ出るほど早く仕事を得たと話しています。
声変わり前の高い声で歌う姿を覚えているファンもいますが、この時期を現在の発声と直接比べることはできません。

成長期には声そのものが変わり、映像の収録条件も違います。
何より、当時の注目はボーカルの役割だけによるものではなく、Jr.としての総合的な立ち位置でした。

本人によれば、高校生頃になると状況が変わり、目立つ仕事が急に減りました。
若い頃から歌のエースとして一直線に選ばれ続けたのではなく、舞台やバックダンサーの経験を積む長い時間へ入ります。

この遠回りが、後の歌い方に重要でした。
一人の見せ場だけでなく、他人の動き、群舞、物語の進行と同時に声を使う環境が日常になったからです。

2012年のSnow Man結成後も、歌声は舞台の中で育った

Snow Manは2012年に6人で結成され、デビュー前の活動では舞台が大きな柱でした。
録音した楽曲だけで評価される歌手とは違い、踊り、芝居、殺陣、フライングが続く公演の一部として歌わなければなりません。

この時期の変化を、昔の映像を見た執筆者の感想だけで「発声が変わった」と断定することはできません。
確認できるのは、歌う場面を任される機会が増え、本人が二十代になってから通りやすい声を自分の武器として意識するようになった、という複数の記録です。

個人の回想では、初期の甘く細い声という印象が、ライブでは強く前へ出る声へ変わったと語られています。
別のファンは、露出が多くない時期にも渡辺翔太さんの人気と存在感が高かったことを記録しました。

どちらも客観的な発声診断ではありません。
ただ、声の変化がCDだけで起きたのではなく、長い舞台生活の中で聴き手に発見されていったことは分かります。

2019年の「My Friend」で、声が自分の武器だと確信した

『滝沢歌舞伎ZERO』の「My Friend」は、渡辺翔太さんがソロで歌い、宮舘涼太さんがフライングする演目です。
2019年の初演から、歌と身体表現が別の人物に分かれた場面を二人で成立させました。

本人はこの曲について、普段は褒めないジャニー喜多川さんから歌を評価され、自信になった思い出の曲だと振り返っています。
重要なのは、最高音を褒められたという話ではなく、舞台の一場面を歌で任せられた経験が自信になったことです。

宮舘涼太さんのフライングが観客の視線を集める間、歌は場面の感情を保ち続けます。
渡辺翔太さんの声はここで、本人を目立たせるソロであると同時に、別の演者を輝かせる音になりました。

発声分析記事で扱った渡辺翔太さんの「声を渡す」歌い方は、デビュー後に突然生まれたものではありません。
自分の声と他人の見せ場を同時に成立させる舞台経験が、その前にありました。

2020年のデビューで、ソロの強さを9人の基準へ変えた

Snow Manは2020年1月にデビューしました。
15年近い下積みの後、渡辺翔太さんの歌声は舞台を観に来る人だけでなく、テレビや音源を通して広く知られるようになります。

デビュー直後の本人は、歌うことが最も楽しく、歌を磨きたいと目標を語っていました。
第三者からは「EVOLUTION」「Cry out」の力強さと、「EVERYTHING IS EVERYTHING」のようなバラードの両方を担える点が評価されています。

9人組では、ソロの声量だけが高くても曲はまとまりません。
短い歌割りで人物を立て、全員歌唱へ戻った時には声の境目を消す必要があります。

この時期から、渡辺翔太さんの歌唱は「うまい一人」ではなく、Snow Manの曲に安心感を作る基準として語られるようになりました。
舞台で一場面を支えた声が、録音作品全体を支える役へ移ったのです。

2021年の「360m」で、強い声を小さな日常へ置いた

1stアルバムのユニット曲「360m」は、渡辺翔太さん、阿部亮平さん、目黒蓮さんによるバラードです。
本人は初のユニット曲について、ファンに好きになってもらえ、日常へ寄り添える曲を考えて選んだと伝えられています。

「360m」を歌う渡辺翔太、阿部亮平、目黒蓮

ファン投票のコメントでは、渡辺翔太さんの歌唱力だけでなく、三人の声が混ざる温かさや、阿部亮平さんのハーモニー、目黒蓮さんとのバランスが繰り返し評価されました。
これは「My Friend」とは違う進化です。

舞台では遠くの客席まで場面を届ける必要がありました。
「360m」では反対に、帰り道のような近い風景へ声量を収め、三人の関係を壊さず歌うことが求められます。

強く歌える声を持ったまま、小さく親密な曲へ置けるようになったことで、渡辺翔太さんの役割はロングトーンの見せ場から日常の温度まで広がりました。

2023年は「歌い切る」から「歌いつなぐ」へ変わった

「タペストリー」は9人全員で歌う部分を設けず、一人ずつのソロをつないで進む曲です。
渡辺翔太さんはレコーディングで、自分のパートを完結させるのではなく、次の歌唱へ渡すことを意識し、語尾のニュアンスを何度も試したと明かしました。

声が目立つことを強みにしてきた人が、目立った後の消え方まで考えるようになった転機です。
本人が音源を聴いて「いい声」と認められたのも、単独で派手だったからではなく、リレーの中で自分の色が機能したからでしょう。

同年の目黒蓮さんとの「Two」では、二人の声を対立させず、同じ相手を思う人物同士の会話として使いました。
さらに『DREAM BOYS』では主演に立ち、短い歌割りではなく一人の人物を舞台全体で運ぶ役へ進みます。

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2023〜2024年の『DREAM BOYS』で、歌は演技と切り離せなくなった

渡辺翔太さんは2023年と2024年に『DREAM BOYS』の主演を務めました。
かつて自分には主演へ進む道はないと思っていた舞台で、歌、台詞、動きのすべてを背負う立場になりました。

演出では、映像と舞台の芝居の違い、台詞と動きのタイミング、歌を通した芝居まで細かな指摘を受けたと話しています。
二年目には、決められた動きを段取りに見せないことが課題になりました。

主演として『DREAM BOYS』を担った渡辺翔太

観客の感想は一様ではありません。
通る声と甘い音色を評価する記録がある一方、ソロ舞台では緊張や経験の差を感じたという厳しい声も残っています。

その両方が、変遷を面白くします。
グループのボーカルとして完成していた部分を持ちながら、長い台詞の後に歌い、人物の感情を保つ力は別に育てる必要があったからです。

2025年の「オトノナルホウヘ」で、初めて一曲を一人で渡した

デビュー5周年のベストアルバムでは、9人それぞれに初のソロ曲が作られました。
渡辺翔太さんの「オトノナルホウヘ」は、公式側からハイトーンを生かしたボーカルと、前向きなメッセージが特徴として紹介されています。

記事冒頭に置いたMVでは、グループの歌割りも相手役の声もありません。
それでも、選ばれたのは孤独な技巧を見せる大バラードではなく、聴き手を音の鳴る方へ誘う明るい歌でした。

「My Friend」では宮舘涼太さんの見せ場へ歌を渡し、「タペストリー」では次のメンバーへ渡しました。
初ソロ曲では、その続きを受け取る相手が聴き手に変わっています。

Nissyさんの歌唱変遷がグループとソロを往復しながら一人の舞台を作る歴史なら、渡辺翔太さんはグループで覚えた受け渡しを、初めて一人の曲へ持ち込んだ歴史です。

変わらないのは、明るい声より誰かと歌う感覚

声変わり前の高い声、舞台のソロ、デビュー後の力強いパート、近い距離のバラード、歌をつなぐ語尾、主演舞台、初ソロ曲。
扱う曲と責任は大きく変わりました。

一方で、歌がいつも誰かの動きや声と結びついている点は変わりません。
渡辺翔太さんの歌唱変遷は、一人で何でもできるようになった歴史ではなく、声を渡せる相手と場面を増やした歴史です。

本人の声が前へ出ても、曲の出口は自分だけに向きません。
この「目立つのに独占しない」感覚が、Jr.時代の舞台から現在まで残る個性です。

まとめ|渡辺翔太の進化は、声の受け渡し先が増えたこと

渡辺翔太さんは、入所直後の注目から仕事が減った時期を経て、舞台で歌を任され、「My Friend」で自分の声を武器だと確信しました。
デビュー後はその声をSnow Manの基準へ変え、「360m」で親密さを覚え、「タペストリー」で語尾を次の人へ渡すようになります。

『DREAM BOYS』では一人の人物を長く背負い、初ソロ曲ではついに一曲すべてを聴き手へ届けました。
高音の出し方が一種類へ完成したのではなく、同じ明るい声が担える関係と時間が増えたことが、渡辺翔太さんの歌唱の進化です。

現在の声の特徴を発声と役割から知りたい場合は、渡辺翔太の歌い方・発声分析もあわせて読んでください。

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