花村想太の高音はなぜ鋭く抜ける?Da-iCEの4オクターブ・歌い方・発声を分析

花村想太の歌い方と発声を分析 シンガー

花村想太さんの高音が目立つ理由は、単に音域が広いからではありません。
鋭く前へ飛ぶ声が、大野雄大さんの柔らかく厚い声と交代することで、同じ高さでも一段高くなったような驚きが生まれます。

公式プロフィールにある「4オクターブ」は、確かに大きな武器です。
しかし、Da-iCEの歌を印象づけているのは、出せる最高音の数字よりも、高音をどこで登場させ、もう一人の声とどう組み合わせるかという設計です。

その仕組みが最も分かりやすい代表曲から見ていきましょう。

4オクターブより面白いのは、高音が現れるタイミング

花村さんを紹介する時は「4オクターブの高音ボイス」という言葉がよく使われます。
低い音から非常に高い音まで扱えることを、一言で伝えられる便利な表現だからです。

ただし、広い音域を持っているだけでは、曲の中で声が印象に残るとは限りません。
高い音を連続させれば、最初は驚いても、耳は次第にその高さへ慣れてしまいます。

Da-iCEには大野雄大さんという、同じく広い音域を持つもう一人のボーカルがいます。
ボーカルトレーナーの分析では、花村さんは鋭く突き抜ける高音と、拍の前へ切り込むようなリズム感が特徴とされています。
一方の大野さんは、同じ高さでも高音だと意識させにくい柔らかな音色と、少し後ろへ重心を置くリズムが持ち味です。

二人の交代は、歌い手が替わるだけではありません。
柔らかい声から鋭い声へ移った瞬間に、メロディまで加速し、天井が急に高くなったように感じられます。

大野雄大との対比で鋭い高音が際立つ花村想太

花村さんの高音は、一人で最後まで押し切るための主役ではなく、ツインボーカルの景色を変える切り札です。
「CITRUS」の高音が強く記憶に残るのも、曲全体の中で緊張が積み上がり、最後にその声が必要な場所へ置かれているからです。

同じ高さでも「花村想太の方が高く聞こえる」理由

音の高さは、ピアノで同じ鍵盤を押せば同じです。
それでも人の声では、同じ音程なのに一方が高く、もう一方が太く聞こえることがあります。

違いを作るのは、声に含まれる響きの成分、息の混ざり方、母音の形、音の立ち上がりなどです。
金管楽器と木管楽器が同じ音を出しても、耳に届く明るさが違うのと似ています。

花村さんの高音については、専門家やボイストレーナーの解説でも、明るい響き、輪郭の強さ、前へ出るタイミングが繰り返し指摘されています。
個人の歌唱分析ではミックスボイス、ヘッドボイス、ファルセットなど異なる名称が使われますが、一つの言葉だけで全曲を説明することはできません。

曲、音量、母音、求める表情が変われば、声の使い方も変わるからです。
映像だけを見て、声帯の形や動きを外から断定することもできません。

初心者が聴き分けるなら、声区名を当てるより「高音になった時も言葉の輪郭が残っているか」に注目すると分かりやすくなります。
息だけの細い音へ逃げず、かといって低音と同じ重さで押し上げないため、軽いのに存在感が消えません。

踊りながら歌うから、音程だけでは足りない

Da-iCEでは、ボーカル二人もパフォーマー三人と並んで踊ります。
高音を出す瞬間だけ動きを止め、歌が終わったら再び踊るという分担ではありません。

この条件では、立ったまま一音を伸ばせることより、動いても息と拍を見失わないことが重要です。
花村さんの歌唱を扱った複数の解説が、音程の正確さと同時にリズム感を強調するのはそのためです。

本人は17歳のオーディション後、Da-iCE結成までにも時間がかかり、結成初期は朝から晩までレッスンを続けていました。
声だけを単独で鍛えたのではなく、歌とダンスを同じ表現として身体へ入れてきた期間があります。

高音を長く伸ばす歌手には、音の頂点で時間が止まるような魅力があります。
花村さんの場合は、音程の上下が激しくても曲の速度を落とさず、次の言葉へ着地するところに個性があります。

この違いを知ると、高音で音程が不安定になる理由を考える時も、喉だけではなく、息を吸う位置とリズムの乱れを見る必要があると分かります。

「CITRUS」だけでは分からない声の着替え方

高音の代表例は「CITRUS」ですが、一曲だけで花村さんの歌い方を決めると、鋭い声しか持っていないように見えてしまいます。

「DREAMIN' ON」では、言葉の頭をはっきり立て、アニメのオープニングらしい疾走感を作ります。
「amp」では息の割合を増やし、高さよりも近い距離でささやくような表情を選びました。

Natural Lagでは、バンドの音に対して真っすぐな声を置く場面が増えます。
Da-iCEの中で高音の切り札を担う時とは違い、曲を一人の声で運び続けなければなりません。

さらに「image」では、本人がそれまでの楽曲より高いG5へ挑戦したと説明しています。
重要なのは、記録更新のためではなく、永遠の愛を叫ぶ場面にその高さが合うと判断して選んだことです。

曲の役割に合わせて高音の色を変える花村想太

高い音を出せるから曲へ入れたのではなく、その言葉を最大まで広げるために限界へ近い音を使っています。
花村さんの歌を面白くしているのは音域の広さそのものではなく、声を曲の意味へ従わせる判断です。

ミュージカルで「得意な高音」を一度作り直した

花村さんの発声を考える上で、ミュージカル『JERSEY BOYS』は外せません。
フランキー・ヴァリ役では、普段のJ-POPとは異なる時代のリズムと、鋭い響きを伴う高音を使い分ける必要がありました。

本人は地声、裏声、ミックスボイス、ヘッドボイスに加え、トワングと呼ばれる明るく密度のある響きを学び、一年かけて役へ備えたと話しています。
すでに高音で知られていた歌手が、得意分野をそのまま持ち込むのではなく、「音程・発声・リズムのすべてが必要」と考えて一から学び直したのです。

その成果について、Da-iCEの曲が以前より楽に歌えるようになり、ライブで声が嗄れにくくなり、音程も安定したと本人が振り返っています。
舞台の評価でも、難しいハイトーンと歌唱法を身につけた点が受賞理由として挙げられました。

ここには、4オクターブという言葉だけでは見えない成長があります。
音域をさらに広げるより、すでに出せる高音を別の響きで出し、長い公演でも役として届ける技術を増やしたのです。

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真似するなら最高音ではなく、声の役割を見る

花村さんらしく歌おうとして、いきなり「CITRUS」の最高音や鋭い声色だけを再現するのはおすすめできません。
明るい高音を作ろうとして喉を狭めると、本人のような抜けではなく、苦しい締めつけになりやすいからです。

参考にしやすいのは、二人の声が替わる前後で、曲の空気がどう変わるかを見ることです。
同じメロディでも、強く言葉を立てる場所、柔らかく渡す場所、あえて高音を温存する場所があります。

一曲を全部同じ声質と音量で歌わず、どこを頂点にするか決めるだけでも、歌は平面的ではなくなります。
これは花村さん固有の声帯や4オクターブを真似する方法ではなく、広い音域を音楽へ変える考え方を借りる方法です。

ミックスボイスの出し方と見分け方を確認する場合も、特定の歌手と同じ音色になったかではなく、自分の地声と裏声の間で無理な押し上げが減ったかを基準にしてください。
痛みや強いかすれが出た時は中止し、話し声の異常が続く場合は耳鼻咽喉科などへ相談しましょう。

花村想太の高音は、二人で歌うことで完成する

花村想太さんの高音は、4オクターブという数字だけでも十分に目を引きます。
しかし、Da-iCEの中で本当に機能しているのは、大野雄大さんの厚く柔らかな声があるからこそ、花村さんの鋭さが突然現れる仕組みです。

ダンスで曲の速度を保ち、作品ごとに声色を変え、ミュージカルでは得意だった高音を別の技術で作り直しました。
高い音を所有している歌手ではなく、高音へ毎回違う役を与えられる歌手だと考えると、その歌い方が分かりやすくなります。

オーディション後の下積みから「CITRUS」、舞台、ソロ活動まで声がどう変化したのかは、花村想太さんの歌声の変遷で年代順に整理しています。

竹中雄大さんの軽く強い高音Toshlさんの突き抜ける高音と比べると、同じハイトーンでも、バンドの頂点を一人で担う声と、ツインボーカルの対比で光る声の違いが見えてきます。

花村さんの高音が鋭く聞こえる答えは、最高音の高さだけではありません。
もう一人の声、曲のリズム、身体の動き、言葉の意味を利用して、必要な瞬間だけ高音を大きく見せているからです。

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