ベル (KISS OF LIFE)の歌唱変遷|作曲家の耳で、四人の歌と自分の表現を育てた歩み

2023年11月のKISS OF LIFE。左からベル、ナッティ、ジュリー、ハヌル シンガー
2023年11月のKISS OF LIFE。左からベル、ナッティ、ジュリー、ハヌル

ベルの出発点には、他の歌手へ曲を届ける作曲家としての時間があります。
KISS OF LIFEに加わると、自分で歌い、踊り、観客の前で音楽を伝える立場になりました。
その後の歩みで広がったのは、声を使う場面です。
自作のソロ曲、四人で作るアドリブ、バラード、話すようなラップへ。
2023年のデビューから、声を目立たせる場所まで考えるようになった現在へ、選択の変化をたどります。

作曲家が、自分の声で舞台に立つまで

ベルは、中学二年生の頃、父が用意した音楽制作ソフトを自分で使い始めました。
高校一年生のときには、PURPLE KISSの「Find You」が採用され、作曲家として出発しています。
そのまま作家を続けるつもりだった彼女に、歌手を目指すきっかけを与えたのがKISS OF LIFEでした。
デビュー後は歌う喜びと、それまでの制作活動に同じようには時間を使えない戸惑いも感じたといいます。
作る人から歌う人への移行には、活動の仕方を覚え直す時間もありました。

同年秋には、音を聴かせる仕事から、姿も見せる仕事へ移った難しさを語っています。
身体で表現することも、新たな課題でした。

2023年7月のデビュー作には、四人それぞれのソロ曲も入りました。
ベルの「Countdown」は、高校時代に書いた曲です。
翌年、本人は、つらかった練習生時代の自分へかけたい言葉を込めたと振り返っています。
未完成な自分を否定せずに進む歌を、自分の声で人前へ届ける。
作り手として持っていた思いと、歌手としての新しい出発が重なる曲でした。

2024年3月の撮影に臨むベル
2024年3月の撮影に臨むベル。
画像出典:画像掲載元

録音室で、四人の声を知っていく

2023年11月の「Bad News」では、元の曲になかったアドリブをベルが考えました。
「Shhh」で好評だったホイッスルも、録音中に加えています。

仲間の声への理解も深まりました。
澄んだ声のハヌルには、ふざけた表現も似合う。
R&Bの得意なナッティには、予想以上に強く安定した声がある。
そうした発見を、これからの曲へ反映したいと考えるようになっていたのです。

2024年、声を置く曲の景色が変わる

2024年4月の「Midas Touch」では、2000年前後のポップスを思わせる音作りへ進みました。
恋の高揚を歌う表題曲と、報われない関係を振り返る「Nothing」。
かすれを含む甘さと、落ち着いた歌唱がそれぞれ評価され、四人の声を異なる感情へ向けた組み合わせになりました。

6月には、ベルが一人で歌うドラマ「遊んでくれる彼女」の挿入歌「See the Light」も発表されます。
ピアノを軸にした叙情的な曲で、後半へ向かって旋律と感情が高まる構成です。
グループのダンス曲とは別に、物語の中の二人へ声で寄り添う仕事が加わりました。
ソロで歌う場が、デビュー時の自己紹介から、ドラマの感情を伝える場にも広がっています。

10月の「Get Loud」では、再びグループの曲作りにも参加しました。
ベルが説明したのは、好きなことや夢に深く入り込み、周囲と違っていても創造性を大切にする歌だということです。
この曲の歌唱で注目されたのが、サビに入る前、伴奏が引いて声が前へ出る箇所でした。
四人の勢いの中でも、一人の声で先への期待を作る場所がある。
曲を作るベルと、曲の展開を歌で引っ張るベルが、同じ作品の中でつながっています。

2024年末から2025年、客席と相手の声が加わる

その変化は、ツアーの初期から始まっていました。
2024年末、北米公演を五つ経験した時点で、ベルはすでに大きく成長し、歌手として学ぶことが多いと話しています。
完成した曲を持って海外へ出ることが、次の舞台に向けて学び直す機会にもなったのです。

初めてのワールドツアーでは、既存のソロ曲にも観客とのやり取りが加わりました。
2025年のシンガポール公演で、ベルは「Countdown」を披露しています。
本人は、一人では心細かったものの、観客のエネルギーによってロックスターのような気持ちになれたと話しました。
デビュー作に収めた曲が、目の前の客席と一緒に成立する歌へ育っていく場面です。
観客が加わったことで、同じ曲を歌う本人の気持ちにも変化が生まれていました。

同じ年、ベルは、歌手になる前の制作経験がジャンルの幅を広げ、自分たちに合う音を理解する助けになったと説明しています。
作曲家時代は、過去の肩書きだけではありません。
自分で舞台に立つようになった今も、曲をどう受け止め、四人の声をどう生かすかを考える経験になっています。

6月のミニアルバム「224」に入った「k bye」では、ラップによる表現へ進みます。
ベルは翌年、この曲を自分らしい作品として挙げました。
高音を担うメインボーカルが、言葉を刻む歌の中にも自分を見いだしたのです。

12月には、ドヨンの「Whistle」に客演しました。
ジャズギターを背景に、二人が会話するように歌うR&Bバラードです。
グループで声を受け渡す仕事に、別の歌手と一曲の親密さを作る役割も加わりました。

2026年9月、自身の音楽を語ったベル
2026年9月、自身の音楽を語ったベル。
画像出典:画像掲載元

声を目立たせる場所まで選ぶように

2026年8月の「SWEAT」の時期には、声と動きの配分まで本人の言葉で説明されるようになりました。
ベルは、ライブのどこで歌を聴かせ、どこでパフォーマンスを見せるかを考えると話しています。
公演、音楽番組、フェスティバルの違いを踏まえ、一続きの舞台を組み立てる視点です。

9月に語ったグループでの役割は、四人の個性を一曲につなぐことでした。
一方、将来のソロでは、つらい感情にも寄り添うバラードを作りたいと考えています。
これはすでに完成したソロ路線の宣言ではなく、これからの音楽を探している段階の言葉です。
グループでまとめる声と、自分の気持ちを静かに差し出す声の両方を、今も考え続けています。

作曲家として音を考え、自分の曲を歌い、四人の声を知り、客席や共演者と歌を作る。
ベルの変遷は、こうした相手と場面が増えてきた歩みとして捉えられます。
曲の中で高音やラップをどう使うのかは、ベル (KISS OF LIFE)の歌い方で、録音時の選択と具体的な歌唱箇所から掘り下げています。

シンガー人気投票。投票ページはこちら

こちらの記事もおすすめ

コメント

タイトルとURLをコピーしました