ATEEZのメインボーカルを務めるジョンホのソロ曲「Everything」は、柔らかな歌い出しから、力のある高音へと進むバラードです。
その強弱の流れと、動きながら歌う際に本人が向き合っている息の課題から、声の使い方を見ていきます。
「Everything」のMV(2024年公開/音源は2023年の『THE WORLD EP.FIN : WILL』収録)。
「Everything」は、柔らかな歌い出しから熱を強める
「Everything」は、2023年のATEEZのアルバム『THE WORLD EP.FIN : WILL』に収録された、ジョンホのソロ曲です。
2024年の「KPOPREVIEWED」のレビューでは、ピアノとジョンホの声が柔らかく始まる点に触れています。
その後、サビに向かって歌声が高まり、さらに終盤では、高音と声の力強さが加わるという捉え方です。
この流れでは、歌い始めの柔らかさにも役割があります。
柔らかな声で始めてから勢いを強めることで、後半の高まりが際立つ。
レビューが評価している感情の伝わり方も、こうした歌声の動きと結びついています。
ジョンホの高音を考えるときには、到達した音の高さに加え、そこまでをどんな声でつないでいるかが手がかりになります。
「Everything」では、柔らかな入り方と、後に強まる歌声を、一曲の流れとして捉えられます。
同じ曲を扱った「The Bias List」のNickは、グループ曲では強い高音を担うジョンホの、より細かなニュアンスや感情に触れられることを評価していました。
一方で、曲自体は定型的なパワーバラードだと捉えており、作品への評価まで一様に高いわけではありません。
それでも、終盤に歌声とエレキギターが重なる場面を聴きどころに挙げています。
二つの批評を並べると、ジョンホの声を楽しむ入口も少し広がります。
盛り上がる箇所を待つ聴き方と、そこへ向かう間に声がどれだけ感情を含むかを追う聴き方。
強い一音だけを切り出したときとは違い、ソロ曲ではその前後の表情にも目を向けられます。
カバーでは、細やかな感情と大きなアドリブを行き来する
ジョンホが一人で歌う時間を長く取った例には、2022年8月公開の「リムジンサービス」もあります。
NewsEnの番組紹介によると、ATEEZの「Turbulence」から、イム・セジュンの「Don’t Go Today」、ブライアン・マックナイトの「Another You」へと歌い進めています。
グループ曲と韓国のバラード、英語のR&Bを同じ出演回で取り上げた構成です。
同記事は「Another You」について、細やかな感情表現と、勢いのあるアドリブの両方に触れていました。
ここでも、ジョンホの歌の特徴は強い声の一面だけでは説明されていません。
旋律に気持ちを込める時間と、声を大きく動かして聴かせる時間が、同じ歌の中で共存しているという評価です。
さらに、イ・ムジンとはヤン・ダイルの「Ocean Waves」をデュエットしています。
ソロ曲を聴く場面に加え、別の歌手と一曲を分け合う場面もある。
この出演は、ジョンホがグループの高音担当として注目される瞬間の外側に、どんな歌を置いているかを知る例になります。

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「To Be Your Light」は、公演の勢いを緩めるソロになる
同じ一人の歌でも、コンサートの中に置かれると、前後の演目との関係が生まれます。
「Rolling Stone UK」の2025年のニューヨーク公演記事は、メンバーそれぞれのソロを紹介する中で、ジョンホの「To Be Your Light」を、進行の速度を落とす感情的なバラードとして描いていました。
その歌でも、高音が見せ場になっています。
激しい演目を重ねる公演でバラードを歌うことは、客席が声の表情へ集中する時間をつくることでもあります。
歌手本人にとって得意な高音を、どんな曲調や公演の流れに置くか。
「Everything」の曲内の強弱とは別に、こちらでは公演全体の中での緩急が見えてきます。
2025年8月のアーリントン公演を取材した「Dallas Observer」のEric Diepも、ソロの中ではジョンホの「To Be Your Light」が特に印象に残ったと書いています。
そこで評価されているのは、幅のある音域と歌声です。
離れた二つの公演の記録にも、ソロのバラードを聴きどころと捉える視点が残っています。
踊りながら歌うときは、息と発音の安定にも向き合う
強い歌声を、動きのあるステージで保つことにも、ジョンホは取り組んできました。
2022年の「The Ringer」の取材では、踊りながら歌うための方法を学んだと話しています。
息が切れると音程が外れることがある一方、繰り返し練習することが、音程や発音を安定させる助けになっていると説明していました。
ここには、高音を出す力だけでは説明しきれない、ライブで歌う難しさがあります。
動いて息の状態が変わる中でも、音程を保ち、言葉を崩さず届ける。
本人が練習の成果として挙げていたのは、そうした歌唱の安定でした。
2025年の「Rolling Stone UK」の取材では、本番前の緊張への向き合い方も説明しています。
ジョンホは、どこで動き、各パートをどう歌うかを、頭の中でシミュレーションすると話していました。
それが集中を保つ助けになり、実際にステージへ出てファンの力を感じると、歌に入り込んで楽しめるといいます。
動く場所と歌うパートを、本番の流れの中で一緒に思い描く。
歌う準備の中に、動き方も組み込まれています。
自信を支えるのは、声量だけでなく曲の準備
本番へ向かう考え方を、ジョンホは2025年の中央日報のインタビューでも具体的に話しています。
意外にも、デビューのステージは、特別に緊張した本番ではなかったそうです。
一、二か月ほどデビュー曲に集中して練習していたことを、その話と結びつけています。
むしろ緊張するのは、準備の時間が十分に取れなかった曲を歌う場合です。
どれほど歌や踊りができても、練習不足は埋められないと実感したという説明でした。
強い声を持っていることと、その曲を舞台で出せる状態にしておくことを、本人も別の課題として考えています。
同じ取材では、声の管理を過度に義務化せず、日々の習慣にしているとも話していました。
公演前の控室でも、できるだけ落ち着いて過ごすという姿勢です。
舞台上では大きく響く歌声を聴かせながら、本番前には興奮を高め続けるわけではない。
曲を練習し、動きを思い描き、落ち着いて出番を迎えるという準備も、その歌を支えています。
柔らかな声から高音へ進む曲の表現と、動きの中で歌を保つための準備。
ジョンホの歌い方には、声を大きく響かせる力と、その声を曲や舞台でどう使うかという工夫が重なっています。
自分の声がバラード以外のジャンルにも合うと気づいた経緯は、ジョンホ(ATEEZ)の歌唱変遷でたどっています。

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