平野紫耀の歌声はどう変わった?King & PrinceからNumber_iまでの歌唱変遷

King and Prince期からNumber_i期までの平野紫耀の歌声の変遷 シンガー

平野紫耀さんの歌声は、別人のように入れ替わったわけではありません。
デビュー当時からあるハスキーさとリズム感を残したまま、王道ポップスで周囲になじむ声から、低音ラップで曲の方向を決める声へ役割が広がりました。

大きな転機はNumber_i結成だけではありません。
King & Prince時代の「Magic Touch」と「ichiban」ですでにダンスミュージックとヒップホップへ踏み込み、その経験が「GOAT」以降の自己プロデュースへつながっています。

2018年前後は、目立つハスキー声を王道ポップスになじませていた

King & Princeのデビュー曲「シンデレラガール」は、明るく高めのメロディーを六人でそろえる王道のアイドル曲でした。
当時の歌唱評では、平野さんは全員で歌う部分では明るい音色へ寄せ、ソロになると独特のハスキーさを戻すと説明されています。

声の個性を最初から前面へ押し出すのではなく、グループの色へ溶け込ませることが第一の役割でした。
一方、Jr.時代のソロや「Naughty Girl」のようなクールな曲では、低くかすれた声が早くから武器になっています。

ファンの歌唱記録にも、張りと声量があり、ハスキーでもこもりにくいという見方が残っています。
切ない曲に合う声という評価もあり、低音ラップより先に、感情をにじませる歌声として親しまれていました。

「Magic Touch」を発表したKing & Prince時代の平野紫耀

2021年「Magic Touch」で、声の暗さが曲の主役になった

「Magic Touch」は全編英語詞のダンス曲で、明るい王子様像とは異なる暗いグルーヴを打ち出しました。
平野さん自身も、こうした曲やバラードではハスキーな声が曲にはまると感じたと話しています。

それまでユニゾンの中で調整されていた低い音色が、楽曲の雰囲気を作る側へ回った時期です。
ただし、この段階では六人の精密なダンスと歌をそろえることが作品の中心で、個人の低音キャラクターを固定するところまでは進んでいません。

2022年「ichiban」は、Number_i以前に開いていた扉だった

KREVAさんが手がけた「ichiban」は、和の音とヒップホップ、激しいダンスを組み合わせた曲です。
メンバーは先頭に立って進む意思を示したいと考え、世界的な反響を得たこの作品で、王道ポップス以外の顔を明確にしました。

後の「GOAT」を聴いて突然の方向転換だと感じた人もいましたが、表現の準備はすでに始まっていました。
低い声、細かいリズム、身体で音を捉えるダンスが同じ作品の中で結びついた点で、「ichiban」は二つのグループ活動をつなぐ重要な一曲です。

2024年「GOAT」で、合わせる声から曲を始める声へ

Number_iの最初の一曲は、全編ラップを軸にした「GOAT」でした。
制作側は日本語、J-POP、世界のヒップホップを同時に成立させる構想を持ち、三人もこれからの方向を示す尖った曲を選びました。

この時期に平野さんの役割は大きく変わります。
「GOAT」「BON」「INZM」のすべてで歌い出しを担当し、三人の声をまとめる一員から、最初の一声で世界観を決める存在になりました。

「BON」では平野さん自身が、日本的な題材として盆栽を選び、曲の発想から関わっています。
歌唱だけでなく、どんな音楽を作り、どこに自分の声を置くかまで考えるようになったことが、King & Prince期との最も大きな違いです。

Number_iで低音ラップを磨いた時期の平野紫耀

2024年後半から2025年は「低音キャラクター」を自覚的に育てた

三人でラップの違いを話した際、神宮寺勇太さんは平野さんを「低音帝王」と表現しました。
平野さんも低音の担当になりたいと考え、出し方を練習し、研究したことを明かしています。

ここで歌声の変化は、音域が急に広がったという話ではありません。
自分のハスキーさを偶然の個性から、再現できる役割へ変えたことが重要です。

「GOD_i」や「GBAD(Number_i Remix)」では、低い声の深さとラップの切れ味が別々に使われました。
さらにアルバム制作では、平野さんは低く速いラップという定着した人物像を認めながら、三人をあえて普段と違う役へ動かす考えも語っています。
得意分野が決まったからこそ、そこから外れる余裕が生まれた時期でした。

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2026年「3XL」で、強さではなく余白を選べるようになった

平野さんがプロデュースした「3XL」は、Number_i初の表題ラブソングです。
「GOAT」の衝撃や「BON」の勢いとは反対に、片思いの距離を伝えるため、感情を強く乗せない歌い方も試しました。

本人は、明るく歌える場面をあえて抑えることで寂しさを作り、聞き手が想像できる余白を残したと説明しています。
低音が強さを示す道具から、言わない感情を残す道具へ変わったのです。

2026年にはNumber_iが海外のエージェントやレーベルとの契約を進め、活動範囲も広がりました。
それでも「3XL」で選んだのは、英語らしく見せることや声量を誇ることではなく、日本語の片思いを曖昧な温度で届ける方法でした。
世界へ進むほど、自分の声で何を省くかまで考える段階へ来ています。

変わったのは声質より、声に与えられた仕事

初期と現在を比べても、平野さんらしいハスキーさは一貫しています。
切ない曲で温度を作れること、身体でリズムを捉えること、周囲に合わせて声色を変えることも、King & Prince時代から見られました。

変化したのは、その声が作品の中で何を担当するかです。
明るいユニゾンになじむ声、暗いダンス曲に似合う声、ヒップホップの入口を作る声、感情を言い切らず余白を残す声へと、仕事が増えてきました。

現在の発声と低音の使い方を詳しく知りたい人は、平野紫耀さんの歌い方・発声分析も合わせて読むと、年代変化との違いが分かりやすくなります。

同じ男性グループでも、舞台発声を軸に変化した京本大我さんの歌唱変遷と比べると、ダンスとラップから声の役割を広げた平野さんの歩みがよりはっきりします。

まとめ

平野紫耀さんの歌声は、King & Prince期の王道ポップスに溶け込むハスキー声から、Number_iの低音ラップを先導する声へ変化しました。
その間には「Magic Touch」と「ichiban」があり、突然ジャンルを変えたのではなく、以前から開いていた扉を本人主導で大きく押し広げたと考える方が自然です。

そして「3XL」では、強い声を出せることより、あえて感情を言い切らないことを選びました。
変わらない音色に、作品を作る視点と役割の幅が加わったことが、平野さんの歌唱変遷の中心です。

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