ソヒ(RIIZE)の歌唱変遷|澄んだ声の持ち主が、曲に自分を映すまで

2025年11月公開の取材に登場したソヒ シンガー
2025年11月公開の取材に登場したソヒ

RIIZEのソヒは、澄んだ声でグループの歌を支えてきました。
ただ、その歩みを高音の成長だけで追うと、見落としてしまうものがあります。
デビューの頃からバラードを情感豊かに歌っていた人が、カバー、他の歌手との共演、初めてのソロOSTで、声の役割を広げているのです。

やがて本人は、自分らしいカラーを曲に生かすことや、自分を歌にどう投影するかを語るようになります。
歌う場と、歌への理解がともに広がった歩みです。

2023年|華やかなデビューの時点で、バラードの表情も持っていた

ソヒは2023年9月、「Get A Guitar」でRIIZEのメンバーとしてデビューしました。
この頃の姿を考えるうえで、ダンス曲と一緒に置いておきたいのが、番組「NPOP」で披露したナ・ユングォンの「僕だったら」です。
叶わない片想いを描くバラードを歌い、メンバーからも感情を揺さぶられたという反応がありました。

つまり、初めは勢いだけで歌い、後になって感情表現を覚えたわけではありません。
グループの明るいデビュー曲とは異なる、切ない歌の世界もすでに持っていました。
その声を、どんな場面で使っていくかが、その後の活動で少しずつ具体的になります。

2024年3月公開の取材に登場したソヒ
2024年3月公開の取材に登場したソヒ。
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一方で、本人にとって舞台はまだ新しい経験でした。
デビュー間もない取材では、KCON LAの初舞台で緊張し続けていたことと、それでも楽しかったことを振り返っています。
練習室では一人でボーカル練習をし、自分たちのコンサートやソロのステージにも意欲を見せていました。
歌を届ける力がありながら、大勢の前に立つ経験を重ねている時期でした。

2024年|「ドライフラワー」で、一人の声を長く届ける

2024年の日本ツアーでは、ソヒが優里の「ドライフラワー」を短くアカペラで披露しました。
そこから、8月にはRIIZEの公式チャンネルでカバーが公開されます。
公開されたのは2コーラス目の歌唱です。
ツアー中の短い一節から、まとまった歌の流れへと、聴き手が声に触れる時間が広がりました。

この曲が描くのは、恋が終わった後にも割り切れない気持ちです。
晴れやかな印象を与える声でも、明るい感情だけを歌うとは限りません。
ソヒのカバーには、伸びやかな声とともに、失恋の感情を立体的に伝える表現への評価が寄せられました。
声のきれいさを味わう入口から、歌の主人公の気持ちへ進めるカバーだった、と捉えられます。

複数の声が交代するグループ曲とは違い、一人で歌の流れをつなぐ時間が生まれました。
一節を印象に残す力と、次の言葉まで気持ちを運ぶ力は、同じ歌唱でも役割が違います。

2024年|ミンホとの「FIREWORKS」で、声の相性が作品になる

同年11月には、SHINeeのミンホのアルバム『CALL BACK』に参加しました。
共演曲は「FIREWORKS」です。
ミンホはデモを聴いた時から、ソヒの爽やかなボーカルが合うと感じ、参加を頼んだと話しています。
完成した歌についても、自分との声の組合せがよく、曲のポイントを生かしてくれたと評価しました。

カバーから、他の声と響き合う共演へ。
その音色は、共演者に必要とされていました。

曲の中では、ミンホの力強いラップとソヒの清涼感ある歌声が組み合わされています。
日々の疲れや複雑さの中でも、自分の内側に火をともそうという前向きな曲です。
爽やかさは、静かできれいな歌だけに必要なものではありません。
リズミカルなベースのあるヒップホップの中でも、他の声と並ぶことで生かされています。

2025年|自分の物語と、客席の声を歌に重ねる

2025年のアルバム『ODYSSEY』では、歌への向き合い方を示す発言がありました。
ソヒは、作品に自分たちの物語が表れていると感じ、今後どう自分を曲へ投影するかを考えるきっかけになったと話しています。
歌唱力を磨くうえでも、レッスンに加え、自分ならではのカラーを見つけて曲に生かすことを重視していました。

得意な声を出すことから、その声で自分の何を伝えるかへ。
この問いが具体的になったことは、歌唱を考えるうえで大きな変化です。
ソヒがステージで心に響く曲に挙げた「Odyssey」も、未知の場所へ進む物語を持っています。
グループの歩みと歌の内容が重なることで、歌詞は身近なものになっていきました。

ライブでは、声を届ける相手との関係も変わっていきます。
初期には、観客の反応から力をもらう喜びを語っていました。
2025年には、ファンと一緒にステージを作りたいという思いを述べ、広島で「Show Me Love」を合唱した時の熱さを振り返っています。

同年9月の代々木公演でも、ソヒが客席にメロディーを教え、合唱につなぐ場面がありました。
自分のパートを歌い切るだけでなく、聴き手にも歌を渡していく。
歌声の使い方は、録音の中の表現から、会場全体とのやり取りへも広がっていたのです。

2025年9月の日本アリーナツアーに立つRIIZE
2025年9月の日本アリーナツアーに立つRIIZE。
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2025年|初OSTのときめきから、内面の揺れを描く歌へ

10月には、恋愛リアリティ番組『乗り換え恋愛4』の「Love on the canvas」で、初めてソロOSTを担当しました。
不器用だったからこそ特別な、初恋の時間を描く曲です。
制作側が曲の魅力として挙げたのも、ソヒの清涼感ある音色でした。
同じ澄んだ声が、「ドライフラワー」の別れとは違う、恋の始まりの感情を担います。

続く11月の『Fame』には、また違う感情の景色があります。
収録曲「Something's in the Water」を初めて聴いた時、ソヒが思い浮かべたのは、透明な水に一滴の黒い墨が落ち、広がる光景でした。
穏やかに見える場所に不安が入り込むような、具体的な色のイメージです。

一方、「Fame」の録音では、役に立たない考えを減らし、緊張をほぐそうとしたと説明しています。
曲の世界は深く考え、本番では歌に集中できるようにする。
作品を理解することと、録音で自分を整えることを、それぞれの場面で行っていました。

ソヒの変遷は、澄んだ声が別の声に置き換わった歴史ではありません。
切なさ、共演の楽しさ、初恋のときめき、内面の揺れへと、その声が受け持つ感情が増えた歩みです。
自分の声を生かすことと、曲の意味を自分の中に持つことが、次第につながってきたのでしょう。

現在の声の特徴と曲ごとの表現は、ソヒ(RIIZE)の歌い方で掘り下げています。

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