スンミンのカバー企画「SONG by」には、練習で変わっていく自分の声を残すという目的がありました。
歌を学び、変化に気づき、その時点の歌唱を作品として記録する。
Stray Kidsの活動と並行して続けてきたレッスンが、個人の歌を届ける場所にもつながっています。
Love poem — SONG by Ep.01(2024年公開)
2022年の取材が伝えた、外部レッスンでの変化

画像出典:PAPER
2021年の番組『KINGDOM : LEGENDARY WAR』で、スンミンはBTOBのウングァン、ATEEZのジョンホとIUの「Love poem」を歌いました。
グループの枠を越えた3人による歌唱です。
その背景には、自分で先生を探し、所属事務所の外でも歌を学ぶ取り組みがありました。
2022年の取材は、数か月で声の豊かさ、力強さ、コントロールに大きな変化を感じたと伝えています。
Love poem — KINGDOM : LEGENDARY WAR(2021年)
ウングァン、スンミン、ジョンホの歌唱
スンミンはI.Nも先生のもとへ連れていき、歌唱の悩みや改善点を共有するようになったと話しています。
互いのレッスンを見ることも、学びになったというのです。
個人で始めた練習が、同じグループで歌う仲間との取り組みへ広がっていました。
2022年、ツアーと「Can’t Stop」で学びを外へ出す
練習室で得たものは、実際に歌う場所で試す必要もありました。
2022年のツアー中の取材で、スンミンはコロナ禍の歌唱練習には難しさがあり、このツアーでは学んだことを使おうとしていると話しています。
同時期には、ジャスティン・ビーバーの「Ghost」のカバーも公開しました。
練習で変化を感じることと、聴き手のいる場でその歌を届けること。
その二つを行き来しながら、自分の表現を確かめていた時期といえます。
「Ghost」公式カバー音源・SKZ-RECORD(2022年)。
同年の『MAXIDENT』には、I.Nと二人で歌う「Can’t Stop」も収録されました。
スンミンは、自分たちの年齢だからこそ表せる、初々しく率直な恋心を歌いたかったと説明しています。
二人ともバンド音楽が好きで、ホン・ジサンとともにロックの音を求めて制作した曲です。
仲間とレッスンを受ける関係から、好みを持ち寄って一曲を作る関係へ。
歌の力を磨くことに、どんな音楽でその声を聴かせたいかという選択が重なっていました。
「Can’t Stop」UNVEIL : TRACK(2022年、短縮版)。
2023年11月からの指導で、音域ごとの声も整っていく
その後の変化を具体的に語っているのが、ボーカルトレーナーのチャン・ヒョジンです。
2025年の『スポーツ韓国』の取材で、2023年11月からスンミンを指導していると明かしています。
2022年の記事に登場する外部レッスンより後の取り組みです。
最初の目的は音域を広げることでした。
チャンは、指導を始めて間もなく声の変化を感じ、音域だけでなく低音・中音・高音それぞれの音色も整ってきたと述べています。
声の出る範囲に加え、音域ごとの声の質も、継続して教える人が変化を感じた部分だったのです。
チャンは、声が良くなったことで、音楽的な余裕も増したと評価しています。
難しい音に届くことだけを考えているときと、届く声を曲の中でどう使うかを考えられるときでは、歌への向き合い方も違ってきます。
指導者が捉えたのは、出せる音を増やすことが、表現を選ぶ余地にもつながる変化でした。

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「SONG by」は、変化している途中の声を残す場所
チャンによれば、スンミンはレッスンを重ねるうちに発声が変わっていくのを感じ、その過程をカバー曲で記録したいと考えていました。
そこで生まれたのが「SONG by」です。
2024年公開の第1回では、かつて『KINGDOM』でも歌った「Love poem」に、一人の歌い手として取り組んでいます。
以前に歌った曲を再び選ぶと、曲との関係も、自分の声との関係も記録に残ります。
2025年にはeillの「Finale.」のカバーも同企画で公開され、記録が積み重なっていきます。
3人で歌った「Love poem」と、自分の企画で歌う「Love poem」。
同じ曲名でも、歌う相手や場面は異なります。
二つをたどる面白さは、高音が出たかどうかに加え、誰と、どんな形で歌を届けるようになったかにもあります。
Finale. — SONG by Ep.10(2025年公開)
感情を抑えていた自分から、自由に表す歌へ
声を整えることの先に、何を求めていたのでしょうか。
2025年2月の取材でスンミンが語ったのは、長く発声を練習したうえで、マイクの前で感情の細かな違いを表し、歓声を受ける喜びでした。
人の耳を惹きつける声を失わず、一生歌っていきたいとも話しています。
練習した声の価値を、本番で誰かへ届く瞬間に見いだしているのです。
音域を広げることも、変化を記録することも、その先に聴き手がいると考えると、一つの道筋になります。
2025年6月号の『Harper’s BAZAAR Korea』では、スンミンは歌を通じて感情の余韻を聴き手まで届けたいと話しています。
そのために、以前よりも自由に感情を表へ出そうとしているというのです。
もともとは気持ちを抑える性格だったものの、その変化が歌にも少しずつ表れていると本人は捉えていました。
同じ取材では、最初にグループへ加わったときはメインボーカルではなく、好きなだけ音楽を聴き、努力してここまで来たとも振り返っています。
本人にとって今の歌は、初めから完成していたものではありませんでした。
練習についても、毎回よい結果を出せると考えているわけではありません。
壁を一つずつ越える手応えを得ながら、本番で望む歌を歌える可能性を高めていくものと考えています。
声を整える努力と、その声に気持ちを託すことが、ここではつながっています。
スンミンの歌唱変遷をたどると、レッスンで得た変化を記録し、そこへ感情の表し方も重ねてきた過程が見えてきます。
曲に合わせて息や声の力をどう選んでいるのかは、スンミン(Stray Kids)の歌い方で詳しく見ていきます。

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