スンミン(Stray Kids)の歌い方・発声|深い響きと速いリズムを支える息の選択

スンミン(2024年のW Korea取材掲載写真) シンガー
スンミン(2024年のW Korea取材掲載写真)

スンミンは、歌うときの息の使い方を一つに決めていません。
声の深さを求めるか、速いリズムに乗せるか。
本人の説明を手がかりにすると、曲に合わせた発声の選択が見えてきます。

Lose My Breath (Feat. Charlie Puth) — MV(2024年)

深い声にも、速いリズムにも、自分の声を残す

2024年の『W Korea』で、スンミンは時間とともに深みを増してきた自分の声を受け止め、研究していると話しています。
その具体例として挙げたのが、深い響きを出すために呼吸を深く使うことと、速いリズムを取るために浅く使うことでした。

ここで本人が結びつけているのは、息の使い方と、歌に求める響きやリズムです。
深い声を出せればどの曲にも合う、という考えではありません。
自分本来の声を失わない音色の範囲で、曲の雰囲気に応じて自由に歌うことを目指しているのです。

同じ取材で触れた「Lose My Breath (Feat. Charlie Puth)」では、メロディーに沿って自分たちの声を届けられることを喜んでいました。
いつものグループの印象を一つの歌い方に固定せず、曲が求める声の出し方を考える姿勢がうかがえます。

憧れる歌手としては、TAEYANGとD.O.を挙げていました。
芯のある声で聴く人の心に届き、誰かが簡単にまねできない個性も持っていることに惹かれるというのです。
豊かな響きを追求することと、ひと声で自分だと伝わることを、スンミンは一緒に目指しています。

裏声の美しさに加え、細やかさを評価された録音

息を使い分けるという本人の話に重なるのが、作曲家チョン・グヒョンによる評価です。
2025年の『スポーツ韓国』の取材を紹介したKoreabooの記事で、ドラマのOSTを二曲一緒に制作した彼は、スンミンの裏声の美しさと繊細さを挙げています。
単にきれいな音色というだけでなく、細やかな表現ができる歌い手として見ていました。

また、忙しい時期の録音にも、十分に準備して来ていたと話しています。
制作をともにした人の言葉からは、音を出す能力と、その曲のために歌を整えてくる姿勢の両方が見えます。
裏声は、高い音へ届くためだけのものとして扱うと、こうした表情の違いを見落としやすくなります。

スンミンの柔らかい歌声を聴くときは、どこで声を薄く感じるか、その前後で言葉がどうつながるかにも注目したいところです。
同じメロディーでも、声の強さや輪郭によって、相手へ静かに語るようにも、気持ちを遠くへ届けるようにも聞こえます。
作曲家が評価した細やかさは、こうした声の表情へ耳を向ける入口になります。

「Lonely St.」では、暗い曲にも力強い声を選ぶ

スンミンの歌い方には、声の力を前へ出す選択もあります。
2022年の『NYLON』のアルバム取材で、「Lonely St.」のレコーディングについて語った内容がその一例です。

本人は、失うものはないという気持ちで、とにかく力強く歌おうとしていたと振り返っています。
そして、自分の声が曲の暗い雰囲気によく合っていると感じていました。
寂しさを描く曲だからといって声を弱めるのではなく、力を込める歌唱が、その曲の感情に合うと考えていたのです。

Lonely St. — Video(2022年)

同曲の声の質感には、制作上の処理も関わっています。
バンチャンによると、チャンビンと相談し、生の楽器の音にエフェクトをかけたボーカルを組み合わせるため、Auto-Tuneを使うことにしました。
歌い手が込める声の力と、作品として加える声の加工を合わせて、この曲のボーカルは作られています。

バラードでも、力強い場面がある「Waiting For Us」

『ODDINARY』には、バンチャン、リノ、スンミン、I.Nの四人で歌った「Waiting For Us」も収録されています。
スンミンは『NYLON』で、ロックバラードの中にもグループらしさがあり、歌声がとても力強くなる箇所を楽しんでほしいと話しました。

ここでは、曲全体の穏やかさと、部分的に声を強めることが共存しています。
「Lonely St.」と続けて聴くなら、強さが持続するのか、一つの場面で際立つのかという違いにも注目できます。
声量の大小だけでなく、一曲のどこへ力を集めるかが、感情の伝わり方に関わるのです。

スンミン(2024年のW Korea取材掲載写真)
スンミン(2024年のW Korea取材掲載写真)。
画像出典:画像掲載元

声を変えて隠すより、磨いた歌い方をそのまま届ける

曲に合わせて表現を変えても、本人らしさまで消してしまう必要はありません。
その考え方がよく表れているのが、2023年の『DAZED Korea』で語った『覆面歌王』出演時の話です。
Soompiが紹介した取材内容によると、スンミンは正体を隠すために声や歌い方を変えるつもりはなく、それまで磨いてきた歌を見せたいと考えていました。

仮面を着けて歌う場でも、自分の声の特徴を保って臨んだということです。
本人も、はっきりした個性のある声なので隠しきれなかったと受け止めていました。
出来に心残りはありつつ、準備の時間は楽しく、音楽への思いを考え直す機会になったとも話しています。

ここから分かるのは、スンミンにとって表現の幅と、声の個性が両立するものだということです。
力強い曲でも柔らかな曲でも、フレーズの最初にどんな響きが現れるか、言葉の終わりをどう収めるか。
曲調が変わっても感じられる共通点を探すと、本人が残したいと考える声の輪郭に近づけます。

「Do It」と「신선놀음」で変える、曲への向き合い方

2025年の作品『DO IT』についても、スンミンは二つのタイトル曲を違う表現として説明しています。
iMBC掲載の一問一答では、「Do It」はためらわず行動するという内容を、自信を持ったクールな表情で表したと語りました。
一方の「신선놀음」では、より自由に遊ぶような雰囲気で、グループの楽しさを見せたかったとしています。

これは曲全体の表現方針についての言葉ですが、声をどう受け取るかにも関わります。
同じ勢いのある歌でも、決意を示すように届けるのか、余裕を感じさせながら楽しむのかで、目指す印象は変わります。
呼吸の深浅や声の強弱も、こうした曲ごとの表情と結びつけて考えると、単なる技術の一覧にならずに捉えられます。

声の強さは、曲の感情に合わせて選ぶ

息をどう使い、どのくらい声に力を込めるか。
スンミンの説明には、それを曲の響きや感情と結びつけて考える姿勢があります。
「Lonely St.」のように、寂しさと力強い声が結びつく曲もある。
声の印象を一つに固定せず、曲ごとに彼が何を選んだかを追うと、歌い方をより具体的に捉えられます。

こうした選択の背景にあるレッスンと、変わる声を記録する取り組みについては、スンミン(Stray Kids)の歌唱変遷でたどっています。

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