高見沢俊彦の歌には、高い声をどう生かすかに向き合ってきた歩みがある。
歌い方を見直した転機と、ソロ名義Takamiyで過去の曲を新たに歌った『美旋律 ~Best Tune Takamiy~』をたどりたい。
Takamiy「Fantasia ~蒼穹の彼方」(2017年再録版)の公式音源。
高い声を、がなって歌っていた時期
高見沢は2017年のMusicVoiceの取材で、自分の声が高いことをあまり好きではなく、それでがなっていた面もあったと話している。
同じ取材では、2010年のアルバム『Fantasia』などでも、そのような歌い方をしていたと振り返った。
高い声の聞かせ方への迷いも、以前の歌い方の背景にあった。
Takamiy「Fantasia ~蒼穹の彼方」(2010年版)の公式音源。
2014年、歌い方を見直す転機
大きな転機は、THE ALFEEの活動40周年にあたる2014年だった。
2022年の文春オンラインの取材で、高見沢は春のツアー中に喉の痛みを感じ、高い声が出なくなったと振り返っている。
そこで自分に合う歌い方へ変え、元に戻るまでには1、2年かかったとも話した。
自分の声をどう扱うか、見直す必要に迫られた経験でもあった。
それまでは、自分の喉は強いと思っていたという。
文春オンラインの取材では、その経験を経て、喉のケアにも慎重になったと話している。
長く歌ってきたからこその自信があっても、同じやり方で続けられるとは限らなかった。
歌い方を変えることには、自分の声への見方を改める意味もあったのだ。

画像出典:画像掲載元
2015年、声を乗せる音楽にも新しい組み合わせを試す
翌年のソロシングル「誘惑の太陽」では、ダンスミュージックとギターを組み合わせた作品へ進んでいる。
2015年のMANTANWEBの取材で、高見沢は、好きだったダンスミュージックを本格的に試し、そこへギターを多く入れたら面白いと考えたと説明した。
さらに、子どもの頃に親しんだグループサウンズの空想的な世界も曲に散りばめている。
この曲では、ひと夏の思い出を歌にしようとしたという。
声をどう出すかの見直しと並んで、何を歌い、どんな音の中で聞かせるかにも、新しい試みがあった。
以前から好きだった音楽を組み合わせ、ソロの曲にしていく時期でもあったのだ。
Takamiy「誘惑の太陽」(2015年)の公式MV・短縮版。

画像出典:MusicVoice
2017年、歌い直して際立ったメロディー
その後の歌い方を形にした作品が、2017年の『美旋律 ~Best Tune Takamiy~』だ。
収録された13曲は、すべてボーカルを新たに録り直している。
同年のSPICEの取材で、高見沢は、以前の歌を今聴くと違和感があり、現在の声で歌い直したい曲を集めたと説明している。
過去の録音を並べて活動を振り返るだけでなく、今の歌手として過去の曲に向き合い直す選曲だった。
同年のBillboard JAPANで、高見沢は、がなりやシャウトを減らした歌い方で過去の曲を歌うと、以前は聞こえてこなかったメロディーが際立つようになったと説明した。
今の声、今の歌い方で届けるアルバムだという。
SPICEでは、「Fantasia ~蒼穹の彼方」を歌い直し、その歌詞にあった言葉からアルバム名を決めたとも語っている。
メロディーをはっきり出すようにしたことで、自分が作った曲を新鮮に捉え直す発見があった。
声の変化を記録するだけでなく、曲そのものをもう一度見つめる再録でもある。
2015年の「誘惑の太陽」も、新しい歌声で収められた。
MusicVoiceでは、最近の曲なので歌い直さなくてもよかったが、ほかの曲を録り直す中で、この曲もそろえたかったと説明している。
Takamiy「誘惑の太陽」(2017年再録版)の公式音源。
Billboard JAPANでは、再録でさらにアグレッシブになるとも語っている。
歌い方を丁寧にすることと、激しい曲を歌うことを両立しようとしていた。
高音や声の重ね方は、高見沢俊彦(THE ALFEE)の歌い方でも見ていきたい。

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