ジョンヨンの歌は、TWICEの中でどのように育ち、一人で歌う場へ広がってきたのでしょうか。
初期の録音からソロ曲まで、本人が語った声の変化と、それを支えた仕事の変化をたどります。
2015〜2016年、少ないパートの先を見ていた
ジョンヨンは、2015年に『SIXTEEN』を経てTWICEのメンバーになり、「Like OOH-AHH」でデビューしました。
後年も、メンバーが決まった瞬間と、最初の曲を世に出して涙を流した日を、強く覚えていると話しています。
自分の声が作品として届くことそのものが、大きな出来事だった時期です。
翌2016年のジョンヨンは、舞台に上がるときには緊張し、もっと上手くやらなければと考えると語っていました。
一方、デビュー曲の担当部分が少ないことを尋ねられると、その一曲をずっと歌うわけではなく、次の作品で歌えばいいと答えています。
歌い続けるつもりだからこそ、目の前の配分だけで自分の将来を決めていなかったのです。
この二つの言葉は、初期の彼女を理解するうえで切り離せません。
本番では良い結果を求めて緊張する。
それでも、歌手としての時間は、その日の一曲より長いものとして考えている。
後にソロや別の編成へ進む歩みを、最初から順調な自信の物語にしてしまうと、この出発点が見えなくなります。

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2018〜2020年、録音の指導を受ける側から、歌を組み立てる側へ
2018年、「What is Love?」の頃には、パク・ジニョンの録音指導について話しています。
感情を表しながら、話すように歌う。
ジョンヨンは、その要求を難しく感じていました。
音程や声の強さだけでなく、言葉が自然に伝わることも求められていた時期です。
その間、グループの歌にも転機がありました。
2019年の「FANCY」では、ジヒョが、従来の個性を保ちながら、大人びた方向へ挑みたかったと説明しています。
ナヨンによれば、最初に曲を聴いたときには、メンバーの反応が分かれていました。
それが、自分たちの声を録音して聴くと、全員が好きになったといいます。
曲を受け取った段階では見えなかった良さが、自分たちで歌うことによって分かる。
ジョンヨンも、その新しい表現を作る九人の一人でした。
2020年の「Sweet Summer Day」では、彼女が主な歌詞を書き、チェヨンがラップ部分を担当しました。
ジヒョの仮歌をもとに、住まいで歌詞を直し、パートを分け、曲について話し合ったと振り返っています。
誰が何をどう歌うかという、録音の手前の仕事にも関わるようになっていたのです。
2023年、ソロの時間に見せた二つの表情
『READY TO BE』ツアーでは、メンバーそれぞれのソロステージが設けられました。
ジョンヨンが選んだのは、リゾの「Juice」です。
2023年7月のトロント公演では、歌の途中にリコーダーを取り出す演出も披露しました。
一人で舞台を受け持つ場面に、歌唱と遊び心を一緒に持ち込んだのです。
九人の歌の中で順番を待つ時間から、自分が中心になって観客と関わる時間へ。
ソロステージは、その人らしい見せ方まで含めて選べる場になりました。
同じ年の11月には、「O Christmas Tree」を発表しています。
こちらはツアーのカバーとは別の、クリスマス曲をさまざまな歌手が取り上げる『Carols Covered』のための録音です。
舞台で楽しさを届けるカバーに続き、季節の歌も、自分の名で残すようになりました。

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2024年、「NEW NEW」で気づいた声の成熟
『With YOU-th』の「NEW NEW」は、初期のTWICEを思わせる、明るく快活な曲です。
ジョンヨン自身も、デビュー当時に近い雰囲気を持つ曲として気に入っていました。
ただ、同じように明るい曲を歌っても、今は声が成熟しているため、新しい感情を表せると説明しています。
初期から親しんだ明るさを、現在の声で歌ってみる。
そこで生まれる違いを、本人は新鮮なものとして受け止めていました。
作風が大きく変わらなくても、歌う人の年月は表現に表れるのです。
同じアルバムの「BLOOM」では、作詞にも参加しました。
花が咲くまでの長い時間と、その過程を言葉にしたかったといいます。
九人の声が調和する曲として本人が紹介したこの作品には、与えられた歌を歌うだけでなく、何を歌うかという段階から関わる姿もあります。
声の変化と並んで、表現を作る側としての関わり方も広がっていました。
2025年、経験を重ねても難しい新しい歌
2025年の『THIS IS FOR』では、多様なジャンルや歌い方が、ジョンヨンに新たな課題を与えました。
本人は、どの曲も歌うのが難しく、録音に苦労した作品だと話しています。
同時に、それをやり切った自分を褒めたいとも語りました。
経験を重ねたから簡単になるのではなく、経験の先で、まだ試していない表現に取り組んでいたのです。
映画『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』の「Takedown」では、ジヒョ、チェヨンと三人で歌いました。
劇中の架空のグループによる歌唱とは別に、エンドクレジットを飾るTWICE版が制作されています。
ジョンヨンにとって、この三人だけで一曲を録音するのは初めての経験でした。
長く同じグループにいても、組み合わせを変えることで、声を届ける新しい場が生まれます。
「FIX A DRINK」で、一曲を通して声の個性を届ける
2025年10月の『TEN: The Story Goes On』は、グループ曲と九人それぞれのソロ曲を収めた、結成10周年の作品です。
ジョンヨンの曲は「FIX A DRINK」。
カントリーへ踏み込む選曲が、一曲を通して彼女の声に触れる機会になりました。
グループの中の短い担当部分を聴くときと、一人が歌の中心を担うときでは、声の個性を受け止める時間の長さも違います。
この曲では、ソウルを感じさせる声が、傷ついた気持ちを扱うカントリーポップに合うと評価されました。
新しいジャンルへ進んだことで、声を別人のように作り直した、という話ではありません。
普段のグループ曲とは違う音楽に置かれたことで、彼女の声が持つ情感を、別の角度から受け取れるようになったのです。
「自分の声」を出発点にする現在
2026年、ジョンヨンは、初期には上手く聞こえることを強く意識し、今は自然な自分の声で歌うと振り返りました。
一方、2026年1月のイングルウッド公演では、力強い歌声も評価されています。
自然に歌うという意識と、力のある歌を届けることは、彼女の中で両立しているようです。
初期の曲を思わせる明るさも、一人で歌うカントリーも、三人で挑む映画曲も、今のジョンヨンにはつながっています。
上手く歌いたいという気持ちから始まり、自分の声をどんな音楽に置くかを考える歩みへ。
それぞれの曲で表現を増やしながら、歌い手としての自分を、より自然に差し出すようになった変遷といえるでしょう。
曲ごとの声の使い方は、ジョンヨンの歌い方で詳しく扱っています。

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