ジヒョ(TWICE)の歌唱変遷|高音を担う声から、『ZONE』で見つけた新しい歌い方へ

ジヒョ(2023年8月公開のELLEインタビュー掲載写真/画像提供:JYP Entertainment) シンガー
ジヒョ(2023年8月公開のELLEインタビュー掲載写真/画像提供:JYP Entertainment)

TWICEのメインボーカルとして、力強い歌で知られるジヒョ(TWICE)。
けれど、デビュー当初は、グループで求められる声と、自分が目指す歌声の間で迷った時期もあったといいます。

2023年の初ソロ作『ZONE』では、曲ごとに違う声を試し、2026年の共演では、相手の声を聴いて自分の歌い方を選びました。
高い音を担ってきた歌い手が、自分の声をどう作品へ生かすかを考えてきた歩みをたどります。

JIHYO「Killin' Me Good」公式MV(2023年)。

TWICEで求められる声と、自分が目指していた声

ジヒョは、2015年にTWICEのメンバーとしてデビューしました。
デビュー作『THE STORY BEGINS』のタイトル曲が「Like OOH-AHH」です。

TWICE「Like OOH-AHH」公式MV(2015年)。

2023年に出演した音楽番組『リムジンサービス』では、デビューした頃の歌の悩みを振り返っています。
NMEが紹介した本人の話によると、長い練習生期間に歌っていたのは主に洋楽で、韓国の曲を練習する機会は少なかったそうです。
そこから「CHEER UP」や「TT」のような曲を歌うことになり、録音で厳しい言葉を受けることもありました。

アイドルとして求められる声と、自分が歌い手として使いたい声がぶつかり、何が正しいのか悩んだというのです。
歌唱力を評価されるメインボーカルにも、曲の中でどんな声を出せばよいかを探す過程がありました。

TWICE「TT」公式MV(2016年、韓国語版)。

2023年|自分で決める自由が、『ZONE』の多彩な歌につながる

グループで歌を重ねた後、2023年8月18日に初ソロミニアルバム『ZONE』を発表しました。
発売時に取材したThe Korea Heraldは、TWICEで高音を担うことの多かったジヒョが、この作品では低めの声やシンギングラップにも取り組んだと紹介しています。

ただ、最初から見せたい姿が決まっていたわけではありません。
会社からはコンセプトを指定されず、自分がやりたいことを選ぶように言われたそうです。
発売時の会見でも、最初は何を選ぶか迷ったものの、制作するうちに、歌い手として新しい面を見せたいと考えるようになったと説明しています。
収録曲の幅広さには、制作しながら答えを探した過程が表れています。

会見では、この時期にソロを準備できて良かったとも話しました。
活動を重ねて、自分がどんな人で、何をする時に魅力が伝わるのかが分かってきたからです。
デビュー当初の迷いを経て、自分に合う見せ方を判断できるようになったことも、一人の作品を作る支えになっていました。

ジヒョ(2023年8月公開のELLEインタビュー掲載写真/画像提供:JYP Entertainment)
ジヒョ(2023年8月公開のELLEインタビュー掲載写真/画像提供:JYP Entertainment)。
画像出典:画像掲載元

発売時の会見では、さまざまなジャンルの曲をそろえ、一曲ごとに異なる声を出してみたと話しています。
ELLEの取材でも、制作を通じて、それまで知らなかった自分の歌い方を発見したと振り返りました。
自分の声の特徴を先に決めて全曲をそろえるのではなく、曲に向き合ううちに、まだ使っていなかった表現が見えてきたのです。

「Killin' Me Good」で選んだ、低めの声と踊る楽しさ

タイトル曲「Killin' Me Good」は、アップテンポのR&Bです。
ジヒョは、候補曲の中でも歌い出しのメロディにひかれたと話しています。
耳に残るその旋律が、作品の顔となる曲を選ぶ決め手でした。

選曲には、歌う時の自分の姿も関わっていました。
SBSの会見記事によると、周囲からはバラードを勧める声もあったそうです。
それでも、踊りながらパフォーマンスすることに最も大きな喜びを感じ、それが自分の強みだと考えていました。
声と身体の両方で、楽しんでいる自分を届ける曲を選んだのです。

同じ頃の会見では、ステージに立つ時の変化も振り返っています。
以前は緊張し、無事に終えることに精いっぱいだったのが、ツアーを重ねて観客と呼吸を合わせられるようになったそうです。
歌って踊る姿をソロの中心に置いた判断には、こうした実演での手応えも重なります。

Apple Musicの作品紹介は、この曲で主に低めの音域を使っている点に注目しています。
JYPの公式紹介が強調するのは、豊かで力強い声と、グルーヴのあるサウンドの組み合わせです。
ソロの中心には、低めの声で歌を運びながら、持ち味の力強さも生かす選択がありました。

「Room」で、穏やかな歌とシンギングラップを試す

『ZONE』の中で、本人が新しい挑戦として挙げたのが「Room」です。
落ち着いたムードに、歌うようなラップを取り入れた曲で、これまで見せてこなかったスタイルだと説明しています。

JIHYO「Room」公式リリックビデオ(2023年)。

「Killin' Me Good」で踊る歌い手としての姿を見せながら、別の曲では、穏やかな流れの中で言葉を運ぶ。
曲ごとに違う声を出したいという制作方針が、こうした選択に結びついています。
ソロになったことで、グループで担う場面に加え、一曲全体を自分がどう歌うかを考える機会が増えました。

共演相手の声も、曲を作るために選ぶ

『ZONE』では、曲に必要な声を考え、客演を迎える判断にも関わっています。
GRAMMY.comの取材では、「Don't Wanna Go Back」にはバラードに合う女性の声を、「Talkin' About It」には男性のラップを求めたと説明しました。
それぞれHeize、24kGoldnが参加しています。

JIHYO「Don’t Wanna Go Back (Duet with Heize)」公式配信音源(2023年『ZONE』収録)。

JIHYO「Talkin’ About It (Feat. 24kGoldn)」公式リリックビデオ(2023年)。

自分一人でさまざまな声を試すことに加え、別の歌い手の個性を曲へ迎える。
ソロ制作では、自分の歌い方だけでなく、どんな声同士を組み合わせるかも考えるようになっていました。

2026年|「Distant Lover」で、相手の力強さに滑らかな声を添える

2026年7月には、Shenseeaとの共演曲「Distant Lover」を発表します。
この曲では、他の歌手の声を踏まえて、自分の歌い方を調整した過程が具体的に語られています。

「Distant Lover」公開時のジヒョとShenseea(2026年、Musicow提供写真)。
「Distant Lover」公開時のジヒョとShenseea(2026年、Musicow提供写真)。
画像出典:スポーツ京郷

ForbesのLaura Sirikulによる取材で、ジヒョは、デモを聴いた時にShenseeaの力強い声を感じたと説明しました。
そこで自分は滑らかな声を選び、二人の異なる声を組み合わせようと考えたそうです。
強い歌声が並ぶだけでなく、違う要素があることで聴き飽きない曲にしたかったという判断です。

JIHYO, SHENSEEA, FANDOM「Distant Lover」公式MV(2026年)。

録音は別々の場所で行われ、その後、MVの撮影で顔を合わせたといいます。
同じ部屋で歌を録っていなくても、先に届いた相手の声から、自分が加える表情を考えていました。
『ZONE』で曲に必要な声を迎えた経験から、この共演では、自分が相手に何を添えるかを選んでいます。

デビュー当初には、求められる声と使いたい声の間で迷ったジヒョ。
ソロ制作でさまざまな歌を試し、共演では自分の持ち味をどこへ置くかも考えるようになりました。
その歩みには、声の選択肢を増やすことと、曲や相手に合わせて使うことの両方があります。
同じアルバムでの声の質感や裏声の使い方は、ジヒョの歌い方で具体的に見ていきます。

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