りりあ。の歌い方・発声|泣きそうなのに言葉がまっすぐ届く理由

りりあ。の歌い方と発声を分析する記事のアイキャッチ 高い声の出し方

りりあ。さんの歌声は、「透明」「天使の声」「泣きそう」と表現されることが多い声です。
ただ、息を多く混ぜれば同じ雰囲気になるわけではありません。

声をきれいに飾るより、話している時の言葉と感情を残す。
そのうえで、声の線をあえて平らにする場所と、揺れを見せる場所を分けています。

だから小さく歌っても歌詞が遠くならず、失恋の痛みが大げさな演技に見えません。
りりあ。さんの歌い方の中心にあるのは、弱い声ではなく、聴き手との距離を近く保つ声です。

「天使の声」よりも不思議なのは、歌詞が会話のように入ってくること

活動初期から、りりあ。さんには透明感のある声という評価が集まりました。
しかし、映画音楽の制作に関わった人たちが注目したのは、透明さだけではありません。

言葉が耳の奥まで届き、ナレーションや心の声を聞いているようだと評されています。
派手な歌唱技術が先に立つのではなく、歌詞を通して人物の気持ちが見えてくる声なのです。

この特徴を「息が多いから」とだけ説明すると、大切な部分を取りこぼします。
息の音が目立ちすぎれば子音も母音もぼやけ、何を歌っているか分かりにくくなるからです。

りりあ。さんの場合は、音量を抑えた声の中にも言葉の輪郭が残ります。
透明感は声の薄さではなく、余計な飾りの向こうに歌詞を隠さないことから生まれています。

部屋でのスマホ録音が守ったのは、音質より「普段の声」だった

最初のオリジナル曲が広がった2020年、りりあ。さんは自宅の部屋でスマートフォンと無料アプリを使って録音していました。
マイクを使わず、プロのスタジオへ行くと緊張して普段通りに歌えないため、落ち着ける場所を選んでいたと話しています。

ここには、現在の歌い方を理解する重要な手掛かりがあります。
高価な環境で声を大きく見せるより、自分の感情と声が離れない状態を優先したのです。

自宅で緊張せず普段の歌い方を守ったりりあ。

一方で、自然に歌えることを「何も練習していない」という意味にはできません。
本人は一人カラオケへほぼ毎日通うほど歌が好きで、高い声を出せるよう練習を続けたいとも語っていました。

つまり、力を見せない歌声の裏には、声を出す時間の積み重ねがあります。
小さく自然に聞こえるのは、準備がないからではなく、準備を表へ出しすぎないからです。

泣き声のように聞こえても、感情を一色に塗らない

失恋曲では、最初から最後まで悲しそうに歌えばよいように思えます。
りりあ。さんの曲が単調にならないのは、悲しみの中に怒り、未練、強がり、諦めきれなさを置くからです。

『私じゃなかったんだね。』は、装飾を削った歌声と、涙を感じさせる儚い声の両方が評価されました。
後半で本音がこぼれるまで、感情を早く出し切らない構成が物語を支えています。

本人も、失恋曲の材料を一つの結末で使い切るのではなく、一人の相手や一つの出来事から何曲も書くことがあると話しています。
好きと嫌いをきれいに整理しないため、歌い方にも割り切れない余白が残ります。

泣き声らしさは、声を常に震わせる技ではありません。
平静を装う場所があるから、わずかな揺れや語尾の変化が本音として聞こえます。

『あんたなんて。』は、感情を足すより「隠す場所」が面白い

『あんたなんて。』では、強がる人物の気持ちに合わせて声の表情が動きます。
歌い出しは、最初から大きく揺らすより、声のカーブを減らした方が言葉の素っ気なさを出しやすいと分析されています。

ところが、気持ちが隠しきれなくなる部分では抑揚が増えます。
母音を短く捨てずに残すため、言葉の意味と旋律が一緒に耳へ残ります。

最後には、再び表情を薄くする箇所があります。
好きではないと言い切ろうとする人物を、豊かなビブラートや大声で説明しすぎないのです。

この足し引きが、りりあ。さんらしい「泣きそうなのに近い声」を作ります。
感情をずっと最大にするのではなく、隠そうとした瞬間まで歌にする点が重要です。

小さな声しか出せない歌手ではない

音源だけを聴くと、りりあ。さんは囁く歌に特化した人だと受け取りやすいかもしれません。
2025年のスタンディングツアーでは、張った声、力強く深みのある歌声、感情の起伏がはっきりしたボーカルも記録されています。

囁きだけでなくライブでは力強い声も使うりりあ。

特に『あんたなんて。』は、音源の囁く表現に対し、ライブでは動きのある感情が前へ出たと評されました。
同じ曲でも、部屋で一人に話す距離と、会場全体へ届ける距離を使い分けています。

これは、初期の歌い方を捨てたということではありません。
小さな声を基準にしながら、必要な場面では強い声へ広げられるようになったと考える方が自然です。

Uruさんの優しい声が弱く聞こえない理由にも、静かな声と声量不足を分けて考えるヒントがあります。
二人とも、音量を抑えること自体ではなく、言葉の焦点を失わない点に強さがあります。

今入れる? 近くで入りやすい飲食店がわかる混雑予報マップ

高音を「地声かミックスボイスか」だけで決めない方がよい

りりあ。さんの高音を一つの発声名で断定できる資料は確認できませんでした。
曲や音の高さ、音量によって声の使い方は変わるため、すべてを地声、裏声、ミックスボイスのどれか一つへまとめるのも不自然です。

第三者の歌い方解説でも、声区の名前より、音の入り方、母音の残し方、語尾の揺れが具体的に扱われています。
聴き手が実際に感じるりりあ。さんらしさも、最高音の種類より、言葉がどの距離で届くかにあります。

高音だけを強く真似すると、歌詞より声量が前へ出ます。
反対に息を増やすだけでは、弱く不明瞭な声になりやすく、透明感とは別物です。

ReoNaさんの話しかけるような発声と比べると、小さな声の中にも複数の強度があることが分かります。
似た印象の歌手を同じウィスパーボイスで片付けず、どの言葉で声が近づき、どこで強くなるかを見る方が面白く聴けます。

参考にするなら、泣き声ではなく「感情を出し切らない順番」

りりあ。さんらしさを理解する時は、息の量や声の震えだけを追わない方がよいでしょう。
一曲の中で、平静を装う場所、本音が漏れる場所、もう一度隠す場所がどう並ぶかに注目します。

『あんたなんて。』なら、最初の素っ気なさと後半の揺れを比べるだけでも、人物の気持ちが動く順番が見えてきます。
『私じゃなかったんだね。』では、最後まで残された本音がどこで声に表れるかを追えます。

真似しない方がよいのは、意図的に喉をかすれさせたり、息だけで長く歌ったりすることです。
りりあ。さんの声の近さは、苦しさを我慢して作るものではありません。

学べるのは、強い感情ほど早く見せず、言葉が必要とする瞬間まで取っておく考え方です。
それなら本人と同じ声質でなくても、自分の歌に生かせます。

まとめ

りりあ。さんの歌い方が泣きそうなのにまっすぐ届くのは、息を多く混ぜているからだけではありません。
話し声に近い距離を残し、母音と言葉の輪郭を消さず、感情を出す場所と隠す場所を分けています。

自宅録音を選んだ初期から大切にしていたのは、豪華な音より普段の声でした。
その親密さを保ったまま、現在はライブで張った声や深い声も使える幅を持っています。

「天使の声」という呼び名は入口としては分かりやすい言葉です。
本当の魅力は、きれいな声の向こうではなく、余計に飾らないことで歌詞と人物を近くへ運ぶところにあります。

こちらの記事もおすすめ

コメント

タイトルとURLをコピーしました