HANAのMAHINAさんを説明する時、「低音が魅力」「ラップで才能が開いた」という二つの言葉がよく使われます。
どちらも間違いではありませんが、それだけではMAHINAさんの面白さを半分しか説明できません。
本人が目指しているのは、自分の声だけを目立たせることではなく、特徴的な声を使ってほかのメンバーまで引き立てることです。
低音、ラップ、柔らかな歌唱が別々の得意技ではなく、七人の声の並びを変える一つの「色」として働いています。
この記事では、HANA・MAHINAさんの歌い方と歌唱力を、声の高さよりも「一声で曲の景色を変える役割」から分かりやすく考えます。
最初に見つかった武器は、高音ではなく低音だった
MAHINAさんは、オーディション中に周囲から低音が魅力的だと言われた経験を明かしています。
高い声が注目されやすいガールズグループの審査で、最初に価値を認められたのが低い音だったことは重要です。
低音の魅力は、単に音が低いことではありません。
低い位置でも言葉の輪郭が残り、曲の足元を急に太くできるから、前後の声まで違って聞こえます。
発声を扱う解説では、MAHINAさんの声を低い方向の響きが強いタイプと見る意見があります。
一方、ファンによる感想では、低音そのものよりも、声を出した瞬間に本人だと分かる表現力がよく挙げられています。
この二つは対立しません。
低い音域は入口であり、聴き手が覚えているのは、その音に乗った明るさや勢いまで含めた声色だからです。

3.5次審査で変わったのは、技術より「声の使い道」だった
MAHINAさんはNo No Girlsの3次審査で一度見送りになりました。
そこで提案されたのが、通常とは異なる3.5次審査でラップに挑戦することでした。
当時は歌唱もラップも本格的な経験がなく、ラップを自分の進路として考えたことさえなかったと語っています。
それでも挑戦後には、音楽の世界が広がり、少しずつ自分を好きになれたと振り返りました。
ここで見つかったのは、「ラップができる」という一項目だけではありません。
声を長くきれいに伸ばす以外にも、短い言葉へ勢いを乗せ、リズムの中で存在感を作る方法があると知ったのです。
歌唱力というと、音域や声量の数字を思い浮かべがちです。
MAHINAさんの転機は、同じ声でも置き方が変われば武器になることを示しています。
ラップと歌で別人にならないことが、個性を強くする
低い歌声とラップの両方を使える歌手は珍しくありません。
MAHINAさんらしさは、役割が変わっても「この人の声だ」という印象が切れにくいところにあります。
その理由を声帯の使い方だけで断定することはできません。
ただ、本人が自分の声を特徴的だと認識し、話すような言葉にも歌う時と同じ表情を残そうとしていることは、複数のインタビューから読み取れます。
ラップでは、声を太く作りすぎるより、言葉を前へ送る度胸が生きます。
歌では、その勢いを消すのではなく、音程の流れへなじませることで同じ人物の続きを感じさせます。
だからMAHINAさんの記事を「低音の出し方」だけに置き換えると、大事な部分が抜けます。
低さは素材であり、個性を決めているのは、素材を歌とラップの間で持ち運べることです。
「Blue Jeans」で、強さだけがHANAらしさではないと示した
MAHINAさんは「Burning Flower」と「Blue Jeans」を比べ、後者によってHANAにはこういう曲も歌えると見せられたと話しています。
激しさや強さの印象が先行するグループにとって、これは単なる曲調の変更ではありません。
強い曲では、短いパートで空気を切り替える声が映えます。
柔らかな曲では、同じ存在感を保ったまま、ほかの声と並ぶ必要があります。
この違いが、MAHINAさんの歌唱力を考えるうえで興味深い点です。
大きな声で前へ出るだけなら、曲が静かになった時に個性も薄くなります。
ところが本人は、ジャンルの異なる曲を通じてHANAの幅を見せたいと考えています。
CHIKAさんの発声分析では、強い声を手放した場面が大きな転機になりました。
対してMAHINAさんは、低音やラップで得た輪郭を残しながら、声の圧を曲に合わせて変える道を進んでいます。

七人の中で目立つより、七人の聞こえ方を変えたい
本人の言葉で最も面白いのは、「特徴的な自分の声で、ほかのメンバーをより引き立てたい」という目標です。
ソロ歌手なら、自分の声を最大限に目立たせることが答えになりやすいでしょう。
七人組では、目立つ声が常に前へ出ると、曲の奥行きがかえって狭くなる場合があります。
MAHINAさんが目指すのは、前のメンバーが作った空気を受け取り、自分の一節で色を変え、次の声を新しく聞かせる役割です。
これは歌割りの長さでは測れません。
NAOKOさんの歌い方は低音と細かなリズムが魅力ですが、MAHINAさんの低音は同じ役割ではありません。
NAOKOさんが曲の流れを滑らかに運ぶなら、MAHINAさんは場面へ新しい色を差し込む方向に個性があります。
JISOOさんの発声分析で扱った静かな存在感とも違います。
三人を並べると、「低い声」「落ち着いた声」という似た言葉だけでは、HANAの声の設計を説明できないことが分かります。
真似するなら、低い声ではなく役割の切り替えを見る
MAHINAさんの歌い方を参考にする時、喉を下げて無理に低い音を太くする必要はありません。
生まれ持った声色や本人の経験まで、そのまま再現することはできないからです。
代わりに注目したいのは、一曲の中で「いま誰の声を目立たせる場面か」が変わることです。
MAHINAさんの前後に歌うメンバーを含めて聴くと、短いパートが曲全体へ与える効果が見えやすくなります。
ラップでは言葉が前へ進み、歌では旋律へ戻る。
強い曲では輪郭が立ち、柔らかな曲ではほかの声との距離が近づく。
その切り替えの中に、単なる低音歌手ではない面白さがあります。
まとめ
HANA・MAHINAさんの歌い方を支えているのは、低音とラップという二つの技だけではありません。
3.5次審査で声の新しい使い道を知り、特徴的な声を自分が目立つためだけでなく、七人の聞こえ方を変えるために使おうとしています。
高い音まで出るか、声量が大きいかだけでは、この歌唱力は測れません。
歌とラップ、強い曲と柔らかな曲の間を移っても本人の色を残し、次の声まで引き立てることがMAHINAさんの強みです。
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