RUI(STARGLOW)の歌声の変遷|デビュー期に広げた、ハスキーな声の使い方

RUI(2026年掲載の写真) RUI(STARGLOW)
RUI(2026年掲載の写真)

RUIのデビュー期の歌を知るには、ハスキーな声の特徴だけでなく、その声で何を表そうとしてきたかをたどることも大切です。
2021年の「THE FIRST」への参加後、BMSGのTRAINEEとしてレッスンに通い、自分の曲も作ってきました。
うまく作れずに悩んだ初めてのソロ曲と、グループで迎えたデビュー。
その間に、自分の声や言葉への向き合い方は、どのように深まっていったのでしょうか。

STARGLOW「USOTSUKI」(2026年)のMV。

「Diamond」で、自分の気持ちを歌にする難しさを知る

2022年の『15th Dream』に収めた「Diamond」は、RUIが初めて一人で制作に取り組んだ曲でした。
「THE FIRST」の審査で仲間と曲を作った経験はあったため、最初は自分でも作れるだろうと考えていたそうです。
ところが、いざ始めると歌詞もメロディーも出てこない。
当時の取材では、その難しさを率直に語っています。

夜になるとedhiii boiへ電話し、何度も相談したこともありました。
悩んでいた気持ちは、最初に書いた暗い歌詞にも表れていたそうです。
そこでRUIが大切にしたのは、気取ったり曖昧にしたりせず、自分の状況をまっすぐ言葉にすることでした。
仲間からの助言も、その選択を後押ししています。

自分に向けた歌でありながら、同じように悩む人にも届いてほしい。
そんな気持ちで作った曲でした。
当時の精いっぱいを形にした一方、ライブで歌うと、もっとできたのではないかと思う部分も生まれたといいます。
作品にして終わりではなく、人前で歌った経験が、次に作る曲の課題を教えていました。

「Diamond」(2022年)の公式音源。

歌詞を先に読み、どんな歌になるのかを想像する

練習生時代には、さまざまな音楽を聴きながらスタジオへ通い、レッスンを受ける日々を重ねました。
2025年末の取材で、RUIは、その期間があったから音楽を深く知ることができたと振り返っています。

聴き方も、音楽との付き合い方を物語っています。
高校生の頃には幅広いジャンルを聴き、曲を再生する前に歌詞を読むことも多かったそうです。
この言葉にどんな音楽を付け、どう歌うのか。
自分なりに想像してから聴き、その答えに驚くことが好きだと話していました。

同じ取材で「Diamond」などの過去の曲に触れると、今なら作り直したいという気持ちも明かしています。
当時は、どうすれば優しく聞こえるかと、聴き手を意識していた。
そこから離れ、もっと自分の曲作りに集中したいという考えでした。

歌い方を想像しながら他人の作品を聴くことと、自分の作品の届け方を見直すこと。
レッスン以外にも、声や言葉の表し方を考える時間がありました。

RUI(2025年掲載の取材写真/撮影:ティム・ギャロ)。
RUI(2025年掲載の取材写真/撮影:ティム・ギャロ)。
画像出典:QJWeb

自分では慎重に捉えた成長を、仲間は情熱の変化として見ていた

2025年のReal Soundの取材では、「THE FIRST」の頃は歌が安定しないこともあったと振り返っています。
声の変化を強く実感しているわけではない一方、「THE LAST PIECE」の期間には成長を感じたとも話していました。

KANONが注目したのは、RUIの情熱が表に出るようになったことです。
「Secret Garden」の審査後には、冷静さが先に立ち、音楽へ入り切れないと悩んでいたのに、最近のパフォーマンスは違うと評価していました。
本人の慎重な自己評価に、近くで見てきた仲間の実感が重なります。

基礎を固め、「Star Wish」で声に危うさを持たせる

グループ結成からデビューまでの4か月間は、ダンスレッスンやボイストレーニングなど、基礎的な練習をしていたと話しています。
新しい技術は、デビュー後にライブを重ねる中でも身につけていくものと考え、まず基礎を固めることに時間を使ったのです。

2026年1月、STARGLOWは「Star Wish」でデビューしました。
この曲の録音でRUIが思い描いたのは、何か一つだけを信用し、それ以外を愛せずに溺れていくようなイメージでした。

メンバーそれぞれの声がある中で、自分のハスキーボイスには、少し危うさを意識したと話しています。
その声が、5人の歌の中にうまくはまったと受け止めていました。
声の持ち味に、曲を歌う人物の気配を重ねた録音だったのです。

STARGLOW「Star Wish」(2026年)のMV。

「感電」をもう一度歌い、オーディションからの道のりを舞台にする

デビュー後のショーケースには、過去と今を一つの曲でつなぐ場面もありました。
2026年1月31日、横浜BUNTAIでの初日公演でRUIが歌ったのは、米津玄師の「感電」です。
「THE FIRST」と「THE LAST PIECE」の、どちらも2次審査で歌ってきた曲でした。

公式の公演レポートによると、会場のビジョンには、13歳の頃と18歳の頃のRUIが、その曲を歌う姿が映し出されていました。
そして舞台には、STARGLOWとしてデビューしたRUI本人がいる。
同じ曲を歌ってきた時間を、観客と一緒に振り返る演出です。

このときの歌声を、公式レポートは繊細な表情を持つ声として伝えています。
審査で自分を見せるために歌った曲が、今度はデビューを迎えた歩みを伝える曲になる。
「感電」は、活動の節目を結ぶ一曲にもなっていました。

「THE FIRST」2次審査での「感電」(2021年公開)。

「THE LAST PIECE」2次審査での「感電」(2025年)。

「USOTSUKI」では、すでにある声の使い方を増やす

4月発売の「USOTSUKI」では、声の使い方をさらに具体的に語っています。
あえてハスキーにしゃがれさせる声を増やし、冒頭や2番のBメロなどで多く使ったという説明でした。

RUIは、それまでの自分のイメージを、よい意味で裏切って驚かせたいとも話しています。
ハスキーという声の特徴を、どの場面で、どれくらい表に出すか。
持ち味を生かす場所を増やしたことが、この曲での変化でした。

RUI(2026年掲載の写真)
RUI(2026年掲載の写真)。
画像出典:画像掲載元

一方、同じ曲をめぐる別の取材では、歌い方や表情で、そこまで新しいことをした感覚はないとも話しています。
音域が自分にちょうどよく、歌いやすかったというのが、本人の捉え方でした。
新しい曲に挑むことは、いつも未知の技術を覚えることとは限りません。
自分に合う曲の中で、すでにある声の表情を、これまでより前へ出すこともあるのです。

自作曲を歌いながら課題を見つけ、他人の曲では言葉と歌い方の関係を考える。
その積み重ねの先に、曲の人物像に合う声や、しゃがれを生かす場所を選ぶデビュー期があります。
RUIの歩みは、声の個性を知ることと、その個性を曲の中で使うことが、少しずつ結びついていく過程です。
具体的な曲での声の選び方や、メンバーとの歌い分けは、RUI(STARGLOW)の歌い方で取り上げています。

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