TWICEで歌ってきたナヨンにとって、ソロデビューは、1曲を自分の声で歌うことに向き合う機会でした。
2022年の「IM NAYEON」では、その経験に怖さを感じていた彼女が、2024年の「NA」では、自分がステージで表現したい曲を選んでいます。
その間に、何を試し、どんな難しさを引き受けるようになったのでしょうか。
二つの作品をめぐる本人の言葉から、録音と表現の選択をたどります。
ナヨン「POP!」(2022年)のMV。
1曲を1人で歌うことに、怖さがあった
2022年6月のソロデビュー会見で、ナヨンは、人数の多いグループで活動してきたため、1人で曲全体を歌う機会が多くなかったと話しています。
最初は、1曲を自分だけで歌うことに怖さがありました。
そこで経験したのが、ソロ作品の録音と練習です。
歌いながら多くを学び、歌っているときの自分が幸せであることにも気づいたと振り返っています。
曲全体を自分で歌う経験は、歌への気持ちを確かめ直す機会にもなったのです。
「POP!」では、明るいエネルギーを録り直しで整える
「POP!」は、周囲からは彼女に似合う曲だと受け止められていましたが、本人は最初から自信満々だったわけではありません。
録音では、高いテンションとエネルギーを保つのに苦労し、一部を何度も録り直したと明かしています。
ソロでは、自分で進む方向を決める
ソロで引き受けるものは、歌うパートの長さだけではありませんでした。
2作目の「NA」をめぐる取材でナヨンは、グループならほかの8人と話し合い、考えを確かめられる一方、ソロでは自分が進む方向を決めることに重さを感じると説明しています。
どんな歌を自分の声で届けるか、その前にある選択にも、本人の判断が必要になるのです。
最初のアルバムでは、ソロとしてデビューすること自体に重心がありました。
次の「NA」で見せたかったのは、さまざまなジャンルにも取り組める自分です。
最初の作品への期待をそのまま繰り返すのではなく、新しい面を示して挑戦を続けることが、次作に寄せられるプレッシャーに向き合う方法でもありました。

画像出典:tmrw
「ABCD」は、自分がステージで表現したかった曲
2024年6月の会見では、前作で見せた愛らしさに対し、「NA」ではクールで強い一面を見せたいと話しています。
その方向を示す「ABCD」も、初めから当然のように表題曲へ決まっていたわけではありません。
候補はもう1曲あり、本人とスタッフが気に入ったのが「ABCD」でした。
ナヨンはこの曲で自分のパフォーマンスを見せたいと考え、「POP!」との違いも選ぶ理由になったと説明しています。
前作とは違う表情を、曲選びの段階から求めていたことが分かります。
録音では、曲を書いたPdoggと初めて顔を合わせました。
細部までディレクションしてもらえたことを喜び、息も合ったと振り返っています。
自分で望んだ曲を、作り手とのやり取りで具体的な歌へ仕上げていく制作でした。
ナヨン「ABCD」(2024年)のMV。
「NA」では、難しいと感じるスタイルにも向かう
「NA」の録音では、未経験のスタイルや、普段なら難しいと考えるスタイルにも挑みました。
本人は、一度の録音で7時間、休みなくスタジオにいたこともあったと振り返っています。
1曲を1人で歌うことに向き合ったソロデビューから、さらに歌える表現を探っていく段階へ。
2作目にも、慣れた歌い方だけに収まらない挑戦がありました。

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英語曲では、言葉の意味と声のニュアンスを結びつける
「NA」に収められた英語曲「Butterflies」は、お気に入りでありながら、録音が難しかった曲の一つだと話しています。
アルバムの英語の歌詞を正しく理解し、声の調子や感情を伝えるために、分からない単語を調べながら準備しました。
「Butterflies」という言葉が、恋愛のときの高揚感にも結びつく表現だと知ったことも、その取材で挙げています。
言葉の意味をつかむことが、どんな感情を声に持たせるかを考える作業につながっていたのです。
ナヨン「Butterflies」(2024年)の公式音源。
気持ちの余裕と、新しい難しさを持って進む
2作目の時点でも、ナヨンはソロ活動にすっかり慣れたとは話していません。
それでも、初めてのときより気持ちに余裕があり、今回は準備を楽しもうとしたと振り返っています。
新しい面を見せることは楽しくても、簡単になったと言い切れるものではありませんでした。
また、ソロでは1曲の間、自分がステージ全体を担うため、グループより多くのエネルギーが必要だとも話しています。
観客に疲れているように見えないかを気にかけていた点にも、1人で歌い、踊り、見せ続けることの具体的な難しさが表れています。
ナヨンのソロでの歩みは、怖さが一度消えたら終わり、というものではありません。
歌う喜びを確かめた最初の録音から、自分で曲を選び、まだ慣れない表現にも取り組む次の作品へ。
1曲を自分の声で担う経験が、何を歌いたいかを選ぶ経験へと広がっています。
「POP!」「ABCD」「Butterflies」での表現の手がかりは、ナヨン(TWICE)の歌い方で取り上げています。

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