CHISA(XG)の歌声はどう変わった?練習生時代から世界ツアーまでの歌唱変遷

CHISA(XG)の歌声を練習生時代から世界ツアーまでたどる記事のアイキャッチ 高い声の出し方

CHISAさんの歩みを、最初から歌だけで選ばれ続けたエリートの物語として見ると、大切な部分を見落とします。
練習生時代にはダンス評価で下位になり、通常のレッスンから外れた時期がありました。

それでも仲間とロビーで練習を続け、約5年後にはXGのメインボーカルとしてデビューします。
さらに世界ツアー、東京ドーム、Coachellaを経て、2026年には本人が「最大の武器」と呼ぶ声を作品づくりへも使うようになりました。

歌声の最も大きな変化は、単純に高音が伸びたことではありません。
グループへ入るための一技能だった歌が、CHISAという人を記憶してもらうための核になり、やがてXG全体の音楽を作る役割へ広がったことです。

2017〜2018年 歌が得意でも、XGの席は約束されていなかった

XGALXの育成計画が動き始めた後、2017年初めの選考には21人の練習生が集まりました。
CHISAさんもその一人でしたが、歌唱力だけでデビューメンバーが決まる環境ではありません。

2018年の韓国合宿では、CHISAさん、JURIAさん、MAYAさんがダンス評価の低いグループに入り、通常のクラスから外されます。
公開された練習生記録には、三人がロビーで自分たちの課題へ取り組む姿が残されています。

ダンス評価の壁に向き合った練習生時代のCHISA

ここで面白いのは、後にメインボーカルとなる人も、声だけを評価されて前へ進んだわけではないことです。
XGでは歌いながら踊り、複数の言語で表現し、七人の中で自分の役割を変える必要がありました。

この時期の挫折は、声を大きく目立たせることだけではグループに残れないと知る経験でした。
後年、ソロで歌える力と、他のメンバーの声を受け渡す力が同居する背景には、全体の中で自分を機能させる訓練があります。

2019〜2021年 英語と韓国語でも、同じ感情を渡せる声を作った

デビューまでの育成期間はおよそ5年に及びました。
日本語が母語のメンバーが韓国を拠点にし、英語を中心とする曲で世界へ出るという計画は、歌唱練習だけでは成立しません。

CHISAさんは後に、英語や韓国語で日本語と同じように感情を表す難しさを語っています。
発音を正しくするだけでなく、言葉のアクセントをリズムへ置き、知らない言語の音へ自分の気持ちを結び付ける時間が必要でした。

この長い準備期間には、まだ一般の聴き手が比較できる公式歌唱が多くありません。
だから初期の変化を映像から勝手に推測するのではなく、デビュー後に本人が明かした課題と、練習生記録から考えるのが妥当です。

2022年 『Tippy Toes』でデビューし、『Nobody Love』で声の名前を示した

XGは2022年3月に『Tippy Toes』でデビューし、6月に『MASCARA』を発表しました。
七人の歌とラップ、ダンスが一体になる作品では、CHISAさんもグループの一部として世界へ紹介されます。

同年9月の『Nobody Love』では、初めて一人で歌うXG VOXが公開されました。
デビューから半年で、グループの看板だけに頼らず、声だけで一曲を預けられたことになります。

この頃、30年後に覚えていてほしいものとしてCHISAさんが選んだのは、自分の声でした。
誰にも同じ声はないという考えは、技術の順位より、自分の音色を育てる方向へ進んだことを示します。

発声面の現在地は、CHISAさんの英語でも感情を失わない歌い方で詳しく整理しています。
変遷として重要なのは、2022年に「XGの一人」から「声を指名して聴ける一人」へ変わったことです。

2023年 『SHOOTING STAR』の広がりで、英語の声が世界の入口になった

2023年の『SHOOTING STAR』『LEFT RIGHT』は、XGの名前を世界へ大きく広げました。
日本のグループが韓国から英語で発信する形そのものが注目され、練習生時代に向き合った言語の壁が、今度は個性として働きます。

同年の『XGLEE CLUB』では、CHISAさんがMichael Jacksonの『Rock With You』を担当しました。
誰かの曲を高音の見せ場へ変えるのではなく、R&Bのリズムと柔らかい語尾を使い、自分の声がどの音楽へ根を持つかを示しています。

年末の『WINTER WITHOUT YOU』では、七人のボーカルが前面へ出ました。
ダンスと映像の勢いが強い初期シングルとは違い、声の受け渡しだけで曲の感情を保つ場面が増えます。

英語を「海外へ届くための言語」として使う段階から、悲しさや温かさを細かく分ける表現の言語へ変えた年でした。
幾田りらさんがYOASOBIとソロで役割を広げた変遷と比べると、CHISAさんは母語以外のリズムを自分の土台へ取り込んだ点が特徴的です。

2024年 『In The Rain』で、完成した曲を歌うだけではなくなった

2024年、XGはミニアルバム『AWE』を発表し、初のワールドツアー「The first HOWL」を始めました。
公演数が増え、毎回同じ声を再現する力が必要になる一方で、制作ではCHISAさんの役割が一段深くなります。

『In The Rain』では、プロデューサーとともに旋律やアドリブを考えました。
以前なら与えられたパートへ自分の音色を乗せていたところから、自分の声が最も生きる動きそのものを作る側へ進んでいます。

フェイクが増えたことだけを進化と呼ぶのは適切ではありません。
大きな変化は、どんなフレーズを歌うかという決定に、歌い手本人の経験が入ったことです。

この年には三人で歌う『Losing You』も公開されました。
一人で声を記憶させる2022年から、複数人の音色を編み、曲全体の温度を作る2024年へ、ボーカルとしての視野が広がっています。

2025年 47公演と東京ドームで、繊細なR&Bを巨大な会場へ運んだ

最初のワールドツアーは35都市47公演、およそ40万人規模へ広がり、2025年5月の東京ドーム公演で完結しました。
同年4月にはCoachellaのSaharaステージでヘッドライナーも務めています。

大きな会場へ進むと、強い声だけが正解に見えがちです。
しかしXGのセットには、激しいパフォーマンス曲と、声の細かな表情を聴かせる曲が同居します。

CHISAさんに必要だったのは、R&Bの柔らかい語尾を捨ててロック歌手のように押すことではありません。
会場が大きくなっても、小さな声と強い声の差を保ち、七人の中で自分の番が来た瞬間に空気を変えることでした。

練習生時代に「全体の中で役割を果たす」ことを求められた経験が、世界ツアーでは別の規模で試されます。
自分だけが上手く歌うことから、長い公演全体を成立させる声へ変わった時期です。

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2026年 『THE CORE – 核』で、声がXGの音楽観を担うようになった

2026年1月、XGは初のフルアルバム『THE CORE – 核』を発表しました。
流行や一つのジャンルへ縛られず、自分たちの核を音楽にするという作品です。

同年2月からは2度目のワールドツアーが始まり、活動規模はさらに広がりました。
CHISAさんは、人生経験が深まれば声の表現も深くなり、表現には限界がないという考えを語っています。

THE CORE期に表現の幅を広げたCHISAとボーカルメンバー

『4 SEASONS』では、歌の巧さを一人ずつ切り離すより、複数の声が季節のように場面を変える構成が前へ出ます。
『HYPNOTIZE』を含むアルバム全体でも、CHISAさんの声は「高音担当」という固定席だけに収まりません。

現在の変化を完成形と決めるのは早いでしょう。
本人が声を武器と呼びながら、その武器は経験によってまだ深くなると考えているからです。

変わらないのは、声を自分だけのものとして残したい気持ち

ダンス評価で外された練習生時代、英語で感情を伝える準備、ソロ歌唱、制作参加、世界ツアーと、CHISAさんの役割は大きく変わりました。
それでも、自分と同じ声は誰にもないという考えは2022年から一貫しています。

初期には、その声を聴き手へ知ってもらうことが目標でした。
現在は、自分の声を使って旋律を作り、他のメンバーをつなぎ、XGという音楽の核を表す段階へ進んでいます。

越智志帆さんが活動休止や復帰を経て声の役割を選び直した変遷にも、声を大きくするだけではない進化が見えます。
歌手の変化は最高音の更新ではなく、何のためにその声を使えるようになったかで考える方が、本質へ近づきます。

まとめ

CHISAさんの歌声は、約5年の練習生期間を通じて、歌が得意な一人の声から、七人の中で役割を変えられる声へ育ちました。
2018年にはダンス評価の壁にぶつかりましたが、2022年の『Nobody Love』で声そのものを指名して聴ける存在になります。

2023年には英語のR&B表現が世界への入口となり、2024年の『In The Rain』では旋律やアドリブの制作にも参加しました。
2025年の世界ツアーと東京ドームを経て、2026年の『THE CORE – 核』では、声がグループの音楽観まで担っています。

最大の変化は、より高く歌えるようになったことではありません。
一度は全体の評価で後ろへ下がった練習生が、自分だけの声を見つけ、その声でXG全体を前へ進められるようになったことです。

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