ウォンビン(RIIZE)の歌い方|温かみのある声が、旋律・ラップ・ハーモニーで担う役割

2026年8月公開の取材に登場したウォンビンのポートレート ウォンビン(RIIZE)
2026年8月公開の取材に登場したウォンビンのポートレート

ウォンビンの歌声は、温かみのある音色と、曲に応じて役割を変える柔軟さが魅力です。
旋律を歌う声だけでなく、ラップで流れを動かす声、仲間と重なる声にも、その働きが表れます。
RIIZEの歌を一人ずつ追っていくと、声の個性は、目立つ長いパートだけに宿るわけではないことが分かります。
ウォンビンがどの場面で歌に入り、何を担うのかを見ると、その持ち味がつかみやすくなります。

温かみを持つ音色と、中音域から高音域へ届く声

ウォンビンの音色には、少しくぐもった柔らかな温かさがあります。
その声で中音域から高音域まで歌い、自分の声だと分かる個性をつくっています。
高い音を出せることと、その音をどんな質感で届けるかは、別々に見る必要があります。
ウォンビンの場合は、音域の幅とともに、この温かさが声を見分ける手掛かりになります。

ここで注目したいのは、柔らかな質感のまま、どんな旋律や場面を引き受けるかです。
音色を一言で表して終えるより、伴奏のあるグループ曲と、一人で歌う場面を並べると、声の働きが分かりやすくなります。

例えば、2024年7月31日の横浜公演で短く歌った「奏」では、澄んだ伸びやかな声を聴かせました。
これはスキマスイッチの曲を、伴奏なしで披露した場面です。
普段から親しんだ旋律を自分の声で届けることで、踊るグループの一員という姿とは別に、一人で歌を成立させる力が表れました。

2024年3月に日本版が公開された取材のウォンビン/写真:JANG DUK HWA
2024年3月に日本版が公開された取材のウォンビン/写真:JANG DUK HWA。
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伴奏がなくなると、聴き手の注意は、一人の声が運ぶ旋律へ集まります。
グループ曲の中では短いパートで感じていた声の個性が、ここでは歌そのものを支えます。
温かさという音色の特徴に、旋律を届ける力を重ねて見ると、ウォンビンのボーカルを捉えやすくなります。

「Get A Guitar」の歌い出しと、間奏のフェイク

ウォンビンは「Get A Guitar」の魅力を、ドライブしながらでも楽しめる、気楽に聴けるところだと考えています。
一方、「Talk Saxy」では、力強いパフォーマンスが自分たちに合っていると話しました。
同じグループでも、聴き手を心地よく誘う曲と、強い印象を出す曲では、前に出す表現が変わります。

「Get A Guitar」を歌って踊るときや、ギターを演奏するとき、本人はロックスターになったつもりで取り組むといいます。
聴きやすい曲だから、歌う側まで控えめになるわけではありません。
楽曲の親しみやすさと、ステージに立つ人の自信が一緒にあることが、この曲を表現するウォンビンらしさです。

「THE FIRST TAKE」での「Get A Guitar」では、ウォンビンの歌声が曲の入口になります。
そして、普段のステージではダンスの見せ場になる間奏で、ウォンビンはフェイクを入れています。
歌に節回しを加える声が、踊りとは違う方法で、その空間を満たす場面です。
続くソヒの高音なども含め、声の持ち味を順に渡しながら、一曲を盛り上げています。

同じ曲でも、演奏する場面が変わると、注目する箇所が変わります。
歌い出しでは、曲の第一印象を担う声。
間奏では、すでに始まった流れへ表情を加える声。
ウォンビンの歌は、声の質感に加えて、こうした一曲の中の役割からも味わえます。

旋律を支える声と、ラップで舞台を動かす声

力強い歌唱の場面では、2023年のMAMA AWARDSで披露した「Rising Sun」が手掛かりになります。
東方神起の曲を受け継ぐステージで、ソヒとウォンビンの歌がパフォーマンスを支えました。
温かい音色に加え、力強い曲を担う歌唱も、ウォンビンの持ち味です。

2024年2月の「SMTOWN LIVE」でも、この曲を東方神起と披露しました。
歌い出しの高音をソヒが担当し、その次をウォンビンが歌い継いでいます。
ソヒが届けた声を受け、ウォンビンが次の歌へ進める構成です。
強い曲の中でも、誰がどこで受け渡すかを見ると、ウォンビンの役割が具体的になります。

Rising Sun(2023年11月28日・MAMA AWARDS)

一方、2026年の東京ドーム公演で歌った「Siren」は、ウォンビンの軽快なラップで始まりました。
旋律を長く歌い上げる場面とは違い、ここでは言葉をリズムに乗せて、公演の勢いを進める役割があります。
同じウォンビンの声でも、歌い出しに置かれるラップは、その後のパフォーマンスへ観客を引き込む入口になります。

「Siren」の録音を振り返ったショウタロウは、スタジオで互いに深い声を出すよう励まし合ったと話しています。
歌手それぞれの元の音色に加え、曲の勢いに合わせて、どんな声を出すかを探っていたのです。

ラップの軽快さと、録音で求めた声の深さは、別の要素です。
前者は言葉が進む感触、後者は音色をどうつくるかに関わります。
高い旋律を歌えることに加え、こうした曲ごとの声の方向へ合わせられることも、グループの歌唱を支えています。

「Insomnia」で分かる、声が入る場所と重なる相手

「Insomnia」では、ソヒの穏やかな導入の後、ウォンビンの最初のヴァースでビートが入り、雰囲気が変わります。
アントンはそこを、曲へ入り込める印象的な箇所として挙げました。
また、ウンソクとアントンに続き、ウォンビンとショウタロウが組んで歌う部分があります。
ウォンビン自身も、自然に声が重なることで、感情へ集中しやすいと話しています。

この曲では、声と伴奏の関係が、歌の流れを動かしています。
どの声の後に入り、そのとき伴奏がどう変わるのか。
一人で歌うのか、誰かと歌うのか。
その組み合わせによって、同じ歌手の声が担う仕事も変わります。
ウォンビンの歌唱を見るうえで、声量や高さだけでなく、曲の中で声が現れる位置も大切になる例です。

2025年11月公開、ツアーでの経験を語った取材のウォンビン
2025年11月公開、ツアーでの経験を語った取材のウォンビン。
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「Same Key」では、ウォンビンは客席の一人ひとりを見つめながら歌うといいます。
歌を受け取る相手が、目の前にいる一人としてはっきりする場面です。

本人は、歌やダンスの細部を考え、最近は余裕も表現しようとしていると話しています。
準備した小さな動作にも客席が反応する瞬間は、大きな喜びだといいます。
細部を整えることと、その場の相手へ届けることが、舞台でつながっています。

温かみのある声を持ちながら、その声をいつも同じ形で前へ出すわけではない。
旋律を伸ばす場面、ラップで動かす場面、ほかの声と重なる場面で、曲への関わり方が変わります。
そこに、ウォンビンの歌い方の幅があります。
こうした表現を舞台で増やしてきた経緯は、ウォンビン(RIIZE)の歌唱変遷でたどっています。

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