ウォンビンの歌をたどると、舞台に立つことへの憧れが、そこで何を届けたいかという問いへ変わってきたことが分かります。
RIIZEのデビューから数年の間にも、歌う曲だけでなく、客席の捉え方や、表現に力を込める場所が広がりました。
鮮烈な登場の後に、何が積み重なったのでしょうか。
初期の歌と舞台、初のフルアルバム、そして声の重なりを生かす作品を順にたどります。
歌う自信を得た少年が、2023年の初舞台へ
学生時代のウォンビンは、友人とのカラオケでも、一人だけ歌わずにいたことがありました。
緊張しながら歌い、友人が歌のうまさに驚いたことで自信がつき、歌う機会が増えたといいます。
十歳の頃には、父が弾く姿にひかれてギターも始めていました。
子どもの頃に親と聴いていたのは、キム・グァンソクやマイケル・ジャクソンの音楽です。
英語が分からない頃は、聞こえた発音を韓国語で書き留めて歌っていました。
歌やギターを楽しむ気持ちの先にスカウトがあり、本格的に芸能の道を進むことになります。
舞台を一つずつ経験する中で、自分にもできることを発見し、次の目標が増えていったと振り返っています。

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2023年8月のKCON LAは、ウォンビンにとって初めての舞台でした。
大舞台への期待と怖さが入り交じる中、「Siren」では高揚感を、「Memories」では感傷的な気持ちを味わったといいます。
同じ初舞台の中でも、曲が変われば、自分の中に生まれる感情は違っていました。
デビュー曲の親しみやすさから、力強い表現へ
2023年9月のデビューシングル「Get A Guitar」は、練習生として過ごした時間を背景に持つ作品です。
表題曲では、ギターの音をきっかけに集まった仲間が、音楽を通して理解し合う姿を描きます。
ともに収められた「Memories」には、同じ夢へ向けて準備を重ねた記憶と、新しい世界へ踏み出す若さが込められていました。
初期からRIIZEの音楽を支えていたのは、複数の声を重ねる歌でした。
「Memories」のサビでは、ギターやシンセサイザーの響きに、明るいハーモニーが加わります。
「Get A Guitar」でも、声の幅と滑らかな重なりが、曲に厚みを与えています。
ウォンビンが入ったのは、個々の声を聴かせながら、重なりでも魅力をつくるグループだったのです。
続く「Talk Saxy」では、力強いパフォーマンスへ表現を広げました。
ウォンビンは、この曲が自分たちによく合い、表情や身振りも見せやすかったと話しています。
親しみやすいデビュー曲の延長だけでなく、別の強さを出せる曲に出会ったことが、活動初期の幅になりました。
同年のMAMA AWARDSでは、東方神起の「Rising Sun」を披露するステージにも参加しています。
ソヒとウォンビンのボーカルは、力強い原曲を引き受けるパフォーマンスを支えました。
自分たちの新曲で魅力を示すだけでなく、すでに知られた先輩の曲を担う場にも、歌の見せ場があったのです。
2024年、曲を覚える経験が、客席へ歌う経験になる
2024年には、ミニアルバム「RIIZING」や日本での活動を通して、歌う作品が増えていきます。
本人も、さまざまなジャンルを準備する中で、歌とダンスの成長を感じたと話しました。
「RIIZING」に収められた「Honestly」では、かつて大切だった相手へ最後の別れを告げ、自分自身を大切にする気持ちを表そうとしたといいます。
出会いや仲間との青春を歌う初期曲から、関係を終えるときの感情へ。
経験したジャンルの幅は、曲調だけでなく、歌の中で引き受ける心情の幅でもありました。
7月31日の横浜公演では、好きな日本語の曲を尋ねられ、スキマスイッチの「奏」を挙げています。
練習生時代から聴いていたこの曲を、その場で短くアカペラで歌いました。
伴奏に支えられない場面でも、伸びやかで澄んだ歌声を届けています。
大きな舞台で準備した曲を披露することと、会話の中から一人で歌い始めることでは、声が置かれる状況が違います。
後者では、歌い手の声と旋律が、より直接的に客席へ届きます。
好きで聴いていた歌を、今度は自分が人前で歌う。
日本での活動には、新曲を届けることに加え、こうした個人の音楽とのつながりが表れる場面もありました。
日本語曲「Same Key」では、ファン一人ひとりの目を長く見つめながら歌うといいます。
その場の空気と客席の表情は、よい記憶として残っていました。
Same Key(2024年公開・パシフィコ横浜公演)
2025年、曲の蓄積が長いステージを支える
2025年5月には、初のフルアルバム「ODYSSEY」を発表しました。
それまでの短いカムバック間隔に比べ、ウォンビンは充実した準備期間を過ごせたといいます。
曲数が増えたことで、ツアーでは、より集中して入り込めるパフォーマンスができるようになったとも話しています。
一曲の中で持ち味を示すことと、何曲も続く公演で表現を重ねることは、同じではありません。
作品が増えれば、歌う声の表情も、一つの曲調だけでは収まりません。
ウォンビンが感じた集中の深まりは、曲が増えたことを単なる持ち時間の拡大ではなく、舞台で表現できる範囲の広がりとして受け止めていたことを示しています。
その時期、歌っていて心に響く曲として選んだのは「The End of the Day」でした。
また、会場が大きくなるにつれ、ファンのペンライトのオレンジ色が広がることに幸福を感じたといいます。
歌を届ける相手の存在は、規模が拡大しても、舞台の中心にありました。
2026年、力を込めるだけでなく、余裕も表現する
2026年夏、ウォンビンは、歌うときも踊るときも細部を考えていると話しました。
7月の日本でのファンミーティングなどでは、以前のように力を入れるだけでなく、余裕のあるパフォーマンスを意識したといいます。
経験を積んだ今だからこそ、落ち着いた見せ方にも目を向けていました。

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同年6月の「Do Your Dance」では、サビの動きで力を抑え、余分な動作を減らす点を挙げています。
これは振り付けの説明ですが、舞台全体をどう見せるかという考え方の例になります。
また、アントンは、録音やパフォーマンスについてメンバーが意見を出しやすくなったと話し、ウォンビンも提案した一人に挙げました。
与えられたものを形にする経験に、自分たちから案を出す経験も重なっています。
デビュー三周年を迎えた9月には、本番で小さな問題が起きても、どう対応するかを以前より素早く判断できるようになったと話しています。
練習と実際の現場が違うことを知り、その違いにも対応する。
余裕は見せ方の目標だけでなく、経験を通じて身についてきたものでもありました。
10月26日公開の「Insomnia」では、アコースティックな曲の中で、声の重なりが前へ出ます。
ウォンビンは、ただ元気づけるだけでなく、聴く人が孤独を含め自分の感情を感じられる歌になってほしいと話しました。
初舞台で自分が受け取った高揚や感傷から、客席の一人ひとりを見つめる歌へ。
さらに、聴き手が自分の感情に向き合う時間をつくる歌へ。
ウォンビンの変遷は、声の高さが増したという説明より、歌を通して差し出せる感情が広がった歩みとして見ると鮮明になります。
温かい音色や、曲の中で担う声の役割は、ウォンビン(RIIZE)の歌い方で掘り下げています。







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