BABYMONSTERのアヒョンを知る入口になった「Dangerously」のカバー。
その曲は、最初から順調に決まっていたわけではありません。
別の曲で多くの持ち味を見せようとしたあと、選曲をやり直してたどり着いた一曲でした。
その後には、録音中の提案で形が変わった「DRIP」の高音があり、初めてのワールドツアーで再び歌った「Dangerously」があります。
どこまで高い声を出せるかとともに、曲の中で何を見せ、客席と何を交わすか。
デビュー前からの選択をたどると、アヒョンの歌が広がってきた道筋が見えてきます。
2023年、持ち味を詰め込む選曲から「Dangerously」へ
2023年2月に公開された紹介企画で、アヒョンは一つのジャンルに限られないアーティストを目指していました。
歌、ラップ、ダンスを備え、月末評価にも積極的に向かっていた練習生です。
多くのことができるからこそ、一つのステージに何を持っていくかが課題になりました。
デビューメンバーを決める企画「Last Evaluation」のソロ課題で、最初に選んだのは「I DID IT」です。
自分で作ったラップも加えて準備しましたが、中間点検では欲張りすぎた選曲だと指摘されました。
いったんやり直すことになった彼女は、気持ちを立て直し、まだ挑戦したことのなかったタイプの曲「Dangerously」を選びます。
この経緯を知ると、あのカバーは得意技を披露するだけの場ではなかったと分かります。
一度組み立てた内容を手放し、別の曲で自分の声を生かす方法を探した結果でもありました。
本人が示したかった新しい姿が、選曲という具体的な行動につながっています。

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強い声と柔らかな声を、一曲の流れにする
2023年4月に公開された「Dangerously」では、重みのある地声と柔らかな裏声を行き来し、高音へ向かう起伏が注目されました。
声の大きさや高さと、曲の表情を変えることが結びついた、初期を代表する歌唱になりました。
同じ評価企画では、七人で声を合わせる課題にも取り組んでいます。
「Scars To Your Beautiful」の準備では、アヒョンが細かな助言をし、ハラム、のちのラミが歌を引っ張りました。
一人で能力を示す課題から、ほかのメンバーが歌いやすい状態を一緒に作る課題へ。
この二つを経験していることも、初期の彼女を考えるうえで欠かせません。
2024年、七人の声へ加わった意味
アヒョンは健康上の理由で活動を休み、2023年の「BATTER UP」と2024年初めの「Stuck In The Middle」は六人で発表されました。
彼女が加わった正式デビューは、2024年4月のミニアルバム「BABYMONS7ER」です。
このアルバムには先の二曲の七人版も入り、グループとしての歌声を改めて提示しました。
その時期、アヒョンが勧めていた曲の一つが「DREAM」です。
「SHEESH」や「BATTER UP」とは違う叙情的な曲で、練習生時代の物語が込められているからこそ、より感情的に届くと考えていました。
強い曲で存在感を示す場面に加え、自分たちが過ごした時間を、柔らかな曲で伝える場面も大切にしていたのです。
初めての音楽番組を振り返った場面では、体が震えるほど緊張したことも明かしています。
評価する人の前で歌ってきた経験があっても、正式にデビューしてファンの待つ舞台へ出るのは別の出来事でした。
この緊張の記録は、後年に客席から力をもらえると語るようになる姿と並べると、いっそう印象に残ります。
「DRIP」の高音は、録音の途中で変わった
2024年11月の「DRIP」で際立つ、段階を上がっていく高音。
本人によれば、当初は音を安定して伸ばすパートで、三段に上がる形ではありませんでした。
ヤン・ヒョンソクの提案を受けて二段になり、さらに三段へと変わったのです。
アヒョンは、それまで練習してきたことを見せようと取り組み、三、四テイクほどで録り終えたと振り返っています。
高い声を使えることが、制作側とのやり取りによって曲の見せ場になった例です。
もともとの旋律を歌う段階から、その場で増えた要求に応え、完成形を作る段階へ。
一方、同じアルバムのもう一つの表題曲「CLIK CLAK」では、七人全員がラップを担当します。
アヒョンは、こちらでは飾りすぎない魅力を見せ、「DRIP」では一緒に踊って楽しめる雰囲気を出したいと説明していました。
作品全体では、能力を強く見せる場所と、引き算して曲の空気を作る場所が並んでいます。
2025年、再び「Dangerously」を歌う舞台へ
2025年1月の初ワールドツアー、ソウル公演では、「Dangerously」がアヒョンのソロ曲として戻ってきました。
1月26日の公演でも、地声と裏声を使った歌唱が取り上げられています。
グループの曲をバンドと届けるコンサートの中に、デビュー前から彼女を知る一曲が置かれたのです。
同じ曲が選ばれても、その役割は変わっています。
評価企画では自分の可能性を示す課題だった曲が、今度は大きな会場で観客と向き合うソロの時間になりました。
すでに持っていた表現を、違う規模と関係の中で使う広がりが見えてきます。

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2025年の取材では、アヒョンはファンの応援を感じることで自信が増し、普段は出せなかった声が舞台で出ることもあると話しています。
本人にとって舞台は、練習してきたものを出すと同時に、思いがけない力を感じる場所にもなっていました。
デビュー直後の緊張と、舞台で支えを受け取る感覚の両方を知ると、ライブを重ねる意味が具体的になります。
2026年、曲ごとの表情をライブの声につなぐ
2026年の「CHOOM」をめぐっては、曲ごとに異なる雰囲気を舞台にも出すことを意識していました。
生の歌声とパフォーマンスが自然につながるよう練習し、表情や細部にも取り組んだとアヒョンは説明しています。
声の一部分が目立つ瞬間だけでなく、一曲全体をどう届けるかへと視線が向いています。
同年の別の取材で、制作工程の中でも特に好きだと挙げたのはライブでした。
客席の声や目の前の反応にはリハーサルで得られない力があり、同じ曲でも公演ごとに新鮮に感じるというのです。
歌を完成した録音として持つだけでなく、その日の客席と歌い直せることが、今の楽しみになっています。
選曲をやり直した「Dangerously」、提案に応じて形を変えた「DRIP」、観客との間で毎回違う経験になるライブ。
アヒョンの変化は、声の持ち味を増やすことと、その使いどころを学ぶことが重なった歩みとして捉えられます。
曲や場面ごとの声の選択は、アヒョン(BABYMONSTER)の歌い方で詳しく取り上げています。

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