LEO(BE:FIRST)の歌い方|爽やかな声を、一つの表情で終わらせない

2025年6月、「BLUE」が使われたCMのLEO LEO(BE:FIRST)
2025年6月、「BLUE」が使われたCMのLEO

LEOの歌の魅力を、爽やかな声という言葉だけで説明すると、見落としてしまうものがあります。
同じ曲の始まりと終わりで気持ちを変え、仲間の歌を聴いて録り直し、ときには荒い声も選ぶ。
声の持ち味を、そのまま出すだけではないのです。
BE:FIRSTの曲とソロ作品を手掛かりに、どの場面でどんな声を必要としているのかを見ていきます。

「Bye-Good-Bye」の始まりと終わりを、違う気持ちで歌う

「Bye-Good-Bye」でLEOは、歌い出しと締めくくりの両方を担っています。
本人が意識したのは、入り口の切なさから、最後の明るさへ表情を変えることでした。
同じ声で曲の両端を担当していても、同じ気分のまま歌い切るつもりではなかったのです。

発声についても、声を出す位置や、そこから下ろしていく感覚に発見があったと説明しています。
踊りながらの歌唱には難しさがあり、動く中で声をどう出すかを工夫していました。
声の出しやすさと、踊りながら表情を届けることを、同時に探っていたのです。

この曲で注目したいのは、明るい声そのものより、その明るさにたどり着く流れです。
最初に残す切なさがあるから、終わりの前向きさにも意味が生まれる。
発声の工夫と、曲の中で気持ちを進めることが、別々の課題になっていません。

仲間の歌を聴いて、自分の歌をもう一度選ぶ

「Moment」の録音では、一度自分の歌を録った後、ほかのメンバーの歌を聴いて録り直しています。
LEOは、歌い方にも変化や挑戦を加えた曲だと振り返りました。
最初の録音を、自分の中だけで完成形と決めなかったのです。

この出来事から見えてくるのは、グループの歌で考えるべき単位です。
自分のパートがうまく歌えているかに加えて、前後に別の声が置かれたとき、曲としてどうつながるかがある。
録り直しは、ほかの人の声が入った全体を受けて、自分の歌を選び直す作業でもあります。

LEOの柔らかさを考えるときも、声が柔らかいという性質と、その曲で柔らかさをどのように使うかは分けておきたいところです。
同じ声でも、周囲との組み合わせが変われば、受け持つ役割が変わる。
グループで歌う人の表現は、一人分の音域や声量だけでは捉えきれません。

荒い声も、柔らかなR&Bも、曲に合わせた選択

「Scream」では、LEOのがなるような声が一つの聴きどころになります。
柔らかな声を持つことと、すべてを柔らかく歌うことは同じではありません。

一方、「Softly」ではMANATO、RYUHEI、JUNONとの四人で歌唱しました。
Full Of HarmonyのHIROの指導を受け、LEOはR&Bの歌唱にも学びがあったと話しています。

二曲を並べると、強い歌手になることを、いつでも強く押し出すことと結びつけずに考えられます。
曲の世界に合う荒さを選ぶ場面と、複数の声で歌を作る場面がある。
曲調が変わっても同じ力加減を押し通すことが、LEOの個性なのではありません。

2022年『BE:1』取材時のLEO
2022年『BE:1』取材時のLEO。
画像出典:画像掲載元

手本を聴き、別の歌い方も録ってみる

「Smile Again」の制作では、橘慶太が歌って示すディレクションを受けました。
共に録音したMANATOは、手本をヘッドフォンで聴き、すぐ自分の録音に移れることが大きかったと説明しています。

LEOも、SKY-HIと橘慶太が話し合い、違う案を順に録ってみる進め方を振り返っています。
一つの歌い方を最初から正解と決めるのでなく、実際に声にして、曲に合う表現へ近づけていました。

この曲について、LEOは悲しさとはかなさを含みながら、前向きさも表す歌だと捉えています。
切ない曲だから声を暗くする、明るい内容だから勢いよく歌う、という一対一の対応ではありません。
一つの歌の中にある違う気持ちを、声で引き受ける必要があります。

「Bye-Good-Bye」で曲の始まりと終わりを歌い分けることからも、同じ関心が見えます。
声の印象を一つに決めず、その言葉をどんな気持ちで届けるのかを考える。
録音で別の案を試す時間は、その細かな選択を探す時間でもあります。

「Genesis」で求められた、慣れた声の先

「Genesis」は、LEO、SOTA、JUNONのユニット曲です。
柔らかな「Softly」とは異なる方向へ進み、LEOは録音に過去最も時間をかけたといいます。
JUNONも、LEOのパートにAile The Shotaらしい特徴と難しさを感じていました。

この例は、声色の幅を考えるうえで大切です。
違う曲を歌うことは、同じ声に別の歌詞を乗せるだけでは済まない。
自分の得意な響きや歌い回しのままで収まらないときに、どう曲の要求へ近づけるかという課題があります。

ソロでは、一人の声で曲の楽しさを受け持つ

「I just wanna be myself」は、LEOの伸びやかで力のある歌を、軽快な曲調の中に置いたソロ曲です。
自分を大切にして生きるという内容を、親しみやすいメロディーで届けています。
強さがあっても、聴き手を身構えさせる方向ばかりに使うわけではありません。

グループ曲では、次のメンバーへ歌を渡すことを含めて、一つのパートを考えます。
ソロになると、一曲の流れを自分の声で引き受けることになる。
LEOの爽やかさを、別の声との対比だけでなく、一曲を導く魅力として受け取れる作品です。

JUNONと歌う「BLUE」では、二人でラブソングを作ろうと話したことから制作が始まりました。
LEOは、大切な人が隣にいると日常が特別になるという内容を歌詞の方向に選んでいます。
一人のソロとも、大人数の曲とも違う、二人の歌として形にした作品です。

こうした編成の違いも、歌い方を知る手掛かりになります。
同じ人の声を、ソロ、二人、大人数という違う組み合わせでたどると、何を歌うための明るさなのかが見えてくる。
爽やかさを、単なる声の色で終わらせず、曲の内容や相手との関係まで含めて捉えられます。

支えることと、前へ出ることを両方選ぶ

LEO自身は、ライブでの個性を、周囲が自由に動ける安定感として説明しています。
誰かが前へ出たときは支え、誰も出ないときには自分が動く。
いつも引いた立場にいるという意味ではなく、全体を見て役割を変える考え方です。

「Bye-Good-Bye」で曲の感情を進めることも、「Moment」で仲間の歌を受けて録り直すことも、その姿勢と重なります。
自分の声を知りながら、曲の中で必要な表情を選ぶ。
LEOの歌い方の魅力は、爽やかな持ち味と、その持ち味だけにとどまらない選択の両方にあります。
その選択肢が増えてきた過程は、LEO(BE:FIRST)の歌唱変遷でたどれます。

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