BE:FIRSTのLEOには、明るく爽やかな歌声の印象があります。
けれど、その声だけを守り続けてきたわけではありません。
録音で荒い表情を出すようになり、難しいユニット曲に時間をかけ、ソロでは自分らしい楽しさを歌う。
その歩みをたどると、元の持ち味を残しながら、歌える表情を増やしてきたことがわかります。
歌を続けるための挑戦と、「Be Free」で得た安心感
LEOは高校時代から育成の場で音楽に取り組んでいました。
長く夢を追う中で、それまでいた場所を離れ、2021年のオーディション「THE FIRST」に挑みます。
同世代が社会に出ていく年齢で、自分もこの挑戦に区切りをかけていました。
審査では、藤井風の「もうええわ」や平井大の「GIRL FRIEND」を歌っています。
SKY-HIからは表現の魅力を認められる一方、基礎の技術に改めて向き合うよう促されました。
人に伝わる雰囲気を持っていることと、それを歌として安定して届けること。
その両方が、デビュー前から課題になっていたのです。
合宿二次審査の「Be Free」では、歌唱に悩んだ時期もありました。
本人が転機として挙げたのは、SKY-HIに相談し、受け止めてもらえたことです。
年下の参加者が多い中で気を張っていたLEOは、安心できる相手を得て、歌に集中しやすくなったと振り返っています。
最終審査では、曲を支える存在としての役割も伝えられました。
自分のパートで目立つだけでなく、全体を見ながら歌やチームを支える。
後に本人が語る、ステージでの自分の役割につながる出発点です。

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丁寧な録音の歌から、「Scream」の荒い表情へ
2021年11月、BE:FIRSTは「Gifted.」でメジャーデビューします。
LEOは、他のメンバーの声も入った録音を聴き、攻めた曲で世に出ることを実感したと話していました。
グループの音楽を、多くの人に届くものにしなければならないという意識も強まったといいます。
その頃、RYUHEIはLEOの声を、きれいで爽やかなところが魅力だと捉えていました。
曲に合ったときに聴き手を引きつける、その人ならではの声です。
ただ、その持ち味は、以後の歌唱を一種類に固定するものにはなりませんでした。
2022年の「Scream」は、録音での表現が広がった節目です。
それまで音源では丁寧に歌うことが多かったLEOは、ここから声の種類が増えたと感じていました。
フェス出演やレッスンで得た新しい感覚が、録音にも現れたと振り返っています。
曲に応じて荒さも選べるようになると、爽やかな声とは違う角度から、自分を表現できます。
ここで変わったのは声の印象だけでなく、作品に残す表情の幅でした。
フェスで知った、客席を迎えることと引っ張ること
2022年の「VIVA LA ROCK」で、LEOはVaundyの客席への働きかけに強い刺激を受けています。
自分たちは心を開いて聴き手を迎えにいく一方、相手を引っ張る力も必要だと考えるようになりました。
その経験が、自分の歌や書く言葉にも影響したと話しています。
これは、荒い声を出せるようになったことと並べて考えたい変化です。
歌の表情を強めることには、曲の激しさに合わせるだけでなく、まだ自分たちを知らない人へ踏み出す意味もある。
柔らかさを捨てるのではなく、客席や作品に合わせて、こちらから前へ出る場面を持つようになったのです。
「Smile Again」で、歌手の手本を受け取る
2023年の「Smile Again」では、LEOははかなさや悲しさと、前向きさがともにある曲だと説明しています。
自分の過去のある時間や場所を思い出すような歌として、聴き手へ届けようとしていました。
荒い表現が加わった後も、繊細な気持ちを歌う方向は続いています。
録音では、w-inds.の橘慶太から歌を交えた指導を受けました。
LEOは、その手本に感動したと話しています。
自分の声を増やす方法は、ひとりで感覚を探すことだけではありません。
歌える人が目の前で示す表現を受け取り、録音の中で自分の声にしていく。
デビュー後も、曲を作る時間そのものが学びの場になっていました。
『2:BE』で深まった手応えと、「Genesis」の難しさ
2024年のセカンドアルバム『2:BE』について、LEOは前作との違いを説明しています。
『BE:1』では背伸びをしながら試していたことが、今回は自分たちの音楽として形にできたという手応えでした。
挑戦する曲の種類を増やす段階から、その曲を自分たちの表現として引き受ける段階へ進んだのです。
制作の進め方にも違いがありました。
「Mainstream」など、すでに強く打ち出した曲があったからこそ、アルバムでは別の表情を加えられたとLEOは話しています。
リード曲に選んだ「Blissful」の明るさも、そうした幅の中にあります。
強い曲を重ねるだけで、グループの姿を示そうとしていたわけではありません。
一方、SOTA、JUNONと組んだ「Genesis」では、LEOはそれまでで最も録音に時間をかけたと明かしています。
二人もLEOのパートの難しさを認めていました。
すでに実績を重ねた後でも、慣れた歌い方で通せる曲ばかりを選んでいたわけではないのです。
できることが増えたという手応えと、まだ難しい曲に向き合う時間は、同じアルバムの中にあります。
成長したから迷わなくなった、という一直線の話にはなりません。
自分の声で引き受ける曲が広がるほど、新しい課題にも出会っていました。
ソロ曲で、一曲を通して自分らしさを届ける
2024年には、ソロ曲「I just wanna be myself」も披露します。
緑黄色社会の穴見真吾をプロデューサーに迎え、LOARとLEOも制作に参加した曲です。
ファンクの軽快さと親しみやすいメロディーを、自分らしく生きるという内容に結びつけています。
この曲は「BMSG FES'24」で披露され、10月にはスペシャルビデオが公開されました。
同月のテレビ出演でも、一人でパフォーマンスを届けています。
グループの中の一つの声として知られてきたLEOを、一曲を通して知る機会になりました。
ここでは「Scream」で見せた荒さや、「Genesis」での挑戦だけを成長の物差しにしないことが大切です。
柔らかな親しみやすさも、一人で曲を担うときには中心となる個性になります。
難しい表現を増やすことと、もともとの持ち味を大きく見せることが、並んで進んでいるのです。

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過去の声を残しながら、次の表現へ
2025年のベストアルバム『BE:ST』を振り返り、LEOは昔の曲を録り直していないため、声にも当時の若さが残っていると話しました。
過去の録音を今の声で塗り替えず、出発点からの歩みを残した作品なのです。
2026年初めには、前年の多くのライブを経て、振り付けも歌の技術的な要求も高まったと語っています。
同時に、その先は創作にもさらに力を入れ、自分たちの音楽を練り直していきたいという考えを示しました。
舞台で歌う量が増えたことを、次の制作につなげようとしていました。
同年、LEOはメンバーと喜びや苦しさを乗り越えたことで、グループへの安心感が強くなったとも話しています。
歌に悩みながら誰かに支えてもらったデビュー前から、今は仲間とともに大きな舞台を担う立場になった。
その違いも、歌手としての時間を感じさせます。
さらに2026年のEP『WATCH ME』では、海外へ向けて何を歌うのかという選択にも関わっています。
LEOは、集まった曲から今の自分たちが出すべきものを話し合ったと説明しました。
日本語も大切にするという制作側との共通認識を持ちながら、これまで築いた表現を外へ届けようとしています。
LEOの変遷は、爽やかな声が別の声に置き換わった歴史ではありません。
荒さを加え、難しい曲を引き受け、自分らしさを一曲全体で届ける場を持つようになった歴史です。
その表現を曲ごとの選択として見ると、柔らかさも強さも、同じ歌手の中につながってきます。
具体的な歌い分けは、LEO(BE:FIRST)の歌い方で取り上げています。

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