ジェヒョンは、歌を作るようになって、自分がどんな音楽を好み、何を感じる人間なのかが分かってきたと話しています。
歌唱に意識を向けていたところから、メロディーや言葉を生む過程へ踏み込んだことが、歌うときにも役立ったのです。
自分らしい声は、歌う場所を増やしながら、その声に何を託すかを見つけることで育っていきました。
2016〜2017年、激しいパフォーマンスの隣にあった柔らかさ
2016年、NCT Uとして活動を始めた時点で、ジェヒョンには複数の顔がありました。
「The 7th Sense」のパフォーマンスと並んで披露された「WITHOUT YOU」では、テイル、ドヨンとともに歌を担っています。
ロックの響きとダンス音楽を組み合わせた曲で、三人の声を前に出す姿も、初期から見せていたのです。
翌2017年の「Try Again」では、シンガーソングライターのd.earと組み、少ない楽器によるアコースティックなポップバラードへ進みます。
作詞・作曲・編曲はd.earが担当しました。
曲を作る相手の世界に、自分の歌声で加わる形です。
大きな編成で声を際立たせる場面から、二人の歌を近くで受け取れる場面へ、声を置く環境が変わりました。
この曲では、温かさと訴えかける力がジェヒョンの持ち味として表れています。
後のソロ活動につながる柔らかな歌声は、デビューの翌年にも、すでに作品の中心を担えるものでした。

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2019〜2022年、好きな風景に合う歌から、自分の感情を歌う曲へ
2019年に公開したLauvの「I Like Me Better」のカバーは、ヨーロッパ公演中に見た街の風景が出発点でした。
ジェヒョンは、その場所で自然な自分の姿を残したくなり、雰囲気に合う曲を、好きだったLauvの作品から選んでいます。
歌と景色を、自分の好みで結びつけた小さな作品でもありました。
2020年には、自身の声と歌のスタイルを長所として挙げています。
2022年の「Forever Only」では、さらに自分の感情を言葉にする段階へ進みました。
作詞の際に最初に浮かんだのは、孤独のイメージだったといいます。
ギターを軸にしたR&Bの中へ、自分の声と感情をひと続きに収める。
他者の曲を選んで自分を映していたカバーから、自分で言葉を加えるソロ曲へと、表現への関わり方が広がった時期です。
本人は、明るさや活気のある曲調の中に寂しさを感じ、その感覚を歌詞へ持ち込んだとも説明しています。
歌い方の個性を探す作業が、何を歌うかを決める作業と結びついています。
2023年、三人で声を合わせる経験と、一人で描く穏やかな時間
2023年には、ドヨン、ジョンウとのNCT DOJAEJUNGで『Perfume』を発表しました。
ドヨンは、この作品の準備を通じて、ジェヒョンとジョンウがそれぞれに合った音楽をできたと振り返っています。
大人数のグループで多様な役割を果たしてきた声を、三人のR&Bという形でじっくり見せる機会になりました。
タイトル曲「Perfume」の引き算された伴奏は、三人の音色が混ざる様子を聴き取りやすくしています。
ここで前に出たのは、一人の声を抜き出したときの魅力に加えて、声同士を重ねたときのまとまりでした。
同じ年のソロ曲「Horizon」では、ジェヒョン自身が作曲にも参加します。
きっかけは、飛行機から眺めた、雲の上の穏やかな景色でした。
重心の低い声に、弾むR&Bを組み合わせた曲です。
「Forever Only」が明るい曲調に孤独を映したのに対し、こちらは、落ち着いた心持ちそのものを音楽へ移しています。
穏やかな声の持ち味に、軽やかに進む曲という選択が加わりました。
2024年、『J』で声の表情を一枚の流れにする
最初のソロアルバム『J』の制作は、ジェヒョンが手元の三曲を会社へ聴かせたところから始まりました。
その中には「Roses」も含まれています。
ソロ曲を作る経験が、もっと制作に関わりたいという気持ちにつながり、一曲ずつの発表から、作品全体の組み立てへと進んだのです。
本人は、グループでは全体像を考えて選び、ソロでは自分が表したいことをより直接的に選べると説明しています。
歌の向け先にも、自分の判断が強く反映されるようになりました。
「Smoke」で本人が挙げた特徴は、柔らかなボーカルと、ずれを含むフローでした。
しなやかな声を、言葉の置き方によってリズミカルに動かす曲です。
『J』では曲ごとに異なるコンセプトを設け、同じ声から複数の表情を引き出しています。
明るい「Dandelion」と暗い感情を含む「Roses」は、その違いが分かりやすい組み合わせです。
ジェヒョンは、曲を作るとき、まずビートの中へ入り、その場の明暗をつかむと話しています。
曲の世界に入って、その都度、自分の表現を探していく姿勢が見えてきます。

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同年10月の「Unconditional」でも作詞・作曲に参加し、ファンクのベースと厚みのあるコーラスを組み合わせました。
制作ではサビだけでなく、どの部分も記憶に残ることを目指しています。
歌の魅力を一か所の見せ場に集めず、一曲の各所へ行き渡らせようとする考え方です。
2026年、バンドと歌う自由、声を残すバラード
2026年6月のファンコンサート『MONO』は、バンドとともに歌う公演でした。
「Try Again」「Completely」なども歌い、初期の曲とソロアルバムの曲を、一人の歌手のレパートリーとして並べています。
ジェヒョンが話したのは、合奏の感覚が合った瞬間の感動と自由でした。
作り込んだ録音を届ける活動に、他の演奏者とその場の音楽を作る喜びが重なっています。
7月の「99 Degrees」は、静かなピアノから音を広げ、終盤には温かい歌声を中心に置くバラードです。
本人も作詞・作曲に参加しました。
声の柔らかさを生かしながら、楽曲全体の展開によって、その声の存在感を深めています。
ソロで広げた声を、NCT 127へ持ち帰る
同年のNCT 127のアルバム『BLINGY』では、ソロで得た経験がグループの歌へ戻っていきます。
ジェヒョンは、ソロアルバムで声の表現を広く試したことが、この作品でも新しい声の使い方を試す助けになったと話しました。
五人で録音する今回は、声の多様さが必要だったとも説明しています。
自分だけの曲を作る経験が、集団の中で果たせる役割を増やしたのです。
初期はグループの方向性とともに、自分がどんな音楽を作り、何を見せたいかも探していたといいます。
その後に積み重ねた選択によって、自分の望みが明確になってきたのでしょう。
自分で表現を選べる確かさが加わりました。
初期からあった温かい声は、デュエット、カバー、自作に関わるソロ曲、三人のハーモニーを通じて、さまざまな場所を得てきました。
変わったのは、自分の声をどんな曲に置き、どんな時間を聴き手と共有するかという選択の幅です。
個々の曲で音色やリズムをどう使うかは、ジェヒョン(NCT 127)の歌い方で掘り下げています。

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