KOHARU(HANA)の歌声はどう変わった?歌唱未経験から「声のレパートリー」を得るまで

歌唱未経験からHANAまでKOHARUの歌声の変遷をたどる記事のアイキャッチ KOHARU(HANA)

HANAのKOHARUさんは、歌を長く専門的に学んできた状態でオーディションへ入ったわけではありません。
15年以上続けてきたダンスに対し、歌はほぼ未経験でした。

それでも審査を進むたび、KOHARUさんの課題は「歌えるか」から「どの自分で歌うか」へ変わっていきます。
一つの正しい声を探して迷った時期を通り、現在は曲に合わせて声のレパートリーを選ぶようになりました。

この記事では、KOHARUさんの歌声の変化を、No No Girlsの審査からHANAの「My Body」まで時系列でたどります。

出発点は、15年以上のダンスと「歌唱未経験」だった

KOHARUさんは、家族が営むダンススタジオで幼い頃から踊り、15年以上の経験を重ねてきました。
人前で自分を表すことには慣れていても、歌になると同じようにはいきません。

オーディションの二次審査では、宇多田ヒカルさんの「First Love」を歌い、ちゃんみなさんの「美人」を踊りました。
歌とダンスを別々に提示したこの選曲は、当時のKOHARUさんの立ち位置を象徴しています。
ダンスはすでに自分の言葉でしたが、歌はこれから見つける言葉でした。

三次審査ではDチームで「本能」に参加します。
一人で歌の完成度を示す段階から、ほかの声と並んだ時に自分の役割を作る段階へ進みました。

この時期の重要な点は、未経験を隠して経験者のように見せることではありません。
体が先に理解しているリズムや感情を、どう声へ移すかというKOHARUさん独自の課題が、ここから始まったことです。

「不撓」では、振付を作る人から歌で物語を担う人へ進んだ

四次審査のクリエイティブ審査では、KAEDEさん、MOMOさんと「不撓」を制作しました。
KOHARUさんにとって、与えられた曲を正確にこなすだけでなく、チームで作品の意味を作る経験です。

ダンス経験が長い人は、動きで見せ場を作ることに逃げることもできます。
しかし歌手として残るには、動きを止めても言葉が届かなければなりません。

「不撓」の段階では、歌とダンスのどちらを目立たせるかではなく、同じ物語の中で両方を働かせる方向へ進みました。
後のKOHARUさんが、曲の人物像を体へ入れてから歌うようになる土台は、この制作型の審査で育っています。

歌とダンスを一つの物語として作り始めたNo No Girls期のKOHARU

Showy.のチーム審査で、声を集団の色へ合わせる難しさを知った

五次審査ではShowy.のチームに入り、「NG」と「Tiger」に取り組みました。
自分の見せ方だけでなく、複数人の声、動き、空気を一つの作品へまとめることが求められます。

ここでKOHARUさんのダンス経験は大きな武器になります。
一方で、体の表現が強いほど、歌声まで同じ強さで押し出せば、作品全体が重くなる可能性もあります。

必要なのは、目立つ声を常に出すことではなく、自分が前へ出る瞬間と、チームの色へ溶ける瞬間を選ぶことです。
後に本人が語る「声のレパートリー」は、ソロで声色を増やしただけではなく、集団の中で役割を変えた経験ともつながっています。

最終審査の「ディスタンス」は、一人で歌う責任を引き受けた場面だった

最終審査では、ソロ曲「ディスタンス」を歌いました。
チームの勢いに支えてもらうことができない舞台で、歌唱未経験から積み重ねたものを一人で見せる局面です。

この時点で、KOHARUさんの歌が完成したわけではありません。
むしろHANAになった後、プロの作品の中で「KOHARUらしい声」を問われ、新しい迷いが始まります。

最終審査までの変化は、歌えなかった人が上手に歌えるようになったという単純な線ではありません。
ダンスで培った表現を歌へ渡し、チームで役割を選び、最後に一人で言葉を背負うところまで進んだ過程です。

ROSEで「KOHARUらしさ」を求められ、声の正解を見失った

HANAのプレデビュー曲「Drop」を経て、デビュー曲「ROSE」の制作では、KOHARUさんに「もっとKOHARUらしく」という課題が示されました。

本人はそこで、KOHARUらしさとは何なのか分からなくなったと振り返っています。
歌の経験が浅い時期には、教わった技術を身につけることが前進になります。
しかし、技術が増えた先では、どれを自分の声として選ぶのかを問われます。

「ROSE」は、自信を持って完成形へ到達した作品というより、一つの声に自分を決めようとして迷った重要な地点です。
この迷いがなければ、後に複数の声を自分のものとして認める変化も生まれませんでした。

Blue Jeansで、声は一つではなく「レパートリー」だと分かった

「Blue Jeans」では、KOHARUさんは自分へ話しかけるような、独り言に近い歌い方を選びました。

誰かに強く聞かせようとするのではなく、胸の中にある感情がそのまま声になったような距離です。
「ROSE」で自分らしい一つの声を探していた時とは、考え方が変わっています。

本人は、「Drop」「ROSE」「Burning Flower」などを通じ、自分の中に声のレパートリーがあると分かってきたと話しています。
一つの声を見つけるのではなく、曲のパートに合う声を選ぶ。
これがKOHARUさんの歌唱変遷における大きな転換点です。

声を変えることが自分を失うことではなく、どの声も自分だと認められるようになりました。

Burning Flowerでは、強い歌詞を歌える自分か問い直した

「Burning Flower」でKOHARUさんは、これほど強い歌詞を自分が歌ってよいのかと考えました。

「ROSE」の迷いが、どんな声が自分らしいかという問いだったのに対し、ここでは、強い言葉を歌う自分に説得力があるかを問うています。
声の形だけでなく、歌詞と自分の生き方の距離を確かめる段階へ進んだのです。

HANAとして活動し、仲間と作品を届けてきた経験が、自分にもこの言葉を歌えるという自信につながりました。
歌声の変化は、音域や声量だけで起こるものではありません。
言葉から逃げずに立てるようになることも、聞こえ方を変える大きな成長です。

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BAD LOVEの高音の安定が、My Bodyの人物表現を自由にした

「BAD LOVE」の制作では、高い音域で以前より心地よく、安定して歌える方法をつかんだと語っています。

ただし、本人は声区名を断定していません。
外から声帯の動きを確認することもできないため、地声やミックスボイスと決めつけるのではなく、高音を表現へ使える余裕が増えた変化として捉えるのが自然です。

その余裕が「My Body」で、さらに具体的な人物像へ変わります。
KOHARUさんは「モテがる」女性を思い描き、前へ行進するようなリズムを体で受け取り、言葉を伸ばす長さまで調整しました。

高音の安定を人物像とリズムの表現へつなげた現在のHANA・KOHARU

歌唱未経験だった頃は、体が知っている表現を声へ渡すことが課題でした。
現在は、声で得た安定感を再び体へ返し、人物の歩き方や言葉の間まで一つにしています。

変わらなかったのは、完成形に自分を閉じ込めないこと

現在のKOHARUさんは、聴いた人に自分だと分かってほしい一方、曲ごとに多くの違う自分も見せたいと話しています。

以前なら、その二つを両立させるには、一つの特徴的な声を守りながら少しだけ変化をつける必要があると考えたかもしれません。
しかし今のKOHARUさんにとって、自分らしさは固定された音色ではありません。

曲の主人公を理解し、体でリズムをつかみ、必要な声を選ぶ。
その選択の仕方が一貫しているから、違う声でもKOHARUさんとして届きます。

KOHARUさんの発声分析では、この「声を選ぶ力」と身体表現の関係を、作品ごとに詳しく整理しています。

まとめ

KOHARUさんの歌声の変化は、歌唱未経験から一つの完成した声を手に入れるまでの物語ではありません。

二次審査では歌とダンスが別々の言葉でした。
「不撓」やShowy.のチーム審査で二つを作品の中へまとめ、最終審査では一人で歌を背負います。

HANAになった後、「ROSE」で自分らしい一つの声を探して迷いました。
その後、「Blue Jeans」で声のレパートリーに気づき、「Burning Flower」で強い言葉を歌う自信を得て、「BAD LOVE」の高音の安定を「My Body」の人物表現へつなげています。

変化の到達点は、どんな曲でも同じように歌えることではありません。
曲が変わるたびに違う自分を選び、それでも本人だと分かることです。

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