真鍋凪咲(CUTIE STREET)の歌唱変遷|かわいさに悩んだ声が、曲の表情を広げるまで

2025年7月の取材に登場した真鍋凪咲 シンガー
2025年7月の取材に登場した真鍋凪咲

真鍋凪咲の力強い歌声を知ってから、活動初期の話に戻ると、少し意外な出発点が見えてきます。
かわいらしい声の出し方に悩んでいた人が、その後は歌の迫力や表現の幅を仲間から評価されるようになったのです。
CUTIE STREETでの歩みは、声を一つの正解へ近づけて終わる話ではありません。
曲が増え、舞台が広がるにつれて、自分の声を生かす場面も増えていきました。

アイドルらしい声に悩んでいた出発点

真鍋は、学生時代にヒップホップやジャズダンスを経験し、大学に進んでからアイドルを志しました。
初めてのオーディションを経てKAWAII LAB. MATESに加わり、デビューを目指す側に立ったのです。
踊る楽しさを知っていることと、アイドルとして自分を見せられることは、同じではありませんでした。

2024年11月、活動を始めて一年の節目に、真鍋は研修生時代を振り返っています。
レッスンでは踊り方や声のかわいさについて指導を受け、周囲に追いつこうと研究と練習を続けていました。
デビュー後も経験の差を感じ、悩んだという本人の言葉からは、最初から自信を持って歌えていたわけではないことが分かります。
それでも、実力を磨いて自分を知ってもらおうと決めていました。

同じ年の年頭には、学業と並行して歌、ダンス、基礎体力作りなどに取り組むことを目標に掲げていました。
声だけを切り離して鍛えるというより、人前で歌い踊るために必要なことを、一つずつ身につけていた時期です。
ここを抜かして現在の歌唱力だけを見ると、本人が抱えていた戸惑いや、表現を形にするまでの積み重ねが見えにくくなります。

2024年11月の本人投稿に添えられたステージ写真
2024年11月の本人投稿に添えられたステージ写真。
画像出典:画像掲載元

「解」で見せた、かわいさとは別の強さ

2025年2月の初ワンマンライブでは、真鍋自身がグループのかわいさ以外の顔を予告し、「解」へつなぎました。
ロック色の強い曲を、鋭い表情やダンスを交えて披露する場面です。
デビュー曲の明るい印象で集まった人に、別の表現を差し出す役を担っていました。
歌声の変化を考えるうえでも、こうして声を置く曲の性格が広がったことは外せません。

「解」は、2024年の1stシングルに収録された曲です。
板倉可奈と真鍋の息の合った歌唱が、クールな表情を支えています。
デビューの時点で、明るいかわいさとともに、力強さを生かす曲も持っていたのです。

2025年の夏、梅田みゆは、真鍋の歌や声量をグループの魅力として挙げています。
アイドルらしいパフォーマンスに加え、歌手として聴かせるような表現もできる人だと見ていたのです。
本人が初期に抱えていた「追いつけない」という感覚と、仲間が見ていた歌の強み。
この二つの間に、経験を重ねた意味が表れています。

得意な声が見つかっても、完成にはしない

デビューから一年近くたった頃、グループは八人の個性をどう出すかを課題として語っていました。
真鍋も、型にはまらない自由さを、当初は不安に感じつつ、次第にグループの強みと受け止めるようになっています。
全員が同じかわいさへ近づくのではなく、それぞれの持ち味で曲を作る。
その方向性の中では、彼女の声の力強さにも居場所があります。

本人にとっても、アイドルは自分の表現したいものや軸を示せる活動になっていました。
以前はやりたいことが変わることもあったのに、ここでは強く続けたいと思えたと話しています。
周囲の見本を追うだけだったら、自分の持ち味を探すところまでは進みにくいでしょう。
自分が何を表したいかという問いを持てたことが、歌い手としての土台になっていきます。

ただし、真鍋自身はこの時期にも、もっと歌を上達させ、自分らしい表現と技術の両方を磨きたいと考えていました。
目指していたのは、かわいさもかっこよさも出せるアイドルです。
声の強みを持ちながら、本人の課題はまだ続いていました。

2026年8月、日本武道館で歌う真鍋凪咲
2026年8月、日本武道館で歌う真鍋凪咲。
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2026年、ラップと異なる言語へ広がった表現

2026年8月の日本武道館公演では、前年の「解」などで見せたかっこよさに、新たな色が加わりました。
「ホメマクリズム」は、人を肯定する言葉をラップで届ける曲です。
真鍋と板倉は、ここでも存在感を示しました。
暗い色合いのロックで見せる強さから、言葉とリズムで押し出す陽気な強さへ。
同じ二人が前に出る場面でも、曲が求める表情は違います。

ホメマクリズム|2026年配信のスタジオ音源

歌う場所もグループの持ち歌に限られなくなります。
2026年の『音楽の日』では、事務所をまたぐ合唱企画のASOBISYSTEMチームに、板倉とともに名を連ねました。
取り上げる曲は「First Love」と「恋」。
グループの中で個性を出すことに加え、普段とは違う相手の声と一つの曲を作る役割も託されるようになったのです。

韓国語での録音は、新たな課題を生みました。
真鍋は、口の動きが忙しく、録音中に発音が追いつかない難しさを語っています。
歌える曲が増えたあとにも、言葉を届けるために学び直すことがあるのです。

その学習は、現地の客席と歌を共有するための準備でした。
2026年7月のソウル公演では、「ぷりきゅきゅ」や「きゅーすとのうた」、そして代表曲の「かわいいだけじゃだめですか?」を韓国語で披露しています。
知っている曲を別の言語でも歌えるようにし、客席の応答を受け取る。
初期に自分をどう見せるかで悩んでいた歌い手は、届ける相手に合わせて言葉を作り直すところへも踏み出していました。

声の居場所が、一つずつ増えていく

初期の戸惑いから現在までを、単に声が大きくなった、上手くなったとまとめると、肝心なところが抜けてしまいます。
真鍋は、かわいらしい声の出し方を学びながら、強さを持つ自分の声を、違う性格の曲へ置けるようになってきました。
ロック、ラップ、そして異なる言語。
それぞれに求められるものが違うからこそ、本人が目指した表現の幅が具体的な姿を取り始めています。

曲の中で声の強さや伸びがどう働くかは、真鍋凪咲の歌い方で掘り下げています。

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