YURI(HANA)の歌声はどう変わった?歌唱未経験から「静かな強さ」を得るまで

No No Girlsの歌唱未経験期からHANAまでYURIの歌声の変遷をたどる記事のアイキャッチ YURI(HANA)

HANA・YURIさんの歌声は、歌唱未経験だった2次審査から、ただ強く大きくなる方向へ進んだのではありません。
最も大きな変化は、悲しさや弱さを隠さず、そのまま声の色として使えるようになったことです。

9年のダンス経験がある一方、応募時の歌唱歴とラップ歴はともにゼロでした。
それでも最初から声の色気と存在感を評価され、審査が進むほど、技術を足すだけでなく、自分が見せたくなかった感情と向き合うことになります。

デビュー後は繊細な歌、泣き歌い、鋭いラップへ役割を広げました。
この記事では、YURIさんの歌唱変遷を、2次審査、チーム制作、Final、HANAの楽曲まで時系列でたどります。

2次審査では、歌唱未経験の声が先に見つかった

No No Girlsへ応募した時、YURIさんには9年のダンス経験がありましたが、歌唱とラップの経験年数はありませんでした。
2次審査では優里さんの「ドライフラワー」を歌い、ちゃんみなさんの「B級(B-List)」で踊っています。

この時点で注目されたのは、習ってきた技術の多さではなく、声そのものにある悲しさや色気、本人の存在感でした。
「圧倒的なカリスマ性」という評価を受けた一方、本人には、その言葉が具体的に何を指すのかすぐには分からなかったそうです。

完成した歌手として認められたのではありません。
磨けば光るものがあると見つけられたことが、変化の出発点でした。

3次審査から4次審査へ、声を見せるだけでは足りなくなった

3次審査ではチームで「キューティーハニー」に取り組み、個人の雰囲気を見せる段階から、複数の声と動きの中で役割を作る段階へ進みました。
ダンス経験が長くても、歌を含むチーム全体を成立させるには、別の判断が必要になります。

4次審査ではソロで「Last Rain」に向き合い、その後AMIさん、KOKOAさんと「You are the One」を制作しました。
与えられた曲を歌うだけでなく、自分たちの言葉と構成を一曲へまとめる審査です。

YURIさんにとって、これは初めて制作クレジットへ名を連ねた作品になりました。
声の個性だけで覚えられる候補者から、誰と何を作るかまで問われる表現者へ、役割が広がり始めます。

No No Girls THE FINALを前に自分の弱さと向き合ったYURI

5次審査のKINISHYで、個性をチームの強さへ変えた

5次審査では、CHIKAさん、MOMOKAさんらとチームKINISHYを組み、「Tiger」と「NG」に挑みました。
短期間で既存曲の振付を覚え、別の曲では歌詞や振付にも関わる、疑似プロ審査です。

ここでは、一人だけ印象に残ればよいわけではありません。
YURIさんの大人びた声や視線の強さを残しながら、異なる声を持つメンバーと同じ方向へ曲を運ぶ必要がありました。

のちに七人で制作するHANAを考えると、個性を薄めずチームへ置く感覚を学んだ時期です。
「カリスマ性」という抽象的な評価が、集団の中で果たす具体的な役割へ変わっていきました。

Finalまでの転機は、弱さを消さず舞台へ持っていくことだった

YURIさんは、悲しくても平気なふりをする自分に対し、「弱さを認めて」と言われたことが深く刺さったと振り返っています。
本人の言葉では、そこで内側が一気に開きました。

強い人として見られてきたからこそ、弱さを出すことは後退にも感じられます。
しかし、表現では隠した感情より、認めた感情の方が言葉へ具体的な温度を与えます。

Finalのソロでは「ハレンチ」を歌いました。
悲しさを消して別の人物になろうとするのではなく、痛みが残る自分のまま舞台へ立つ方向が、ここで定まりました。

後に本人は、強いパフォーマンスの中にも悲しさが残り、それが自分の色になるという助言を受けたと話しています。
未経験だった歌に技術を足したこと以上に、隠していた感情を歌へ許したことが、Finalまでの最大の変化です。

HANAの「Blue Jeans」で、繊細さが一つの完成形になった

HANAは2025年1月に「Drop」でプレデビューし、4月の「ROSE」でメジャーデビューしました。
オーディションで見つけた声の悲しさは、デビュー後に消されず、曲ごとの役割へ磨かれていきます。

「Blue Jeans」でYURIさんが選んだのは、声を大きく前へ出すことではなく、繊細な歌い方でした。
好きな相手に選ばれた喜びを、勝ち誇る強さではなく、信じたい気持ちの近さとして届けています。

応募時に注目された色気や悲しさが、ここでは偶然の声質ではなく、本人が選べる表現になりました。
現在の技術を詳しく知りたい場合は、YURIさんの発声分析で、息、エッジ、ハスキーさを曲ごとに使い分ける考え方を扱っています。

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「BAD LOVE」で、繊細さは泣きそうな怒りへ変わった

次の「BAD LOVE」では、繊細さを保ったまま感情の向きが変わります。
ディレクションで求められたのは、整えて美しく聞かせることより、泣きそうな状態を歌へ入れることでした。

本人は「うまく歌おう」と考えすぎず、怒りや未練へ入り込む方法を選んでいます。
2次審査の時には本人も正体をつかみきれていなかった悲しさが、ここでは曲の物語に合わせて呼び出せる表現になりました。

「Blue Jeans」と「BAD LOVE」は、どちらも声を押し出す曲ではありません。
それでも前者は親密さ、後者は傷の生々しさへ聞こえ方を変えられます。
歌声が太くなったという単純な進化ではなく、同じ繊細さへ別の意味を与えられるようになったのです。

HANAの楽曲ごとに繊細さと鋭さを選べるようになった現在のYURI

「NON STOP」で、息の多い得意型を初めて大きく離れた

2025年末の「NON STOP」は全編ラップで、YURIさん自身が、それまでで最も難しい曲だったと話しています。
普段の息が多い歌い方ではなく、鋭く強い声を求められたためです。

ラップ経験がなかったYURIさんは、踊りながらリズムを保つことにも苦戦しました。
MOMOKAさんやMAHINAさんから助言を受け、個人の雰囲気だけでなく、七人のまとまりを作るために声を変えています。

ここで歌唱変遷は一周します。
最初は、習っていないからこそ残っていた珍しい声が見つかりました。
やがて弱さを認め、その声を自分の表現として選び、最後には得意な型をあえて離れる力まで身につけました。

2026年のYURIは、自分の型を守りながら固定しない

2026年、YURIさんは自分の譲れない軸を「自分らしい歌い方」と説明しています。
半音下げるような崩し、エッジ、意図的なハスキーさなど、本人の中には心地よい選択肢がいくつかあります。

同時に、HANAは1stアルバムと全国ツアーを通じ、デビュー曲だけでは見えなかった声の役割を増やしました。
YURIさんが目指すのは、弱さを消した完璧な人物ではなく、その時の感情にうそをつかない表現です。

歌唱未経験からの成長は、訓練された声へ置き換わったという話ではありません。
最初に見つけられた悲しさや色気を失わず、それをいつ使い、いつ離れるかを自分で決められるようになったことです。

まとめ

YURIさんの歌声は、歌唱・ラップ未経験の2次審査で個性的な声を見つけられ、4次審査の制作、5次審査のチーム表現、Finalでの自己対話を通して変わりました。
中心にあるのは、悲しさを隠して強く見せるのではなく、弱さが残ったまま舞台へ立つという転機です。

HANAでは「Blue Jeans」の繊細さ、「BAD LOVE」の泣き歌い、「NON STOP」の鋭いラップへ役割を広げました。
「静かな強さ」を自分の型として守りながら、必要ならその型を壊せることが、現在のYURIさんの歌唱の進化です。

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