パク・ヒョシンの歌声の変遷|濃い声を残しながら、歌を伝える方法を変える

2019年の「LOVERS」公演で歌うパク・ヒョシン シンガー
2019年の「LOVERS」公演で歌うパク・ヒョシン

パク・ヒョシンは2007年、自分の濃い音色が強く印象に残るため、肝心の歌が届きにくいのではないかと説明しました。
そこで変えようとしたのは、声の存在感と曲の伝わり方との関係でした。

その言葉を入り口にすると、太い声が細い声になったという比較だけでは見えない歩みが浮かびます。
自分らしさをどこに残し、どこを抑えるのか。
若い頃の試行から、仮の録音を完成版に選んだ「HERO」、2026年の『A & E』まで、歌を届ける方法の変化をたどります。

初期の太い声と、2004年に始まっていた引き算

デビュー作『해줄 수 없는 일』の頃から、パク・ヒョシンには重みのある低音とハスキーな高音という特徴がありました。
「바보(バカ)」などで知られるようになった初期の声は、若い歌手とは思えない深い響きで注目を集めています。

2002年の3作目『Time-Honored Voice』でも、声の力強さは音楽の中心でした。
音楽評論家のイム・ジンモは、歌い方そのものの大きな変更より、編曲の洗練やジャズ風のポップスへの広がりに新しさを見ています。
「좋은 사람(いい人)」を聴く時の出発点になるのは、この強い個性です。

2002年9月21日放送の歌唱。

2004年の『Soul Tree』では、すでに表現を抑える試みが始まっていました。
「그곳에 서서(その場所に立って)」では荒さや泣くような歌い方を減らしています。
ただ、自分らしさまで失うことには不安がありました。

同年の本人の振り返りでは、2作目で荒さと深みを経験し、3作目で落ち着いて歌う感覚を知り、4作目で自分の声を探しているという順序でした。
変化は一度の決断ではなく、作品を作るたびに少しずつ確かめるものだったのです。

「雪の華」から5作目へ――感情の出し方を試し直す

4作目の活動を終える頃、本人は、重い音楽に偏りすぎていないかと考えました。
もっと心地よく聴ける音楽を作ろうと自分に課した試みが、2004年の「눈의 꽃(雪の華)」につながります。
声の濃さを全面に出すことから、感情を抑えて歌を渡すことへ、意識を移していました。

その後のリメイク盤でも、声の出し方を大胆に試しています。
本人は、歌い方を丸ごと交換したというより、感情の表し方を抑え、叙情的にしたのだと説明しました。
2007年の5作目『The Breeze Of Sea』は、その試行をまとめた作品です。
ファン・ソンジェと共同で制作し、海、風、ピアノというイメージを音楽の軸にしています。

ただし、抑えた声の作品になっても、悲しさまで薄まったわけではありません。
批評家のイ・デファは、裏声で柔らかく逃がす場面が増えた一方、「메아리(こだま)」や「Lost」には濃い感情が残ると指摘しました。
「추억은 사랑을 닮아(思い出は愛に似て)」の大きな編曲も、繊細さだけでは説明できません。

力を抜くという言葉には、声を小さくする以上の意味があります。
何も感じていないように歌うのでも、持っている強さを捨てるのでもない。
感情をいつ、どの程度まで表へ出すかという選択が、ここで細かくなっていきました。

『The Breeze Of Sea』発表時のパク・ヒョシン(2007年掲載)
『The Breeze Of Sea』発表時のパク・ヒョシン(2007年掲載)。
画像出典:画像掲載元

2009年の『Gift Part.1』でも、新旧の表現は共存しています。
イ・ジョンミンの批評では、「사랑한 후에(愛した後に)」の穏やかな歌唱に対し、「널바라기」「이름 모를 새」には従来の特徴が残ると評されています。
ある年を境に、すべての曲から以前の歌い方が消えたわけではありません。

「野生花」から『I Am A Dreamer』へ――語りかける声が広がる

2014年の「野生花(야생화)」は、困難を越え、音楽を通して再び咲こうとする思いを込めた自作曲でした。
チョン・ジェイルとの制作によって、声の変化が新しい代表曲と結びつきます。

イ・ギソンは、この曲が過剰な泣き声より、落ち着いた語りを選んだ点を評価しています。
同時に、後半の感情の放出には、さらに抑える余地があったとも指摘しました。
柔らかな語りと大きな盛り上がりの釣り合いが、この曲の重要な聴きどころになっています。

2015年の「Shine Your Light」では、アンディ・プラッツとの共同制作が別の可能性を開きました。
穏やかなアコースティックギターのリズムに、抑えた声を置くソフトなポップスです。
悲しいバラード以外にも、その声が生きる場所が広がっていきました。

2016年の『I Am A Dreamer』では、本人が全体のプロデュースを担い、多くの曲の作詞・作曲にも関わります。
「Home」から「숨(息)」まで、暮らしや夢をめぐる思いがアルバム全体につながりました。
歌を渡された後で表現を考えるだけでなく、何を歌うか、どういう音の中で歌うかまで、自分で組み立てる作品になっています。

キム・バニャの批評は、この時期の声を、初期の厚く内側にこもるような響きから、細やかで明瞭に伸びる方向への変化として捉えています。
さらに、ミュージカル経験による発音や表現の精密さにも注目しました。
個々の曲で試してきた歌唱が、アルバムの多様な表現へ広がった時期と捉えられます。

2018~2019年――一曲の物語と、舞台での歌い直し

2018年の「겨울소리(冬の音)」では、長い時間をかけて旋律と歌を積み重ね、大きな合唱へつなぐ構成が選ばれました。
チョン・ユナは、直接的な失恋の痛みから、耐える時間と希望を描く方向へ進んだと評しています。

2019年の公演では、「雪の華」をチョン・ジェイルのギターだけで歌う場面がありました。
同じ代表曲にも、伴奏と声の距離を変えた静かな姿を与えています。
ミュージカルで人物の内面を描いてきた経験とともに、歌を物語として伝える力が公演評でも評価されました。

新曲で声を変えるだけでなく、以前からの歌を今の表現で捉え直す。
この段階の変遷には、昔の曲を歌い続けること自体も含まれています。
曲名が同じでも、編成や公演の場面まで合わせて見る必要があります。

「LOVERS」公演のパク・ヒョシン(2019年)
「LOVERS」公演のパク・ヒョシン(2019年)。
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2024年の「HERO」――最初の歌に残っていたものを選ぶ

映画『소방관(消防士)』に使われた「HERO」では、大切な誰かを思う素朴な気持ちを歌にしました。
本人は、純粋な思いを表すために技巧を抑えたと説明しています。

2024年12月に発表されたこの曲について、本人は、物語と感情を明確にするために削っていく作業だったと記しています。
作詞・作曲・編曲で華やかな技術を前へ出さず、小さな音が積み重なる流れを選ぶことには、勇気が必要でした。

翌年のラジオでは、歌の録音を長く準備したものの、最初のガイド歌唱が最も良く感じられ、キム・イナらと相談してその声を完成版に採ったと明かしています。
仮の歌を、録り直したという理由だけで退けなかったのです。

「HERO」は、歌い直す能力を持つ人が、最初に歌えた表情を選び取った一例です。

『A & E』へ――声も大きな音の風景の一部に

2026年のEP『A & E』では、異なる人がつながり、気持ちを分かち合えることを主題にしています。
サム・キムらとの制作を広げながら、「Prayer」ではチョン・ジェイルとも再び組んでいます。

「AE」には柔らかな声や裏声を重ねる表現があり、「Any Love」は抑えた感情を後半のコーラスと弦の広がりへつなぎます。
批評でも、高音の衝撃だけでなく、声の質感が作る空間に目が向けられました。

パク・ヒョシンの歩みは、強い声を弱い声へ置き換える一直線の変化ではありません。
泣くような音色を残しながら表現を抑え、言葉を語り、必要な場面では大きな音の流れに加わる。
声の個性をどれだけ見せるかという問いが、歌全体をどう届けるかという問いへ深まってきたのです。

現在の歌で何を抑え、何を響かせるのかは、パク・ヒョシンの歌い方で詳しく取り上げています。

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