SHUNTOの歌声はどう変わった?好きではなかった声を、自分の音楽へ育てるまで

2026年のSPUR本人取材に掲載されたSHUNTO SHUNTO
2026年のSPUR本人取材に掲載されたSHUNTO

SHUNTOの声は、デビュー前から評価されていました。
けれども本人は、もともと自分の声も歌い方も、あまり好きではなかったと話しています。
評価される声と、自分で良さを実感できる声の間には、少し距離がありました。

BE:FIRSTで経験を重ね、憧れの歌手と共作し、2026年には初めてのソロ曲「Want it」を発表します。
声を認められることから、その声でどんな音楽を作りたいかを選ぶことへ。
本人と共演者の言葉から、その歩みをたどります。

SHUNTO「Want it」公式ダンスパフォーマンス映像(2026年)。

2021年、褒められた声の良さを、少しずつ自分でも知る

2021年のオーディション『THE FIRST』を経て、SHUNTOはBE:FIRSTのメンバーになりました。
WEBザテレビジョンの取材で、心に残っていることとして挙げたのは、SKY-HIに声質を褒めてもらった経験です。

それまでも周囲から良いと言われることはあったものの、本人には、その良さが十分には分かっていなかったといいます。
合宿でレッスンを受け、少しずつ理解できるようになった時に、憧れのアーティストが言葉にしてくれた。
それが自信になり、心にも余裕が生まれたと話しました。

同年のJJでは、ボイストレーナーのりょんりょん先生に習って録音してみると、自分の声が以前ほど嫌いではなくなったとも説明しています。
褒められた言葉を受け取り、レッスンと録音を通じて自分の声を受け止め直す。
周囲の評価と、自分で感じる声の良さが、少しずつ重なる経験でした。

2021年公開のwith本人取材に登場したSHUNTO(撮影:五十嵐瑛仁)
2021年公開のwith本人取材に登場したSHUNTO(撮影:五十嵐瑛仁)。
画像出典:画像掲載元

一方で、「Move On」の審査は、順位が大きく下がり、このままでは選ばれないかもしれないと感じた転機でもありました。
声への自信が生まれていく中でも、実際の歌に残る課題と向き合わなければならなかったのです。

結成後も、音程などの基本に取り組んでいました。
withの本人取材では、思い入れのある審査曲として「Move On」を挙げ、そこで指摘された音程の課題を、結成後も改善しようと取り組んでいると話しています。

「Move On」THE FIRST・合宿擬似プロ審査(2021年)。

持っている声の良さを受け取りながら、音程などの基本も磨く。
SHUNTOの出発点には、その両方がありました。

同じ頃、将来ライブでソロコーナーを持つなら、自作曲をしっとり歌いたいとも答えています。
メンバーの個性を組み合わせたユニット曲にも興味を持っていました。
後年のソロ活動につながる希望は、すでにデビュー時の本人の言葉に表れていたのです。

2022年、ライブで育った歌を、録音で確かめ直す

『THE FIRST』で「Move On」を担当したSHUNTOも、結成後は「Be Free」を歌い、ライブを重ねていました。
2022年のアルバム『BE:1』では、「Be Free」など、活動の初期から歌ってきた曲を改めて録音しています。
音楽ナタリーの取材でSHUNTOは、ライブで何度も歌った分、アレンジすることには慣れていたと話しました。
ところが録音では、元のアクセントやメロディラインが分からなくなり、時間のかかった部分もあったといいます。

「Be Free」2022年のBE:FIRST版・公式公開音源。

繰り返し歌うことで、自分なりの歌い回しが増える。
その経験を持って原曲へ戻ると、どこを変えて歌っていたのかも、改めて見えてきます。

録り直した「Be Free」について、本人は、のびのび歌えていて、以前の切羽詰まった感じが減ったと受け止めていました。
ライブを重ね、曲の解釈ができてきたのかもしれないと、聴き返した印象を語っています。
歌えるかどうかに向き合う段階から、すでに知っている曲をどう歌うかへ、考えることも広がっていました。

自分の気持ちを書くことが、歌う時の手がかりにもなる

『BE:1』には、メンバーが言葉を作る経験も刻まれています。
ロックフェスで披露するために作った「BF is…」では、各自が担当部分を考えました。
SHUNTOは、仲間と出会って感じた、勝ち負けだけで物事の良し悪しは決まらないという思いを、SKY-HIと相談しながら歌詞にしています。
声を張って歌う自分の部分では、書いた時の気持ちを思い出すと話しました。

「BF is…」公式公開音源(2022年『BE:1』収録版)。

歌詞を自分の経験から考えることが、声にどんな気持ちを乗せるかにも関わっていました。
声質を褒められることに加え、その声で伝えたい言葉も、自分で選ぶようになっていたのです。

『BE:1』について語った2022年のSHUNTO(撮影:曽我美芽)。
『BE:1』について語った2022年のSHUNTO(撮影:曽我美芽)。
画像出典:音楽ナタリー

また、SOTA、SHUNTO、RYOKIによるラップ曲「Spin!」では、題名とフックを手がかりに、三人で歌詞を作っていきました。
最初は何を歌うか思い浮かばず、SHUNTOも苦戦したと振り返っています。
SKY-HIに相談しながら書くうち、それぞれの担当部分に、車やタイヤの回転を思わせる言葉がそろっていきました。
歌う内容を探す難しさも含めて、一曲を作る側の経験が増えていました。

「Spin!」公式公開音源(2022年『BE:1』収録版)。

2023〜2024年、憧れの歌手との共作と、自分達の意思

2023年、UVERworldの「ENCORE AGAIN」へ参加します。
きっかけは、SHUNTOがUVERworldのファンだと知ったTAKUYA∞が、BE:FIRSTのライブを見たことでした。
本人の歌とパフォーマンスにひかれ、TAKUYA∞から一緒に曲を作ろうと声をかけています。

憧れの相手からの誘いには、喜びとともに重圧もありました。
TAKUYA∞によれば、SHUNTOはすぐには返事をせず、一日ほど考えたといいます。
そこから引き受けたのは、完成した曲を歌うだけでなく、自分の担当部分を作る役割でした。

UVERworld「ENCORE AGAIN(feat. SHUNTO from BE:FIRST)」公式MV。

Skream!の取材によると、TAKUYA∞は曲を作り、SHUNTOが歌う部分を空けた状態で渡し、その部分を本人に委ねました。
返ってきた言葉の完成度と、その声が加わって曲が引き締まったことを喜んでいます。
憧れの歌を聴いてきた人が、今度は自分の声と言葉を求められ、一緒に曲を作る場が加わりました。

翌2024年、2枚目のアルバム『2:BE』を発表した際にも、音楽への関わり方の変化を話しています。
リード曲「Blissful」の話題で出演したFMヨコハマの番組で、SHUNTOは、前作では王道のジャンルをなぞった曲が多かったのに対し、今回は自分達のやりたい意思を通した曲が多く、自覚や自信のついたアルバムだと説明しました。

「Blissful」公式MV(2024年)。

声をどう評価してもらうかに加え、どんな曲を、その声で形にするか。
グループで作る音楽にも、本人の意思が、より明確に向くようになっていました。

2026年、「Want it」で今の自分が歌いたい恋愛を選ぶ

2026年の初ソロ曲「Want it 〜One of the BE:ST-06 SHUNTO〜」は、R&Bのラブソングになりました。
SPURの取材で本人は、今の若さを生かして、少しチャラい恋愛の歌を作ろうとしたと説明しています。
10年後に聴いた自分が恥ずかしくなるくらいでもいい、という考えでした。
自分の好きな年代の音を重ね、次のソロ曲へ続くことも考えながら、一曲目を作っていました。

デビュー時に思い描いていた、自作曲を一人で歌うこと。
それがこの時には、どんな恋愛を、どの年齢の自分として歌うかという、具体的な選択になっています。
グループや共作で自分の担当部分を考えてきた歩みの先に、一曲を通して見せたい自分を選ぶ場が加わりました。

2026年10月にBE:FIRST公式プロフィールで掲載されているSHUNTO
2026年10月にBE:FIRST公式プロフィールで掲載されているSHUNTO。
画像出典:画像掲載元

この時の本人は、曲を作るほど探求心が増し、自分ならどんな音で何を歌うかを考え続けていると話しています。
ソロとして成長することが、BE:FIRSTの厚みにもつながると考えていました。

自分の声を好きだと思えなかった時期から、その声を褒められ、基本を磨き、ライブと録音を行き来する。
さらに、共演相手やメンバーと曲を作り、一人で歌いたいものも選ぶ。
SHUNTOの変遷には、自分の声への自信と、自分の音楽を作る意思が重なっています。

「Move On」や「ENCORE AGAIN」から「Want it」へと聴き進めれば、自分の声を託す曲と、一緒に歌う相手の広がりも追えます。
ざらつきのある音色や、息を交えた柔らかな歌い方については、SHUNTOの歌い方で掘り下げています。

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